2004年12月号

Web対応SCADALINX(スキャダリンクス) HMIのシステム生成

(株)エム・システム技研 開発部
 
は じ め に
 本誌2004年3月号および4月号では、Web対応のSCADALINX HMIパッケージの機能をご紹介しました。そして、記事をお読みいただいた多くのお客様からご質問やお引き合いを頂戴しました。本当にありがとうございます。今回は、現在開発中のエンベデッドコントローラ(形式:R3RTU-A1、以下R3RTU-A1と呼ぶ)をSCADALINXにてシステム生成する例について具体的なセットアップ方法をご説明します。

1.システム生成環境

 SCADALINXによってDCSのシステム生成を行う場合の環境を図1に示します。システム設計書に基づき入出力ユニットとコントローラを選択します。この例では、R3RTU-A1をEthernet経由でSCADALINXサーバに接続します。図1に示す構成でマルチループのPID制御と監視が行えます。HMIにはSCADALINXサーバ用のパソコンを用意します。

2.インストール

 SCADALINXサーバが動作するパソコンのOSとしては、WindowsXP ProfessionalまたはWindows2000が必要です。Webサーバを動作させるためにOSに付属している「Internet Information Service(IIS)」をインストールします。SCADALINXサーバに必要なすべてのソフトウェアは、「SCADALINX HMI パッケージCD」からインストールします。

3.サーバセットアップ

 SCADALINXが使用するSQLサーバ、データベース、Webサーバの仮想ディレクトリのセットアップを行います。図2をご参照ください。「サーバセットアップ」ではパスワードをセットし、他のユーザーによってデータベースが破壊されることを防ぎます。

4.システムビルダ

 図3にシステムビルダの画面を示します。SCADALINXサーバに、「プロセスタグ」、「トレンドタグ」、「アラームタグ」の設定を行います。
 システムビルダ画面では、各サーバに設定されている情報をツリー階層構造で表示します。また、各サーバに設定されたタグの一覧をリスト表示します。リスト表示においては、ワイルドカード(「*」任意の長さの任意の文字、「?」任意の1文字)を使用して目的とするタグを容易に検索することができます。

5.プロセスタグ

 I/Oチャネルに対応したプロセスタグを設定します。図1に示す構成におけるシステム設定では、R3RTU-A1のステーション番号、ノード番号、チャネル番号からデータを特定して1個のプロセスタグを設定します(図4)。
 プロセスタグを生成するとき、ステーションなどの物理的な位置が未決定の場合には、プロセスタグの仮想登録を行っておくことができます。そして、後日物理的な位置が決定したときにプロセスタグとして登録します。

6.トレンドタグ

 トレンド記録するR3RTU-A1のプロセスタグは、図5の設定画面によってトレンドタグに割り当てます。トレンドタグのデータは、指定された周期でハードディスクに記録されます。記録されたデータはトレンドグラフ画面によって表示することができます。また、エクスポート機能注)を利用して記録されたデータをお客様が開発するソフトウェアにCSV形式データとして出力することができます。

7.アラームタグ

 R3RTU-A1に入力されるプロセス量(瞬時値)に対してアナログアラームタグを設定し、アラームタグの上下限警報設定を行います。アラームタグには、アラーム発生・復帰の記録の要・不要、アラームメッセージ内容などを設定します。図6はアラームタグの設定画面を示しています。状態入力に対してはデジタルアラームタグを設定し、状態変化に応じた警報状態の設定を行うことができます。

8.グラフィックビルダ

 グラフィックビルダはSCADALINX HMIで表示するすべての画面を設定します。標準画面についてはテンプレートが用意されているため、プロセスタグを割り付けることによって簡単に画面が作成できます。図7はフェースプレートにR3RTU-A1のPIDループを割り当てた例を示しています。お客様独自の画面は、標準画面で使用される標準部品とグラフィック部品および市販の描画ソフトやデジカメで作成した画像データ(bmp、JPEGなど)を使って作成することができます。
 図8(a)は標準部品の、また図8(b)はグラフィック部品の一覧表です。

お わ り に

 エム・システム技研では、汎用パソコンで動作するHMIソフトウェアを低コストで準備することによって、今まで特別なハード/ソフトを必要としたシステムも予算内で構築できるようにしていきたいと考えています。また、R3RTU-A1にアプリケーションを組み込むことによってリモートI/Oの付加価値を高め、同時にPLCとの親和性を重視し、お客様のニーズにお応えしていきたいと存じます。ご期待ください。■

注)エクスポート機能:「export」、「輸出」の意味。他のアプリケーションで読めるフォーマットにて出力する機能。

SCADALINXは、エム・システム技研の登録商標です。
 
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