エムエスツデー 2022年10月号

お客様訪問記

新潟県燕市
配電設備の電力の遠隔監視に導入された
「Webロガー2(形式:DL30)」と「くにまる®

(株)エム・システム技研 システム技術グループ

今回は、新潟県燕市にある明道メタル(株)を訪問し、配電設備の電力の遠隔監視にご採用いただいた920MHz帯マルチホップ無線機器くにまると現場設置形データロガーWebロガー2(形式:DL30)について、同社安倍様と今回の導入にあたりシステム提案から構築まで行われた(株)ジェスクホリウチ 新潟支店 営業部 産業営業課の酒井様にお話をお伺いしました。

[エム・システム技研、以下エムと略称]本システム導入の経緯についてお聞かせください。

[安倍様]何十台もある各機械の配電設備に電力量計が付いています。機械ごとにどのくらい電力を使用したのかを把握するため、毎月1日に工場敷地内を歩いて記録しています。1人で行っているため時間がかかり、また、私が休むと記録することができない状況でした。「読み間違い」や「記録する際の転記ミス」なども心配事でありました。そんな中、(株)ジェスクホリウチの酒井様から電力マルチメータ(形式:54U2)を使用した監視システムの提案があり、導入計画が始まりました。
[酒井様]今回、弊社で工場内の配電設備の更新工事を請け負っており、その中で電力量計を電力マルチメータに更新し、Webロガー2を組合せたシステムを構築すると自動で記録ができるため、見て回りによる検針がいらなくなる、とご紹介をさせていただきました。

[エム]エム・システム技研を選定された理由をお聞かせください。

[安倍様]今回、高圧盤関係の更新にあたり、(株)ジェスクホリウチにご相談させていただいた際に、(株)ジェスクホリウチとエム・システム技研は、お付き合いがあると伺い、サポート面などを考えたときにお付き合いのあるメーカーの方が良いと思い、エム・システム技研を採用させていただきました。

[エム]システムの概要や構成についてお聞かせください。

[酒井様]2019年の年末に変電室のフィーダー盤を更新した際に、電力マルチメータWebロガー2を導入し、フィーダー盤の電力監視を始め、2年以上使用している実績があります。 今回、新たに構内の様々な箇所の受電設備を更新するにあたり、同様のシステム構成を検討したところ、各設備間の距離が離れているため、通信線をひくことは困難でした。そこで、920MHz帯マルチホップ無線機器くにまるを採用しました。監視したい設備にくにまる子機(形式:WL40MW1)と電力マルチメータを設置して、機器の間をModbus-RTU(RS-485)で接続し、構内の中央あたりに設置したくにまる親機(形式:WL40EW2)に伝送しています。そして、別の建屋の変電所に設置したWebロガー2から社内LANを経由して、くにまる親機と通信を行い、くにまる子機を通して電力マルチメータ内部で演算した電力量などのデータを取得し監視・記録を行っています。そして、今年5月には、さらに1箇所を追加し、電力を監視しています。

[エム]Webロガー2ではどのような監視を行っているかお聞かせください。

[安倍様]Webロガー2では各高圧盤の電流・電圧・電力・電力量などを簡易Web画面で表示しています。また、帳票機能を利用して、日報などのCSVファイルをWebロガー2からダウンロードしています。

[エム]本システムを導入されてのご感想をお聞かせください。

[安倍様]まだ全体の一部しか設置していませんが、大変助かっています。今は通常業務があるため始業前に見て回っており、構内の電力量計をすべて回るのに1時間半くらいかかっていましたが、1つの建屋を回らなくなっただけでも楽になりました。そして、決まった時刻の記録ではなかったデータが、帳票で1時間毎に使用量が自動的に記録できるようになり、今まで設備が稼働している時間帯にとれなかったデータが収集できるようになりました。また、もともと表計算ソフトに見て回りしてきたデータを入力して管理していました。Webロガー2はデータをCSVファイルで記録しているので、そのファイルをダウンロードして表計算ソフトに取込めば、使用していた関数など、そのまま利用することができます。

[エム]今回の更新工事で苦労された点をお聞かせください。

[酒井様]無線を使用するため導入前試験の段階から、実際にアンテナを設置する場所をイメージしながら行っています。場所が変わると試験結果と異なりますので、施工時には試験を行った場所とほとんど変わらないように気を配りました。試験のときには、エム・システム技研も一緒に参加してサポートしていただいたので、安心して行うことができました。また、既設の電力量計から電力マルチメータに更新する際に、場所によってはかなり古い設備もあるため、取付方法の検討や配線チェックなどに気を使いました。

[エム]今後の予定などをお聞かせください。

[安倍様]残りの高圧盤の更新も順番に実施して、今後5年ほどですべてを更新できたらと考えています。今後も少しずつ高圧盤設備の更新を行っていくので、最終的にはすべての設備の監視をできるようにして、誰でも確認できるようにしたいと考えていますし、Webロガー2のFTP機能も使っていきたいと思っています。また、電力監視以外では、無線を使用してスイッチを押したときの接点信号や、警報発生時に離れた場所でランプを点灯させるなどもやってみたいと思っています。
[酒井様]小形の各種電力データが取得できる電力マルチタンシマルが、エム・システム技研から新しく発売されたので、くにまるの無線網を使用して、末端の既設設備などの情報収集などに提案していけたらと思います。

「くにまる®」を採用したことで、距離が離れていて通信線をひくことが困難だった設備の遠隔監視が実現できました。
くにまる®」を採用したことで、距離が離れていて
通信線をひくことが困難だった設備の遠隔監視が実現できました。
拡大図

[エム]本日はお忙しい中ありがとうございました。今後とも、エム·システム技研をよろしくお願いいたします。

採用された製品のご紹介

  • 現場設置形データロガー Webロガー2

    形式  DL30

    形式  DL30
    Webロガー2は、Web画面による遠隔監視機能、データロギング機能、イベント通報機能に加え帳票の作成機能などを備えた現場設置形のデータロガーです。

  • JIS110角 パネル埋込形 電力マルチメータ

    形式  54U2

    形式  54U2
    電力系統の1回路を接続するだけで、潮流演算、4象限演算、高調波を含む交流諸量の計測が行えます。

  • ワイヤレスゲートウェイ

  • 形式 WL40EW2

    Modbus/TCP(Ethernet)、920MHz帯特定小電力無線機器くにまる用ゲートウェイです。

  • 形式  WL40MW1

    Modbus-RTUの通信プロトコルを無線化してModbusのリモートI/Oと接続できます。

920MHz帯無線の特長
●920MHz帯は回折性が高く障害物に強い周波数帯です。
●ネットワーク構築は信頼性の高いマルチホップ方式です。
●長距離 見通し1kmまで届きます。
●免許申請は不要です。
●通信の配線工事が不要です。
導入前電波試験無料

  • 端子台形変換器 タンシマル電力マルチタンシマル( 形式:M5XWTU)

    端子台形変換器 タンシマル電力マルチタンシマル( 形式:M5XWTU)
    電力マルチタンシマルは、横幅25mm、高さ97mm、奥行41mmの片手で握れるポケットサイズの超小形の電力マルチ変換器です。小さく高性能なCPUを搭載することで、電力諸量290要素の測定・演算が行えます(三相3線式の場合)。さらに部品点数を大幅に減らすことができたため、超小形になりました。

明道メタル(株)のご紹介

ステンレスの明道明道メタルは、リロールメーカーの機能に加えてコイルセンター・問屋機能も有しています。
私達の特徴は
(1) リロール機能を持ったコイルセンターです。
(2) 小ロット・短納期 対応が十八番です。
(3) お客様 第一主義に徹し、『課題解決型サポート企業』 を目指し取組んでいます。
(4) 技術サービス体制が整っています。
(5) 即納体制を目指しています。
これらの長所を背景にして、ステンレス材料を中心とした薄板、厚板、棒鋼、線材、アングル、FB、パイプ 及び その他に関しまして、ユーザーニーズに合致した商品を国内外に提供させていただくため、商品を提供させていただくための体制を整えています。

明道メタル株式会社

本システムについての照会先:
株式会社ジェスクホリウチ
新潟支店 酒井様
TEL:025-284-4141


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