通信/ネットワーク

エムエスツデー 2005年7月号

計装豆知識

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IPアドレスとは、TCP/IPネットワーク上でのコンピュータの住所にあたる識別番号のことです。インターネット上には数千万台のコンピュータが接続されていますが、それらすべてのコンピュータに重複しない固有のIPアドレスが割当てられています。

このIPアドレスは、世界各地のNIC(Network Information Center)によって管理されています。日本では、国内におけるIPアドレスの管理と割当てをJPNIC(Japan Network Information Center)が行っています。

IPアドレスの構成

IPアドレスは、32ビットの2進数(0~255の4つの10進数をピリオドで区切る)で構成され注)、1つのIPアドレスで2つのアドレスを表現します。2つのアドレスとは、ネットワークアドレスとホストアドレスのことです(図1参照)。

図1 IPアドレスの構成

たとえばインターネットの場合、多くのネットワークが集まって大きなネットワークを構成しています。これらのネットワークにはそれぞれ複数の端末が接続されています。これらのことから、IPアドレスとしては、まずどこのネットワークに属するかを表す必要があります。これがネットワークアドレスです。さらに、このネットワーク内のどの端末かを表すのがホストアドレスです。

サブネットマスク

サブネットマスクとは、インターネットのような巨大なネットワークを、複数の小さなネットワーク(サブネット)に分割して管理するための仕組みといえます。IPアドレスのうち、何ビットをネットワーク識別用ネットワークアドレスとして使用するかを32ビットの数値で表します。ネットワークアドレス以外の部分が、ネットワーク内の個々の端末識別用ホストアドレスです。サブネットマスク値とIPアドレスの間で各ビットの論理積を計算することによって、IPアドレスの中のネットワークアドレス部を識別します。

たとえば、サブネットマスクが2進数で 11111111 11111111 11111111 00000000(10進数で255.255.255.0)ならば、IPアドレスのうち上位24ビットがネットワークアドレス、下位8ビットがホストアドレスになります。

実際の例として、192.168.0.100というIPアドレスを255.255.255.0というサブネットマスク値を使って分割すると、このIPアドレスは、192.168.0というネットワークアドレス上の、ホストアドレス100の端末という意味になります。

デフォルトゲートウェイ

同一サブネット上に存在しない機器(コンピュータなど)に対してデータ通信を行う場合、まずゲートウェイと呼ばれる機器(ルータなど)へデータを転送します。しかし、どのゲートウェイへ送ってよいかも分からない場合は、デフォルトゲートウェイという一番代表的な機器(ゲートウェイ、ルータなど)へ送ることになります。通常は、各機器はデフォルトゲートウェイのIPアドレスだけを設定します。あとはそのデフォルトゲートウェイが設定された機器が適宜ルーティングを行ってデータを送ってくれます(図2参照)。

図2 デフォルトゲートウェイ

注)IPv4でのアドレス表示、IPv6については本誌2002年11月号の「計装豆知識」をご参照ください。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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