エムエスツデー 2008年12月号

リモートI/O、ドライバソフトウェア、BAコントローラ

ビルドアップ形インテリジェントコントローラ BA3シリーズ
Modbus用 マスタカード(形式:BA3-MM1)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

 エム・システム技研では、ビルドアップ形インテリジェントコントローラ BA3シリーズ図1注1)に「Modbus用 マスタカード(形式:BA3-MM1図2)」を追加しました。ここに、その特長と仕様の概要をご紹介します。

図1 BA3シリーズの外観図2 マスタカード(形式:BA3-MM1)のパネル説明と寸法

1.概 要

 BA3シリーズは、スケジュール機能を備えた「BACnet用コントローラ(形式:BA3-CB1」に通信マスタカード(LONWORKSマスタカード 形式:BA3-ML1や今回ご紹介するModbus用 マスタカード 形式:BA3-MM1)とリモートI/O R3シリーズのI/Oカードを組み合わせることによって、分散監視制御システムを実現します。

 BA3-MM1は、Modbusのマスタとして、Modbusスレーブの入力データをBA3-CB1に転送し、BA3-CB1の出力命令をModbusスレーブに転送するゲートウェイの役割を果たしています。

 BA3シリーズにおいて、単なる通信のゲートウェイとしてだけではなく、同時にリモートI/O R3シリーズの豊富な入出力と組み合わせることによって効率のよいシステムを構成することが可能になります。

2.Modbusマスタ

 BA3-MM1はこれに接続するModbusスレーブ機器のマスタユニットとして動作し(表1)、各機器からのデータの取り込みと機器へのデータの書き込みを行います。接続する機器に対し、ポーリングによって順番に読み込みと書き込みを繰り返します。

表1 Modbusマスタ仕様

 スレーブ接続台数  最大63台
 伝送距離  500 m以下
 入力点数  アナログ入力点数+接点入力点数(16点単位)の合計 最大1024点
 出力点数  アナログ出力点数+接点出力点数(16点単位)の合計 最大1024点
 対応ファンクションコード 1  Read Coil Status
2  Read Input Status
3  Read Holding Register
4  Read Input Register
5  Force Single Coil
6  Preset Single Register
15  Force Multiple Coils
16  Preset Multiple Registers

3.特 長

(1)フレキシブルな設定
 接続する機器のノード単位に必要な入出力を容易に設定することが可能です。コンフィギュレータソフトウェア(形式:BA3M1CFG注2)を用いることによって、パソコンによる設定が可能です。

(2)豊富なリモートI/O
 エム・システム技研では、Modbus用のリモートI/OとしてR1シリーズR3シリーズR5シリーズR7Mシリーズをご提供しています(図3)。

 このBA3-MM1を用いることによって、これらの豊富な入出力機器を容易にBACnetと接続できるようになります。

 現在開発中の超薄形リモートI/O R6シリーズも接続でき、使用するスペースに適した入出力機器を選択できます。

図3 Modbus用のリモートI/O

(3)拡 張 性
 同一ベース上に複数台のBA3-MM1を実装できます。また、スレーブの接続台数は最大63台です。

 既存のシステムに対して入出力点数を追加することは、ベースにBA3-MM1を実装するとともにスレーブを追加することによって、容易に実現できます(図4)。

図4 システム構成例

(4)柔 軟 性
 BA3-MM1は1台で最大2048点の入出力(入力1024点、出力1024点)を取り扱えます。1台で中規模なシステムを構築できます。

 また、BA3-MM1を複数台使用することによって、小規模に分散したシステムを構築することも可能です。

(5)自由な組合せ
 BA3シリーズにおける最大の特長は、単なるゲートウェイではなく同じベースにリモートI/O R3シリーズの入出力カードとLONWORKSマスタカードBA3-ML1)、Modbus用 マスタカードBA3-MM1)を同時に使用することが可能な点です。すなわち、大規模から小規模まで様々なシステムに対応して構成の組合せを選択できます。

お わ り に

 BA3シリーズは小規模な施設監視から複数店舗(テナント)が集合する建築物の監視制御にいたる広範囲な用途にご利用いただける製品です。
 今後もお客様からのご意見、ご要望をお聞かせいただき製品に反映していきたいと考えています。

注1)BA3シリーズについては『エムエスツデー』誌2008年10月号11月号でもご紹介しています。
注2)コンフィギュレータソフトウェア(形式:BA3M1CFG)についてはエム・システム技研ホームページ(https://www.m-system.co.jp)のダウンロードメニューに追加する予定です。


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