エムエスツデー 2009年5月号

リモートI/O、ドライバソフトウェア、BAコントローラ

超薄形リモートI /O
R6シリーズ(2)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

図1 リモートI/O R6シリーズの外観 前号では、新製品である組合せ自由形の超薄形リモートI/O R6シリーズ図1)について概要や特長など全般的な内容をご紹介しました。

 今回はより詳細に、R6シリーズ関連の入出力カード、通信カード、コンフィギュレータソフトウェアについてご紹介します。

1.入出力カード

 表1に、リモートI/O R6シリーズで使用する入出力カードのラインアップを示します。

表1 リモートI/O R6シリーズ 入出力カード

形 式 点数 概 要 機 能
R6□-SV2 2 直流電圧入力カード(絶縁) DC−10~+10V、DC−5~+5V、
DC 1~5Vなど
R6□-SS2 2 直流電流入力カード(絶縁) DC−40~+40mA、DC 0~20mA、
DC 4~20mAなど
R6□-TS2 2 熱電対入力カード(絶縁)
開発中
K、E、J、T、B、R、S、C、N、U、L、
P、PR
R6□-RS2 2 測温抵抗体入力カード(絶縁)
開発中
Pt 100(JIS ’97、IEC)、Pt 100(JIS ’89)、
JPt 100(JIS ’89)、 Pt 50Ω(JIS ’81)、
Ni 100、Cu 10、Cu 50
R6□-YV2 2 直流電圧出力カード(絶縁) DC−10~+10V、DC−5~+5V、
DC 1~5Vなど
R6□-YS2 2 直流電流出力カード(絶縁) DC 4~20mA
R6□-DA4 4 接点4点入力カード NPN、PNP共用
R6□-DC4A 4 トランジスタ4点出力カード NPN出力
R6□-DC4B 4 トランジスタ4点出力カード PNP出力

 直流電圧/電流の入出力信号、温度センサ入力信号、接点入出力信号など、基本的な入出力信号はすべてカバーしています。アナログ入出力信号のレンジ設定は、カード側面に配置されているディップスイッチを操作するだけで簡単に行えます。出力カードに関しては、上位システムとの通信断時出力動作についてもディップスイッチで設定可能であり、出力保持(前回の正常受信データを保持)または出力クリア(アナログ:出力を−15%に固定、接点:出力をOFFに固定)が選択できます。

 また、コンフィギュレーションはPCを使っても可能であり、より詳細な設定が行えます。カード側面のディップスイッチによってコンフィギュレーションモードをPCモードに設定すると、専用コンフィギュレータソフトウフェア(形式:R6CON、エム・システム技研ホームページより無償ダウンロード可能)から設定した内容が入出力カードに反映されます。

 たとえば、アナログ出力カードの場合、ディップスイッチモードでは通信断時出力動作は出力保持か出力クリアかの選択だけですが、PCモードでは、出力を任意のスケーリング値に設定することもできます。これは、通信異常が発生したときのシステム動作を、安全に配慮して設計する場合に有効な機能といえます。そのほかにも、ゼロ・スパン調整、スケーリング、変換速度の変更などがPCモードの場合には可能です。

2.通信カード

 表2に、通信カードのラインアップを示します。

表2 リモートI/O R6シリーズ 通信カード

形 式 接続台数 概 要
R6-NM1 最大16台、アナログ32点対応 Modbus用
R6-NE1 最大16台、アナログ32点対応 Modbus/TCP(Ethernet)用
R6-NC1 最大 8台、アナログ16点対応 CC-Link用 Ver.1 開発中
R6-NC2 最大32台、アナログ64点対応 CC-Link用 Ver.2 開発中
R6-ND1 最大32台、アナログ64点対応 DeviceNet用

 エム・システム技研のリモートI/Oのラインアップでご好評いただいているR3シリーズR5シリーズなどと同様に、R6シリーズの通信カードは、アナログ入出力やデジタル入出力信号をフィールドバス(Modbus、Modbus/TCP、DeviceNetなど)に入出力する機能をもったリモートI/O通信カードです。今後も、各種フィールドバスに対応した通信カードの機種拡充を進めて参ります。

3.コンフィギュレータソフトウェア

 すでに入出力カードの項でも少し触れましたが、ここではコンフィギュレータソフトウェアR6CON)についてご紹介します。

 R6CONは、R6シリーズの入出力カードおよび通信カードのパラメータを設定・監視するための専用ソフトウェアです。

 構成としては、コンフィギュレータ接続ケーブル(形式:MCN-CON、9ピン、Dサブコネクタ接続、または形式:COP-US、USB接続)を用いて、通信カードの設定用ジャックコネクタとPCを接続するだけです(図2参照)。入出力カード・通信カードの設定は、すべてこの通信カードを介して一括して行います。

図2 ソフトウェアによる設定の機器構成

(1)パラメータの編集

 機器のパラメータを変更する場合、機器のパラメータを読み込み(アップロード)、変更し、書き込む(ダウンロード)という手順で行います。

 まず、パラメータ編集画面(図3)でアップロード表示をクリックすれば、通信カードとそれに接続された機器のすべてが読み込まれ、画面左側に表示されます。

 パラメータを変更したい機器を選択すれば、画面右側にその機器の設定内容が表示されますから、この画面を使って編集します。パラメータの編集が終われば、ダウンロード表示をクリックして機器に書き込むことができます。

図3 パラメータの編集画面

(2)ファイルに保存、読み込み

 本ソフトウェアで編集中のパラメータを、ファイルに保存またはファイルから読み出すことができます。アップロード/ダウンロード機能と併用することによって、機器のパラメータをバックアップすることができます。

(3)入出力状態の表示

 本機能を使用すると、PCに接続された機器の入出力状態を表示することができます。パラメータ編集画面のモニタ表示をクリックすると、図4に示すようなモニタ画面が表示されます。ここでは、各カードの形式、ファームウェアバージョン、レンジ、入出力値、パーセント値、スケーリング値などが表示されるため、接続されたR6シリーズの構成および現在の動作状況が一目瞭然です。

 アナログ入出力カードの場合、画面を使ってのゼロ微調整・ゲイン微調整は、入出力状態をモニタしながら調節できるため非常に便利です。

図4 モニタ画面

お わ り に

 前号と今号の2回にわたって、超薄形リモートI/O R6シリーズについてご紹介しました。省スペースで組合せ自在なリモートI/Oを使用するシステムは、ちょっとした盤の隙間に構成できる小規模なシステムとして有効であり、ぜひご活用ください。

 エム・システム技研では、R6シリーズとして、CC-LinkやTリンクなど各種フィールドバス用通信カードについても機種拡充を図って参ります。関連するご意見やご要望などございましたら、お気軽にエム・システム技研のホットラインまでお寄せください。


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