2004年10月号

ソフトパッケージ
「テレコンポーネントライブラリ(形式:TL2COM)」

(株)エム・システム技研 開発部
 
は じ め に
 Webロガー(形式:TL2W、TL2W2、TL2R2)は、管理者がパソコンのWeb画面(ブラウザ画面=インターネットエクスプローラ)によって現場の監視や状況把握をすることや、携帯電話やEメールによって現場通報を受信することなどを可能にします。
 それらに加えてWebロガーでは、管理コンピュータとの間を通信回線で接続してデータ授受を行う、テレメータとして従来から行われている方式も、標準機能として準備されています。本稿では、これらの機能を実現するためのソフトパッケージ「テレコンポーネントライブラリ(形式:TL2COM)」についてご説明します。管理コンピュータ上のユーザーアプリケーションプログラム(以下、ユーザーアプリと略称)作成者はTL2COMを使うことによって簡便にWebロガーのデータを読み出すこと、またWebロガーからの通報を受け取ることが可能になります。

1.TL2COMの構成と機能
 TL2COMは、ユーザーアプリを実行する管理コンピュータにインストールされて、ユーザーアプリと協調して動作します。このイメージを図2に示します。
 TL2COMはユーザーアプリとインタフェースする「API機能」部分と、APIを介してユーザーアプリから受けた依頼を代行サービスする「TL2-SERVER機能」部分とからなります。APIはApplication Program Interfaceの略で、ユーザーがなじみ易い命令語で構成されています。TL2-SERVERは、以下の処理を実行します。
 (1)使用されている通信回線を介してWebロガーと接続する。
 (2)Webロガーとの通信を実行して、ユーザーが要求しているデータを抽出する。
 (3)得られたデータをユーザーが指定したファイルに格納してユーザーに渡す。
 以上から、ユーザーはAPIを介してTL2COMに自分の言葉で依頼(命令)をするだけで自分の目的を容易に達することができます。

2.Webロガーの通信回線対応
 管理コンピュータとWebロガーを接続する通信回線およびその接続形態には、以下に挙げるように様々なものがあります。
 (1)一般電話回線ダイヤルアップ接続
 (2) ISDN回線ダイヤルアップ接続
 (3)DoPaダイヤルアップ接続
 (4)構内LAN常時接続
 (5)CATV常時接続
 (6)NTT地域IP網/グループアクセス常時接続
 (7)ADSLインターネット常時接続
 (8)ISDNインターネット常時接続
 (9)NTT/TEPCOなど光インターネット常時接続
 TL2COMはこれらのすべてに対応しているため、ユーザーは回線の種別やその上の通信プロトコルのことはまったく意識する必要がありません。エム・システム技研はKDDIが普及を進めているau携帯電話網を利用するパケットデータ通信方式(CPAなど)やNTT DoCoMoの次世代パケットデータ通信:FOMAへの対応も進めています。

3.API関数
 表1にAPI関数の一覧を示します。また、図3にVisual Basicを使ったユーザーアプリ記述中のAPIコーディング例を示します。これに見るように具体的な要求データ項目は、CommExec/CommExecW関数のパラメータとして指定します。この例では、AI第8チャネルの昨日1日分のトレンドデータを読出す場合のコーディングを示しています。CommExec関数をコールする前に、CommInit()、CommOpen()を実行しておく必要がありますが、必要なパラメータをセットしてCommExec()関数を呼び出しさえすれば指定したファイルに要求したデータが格納されて返されます。
 要求データ項目の一覧を表2に示します。Webロガーが提供できるデータ項目に対して1対1で対応しています。

4.データ表現形式
 ユーザーアプリに渡されるデータの形式は基本的にはバイナリ形式ですが、データ項目によって異なります。例として表3にPVトレンド記録読出しで読出しコマンドで1日分を指定して読出したデータ構造を示します。
 ユーザーはこれを知って必要な処理をすればよいわけです。

お わ り に
 Webロガーの主題であるWeb機能で管理コンピュータとデータ交換する方法に加えて、TL2COMによる方式についてご説明しました。第3の方法として、LAN上の標準プロトコルであるFTPによる方法も準備されています。WebロガーがFTPクライアントになって自分の意思でホスト(サーバ)にデータを送ることも、FTPサーバになってホスト(クライアント)が要求するデータを返信することも可能です。なお、これらの機能は、お客様の都合に応じて選択使用することも並列使用することも可能です。■
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