エムエスツデー 2008年4月号

リモートI/O、ドライバソフトウェア、BAコントローラ

リモートI/O R3シリーズ クランプ式センサ入力形
電力マルチカード(形式:R3-WTU)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

図1 リモートI/O R3シリーズ エム・システム技研では、かねてより消費電力監視システムを構築するための電力関連製品の充実に力を注いで参りました。

 今回は、リモートI/O R3シリーズ図1)の電力関連カードとして追加されたクランプ式交流電流センサCLSE用電力マルチカード(形式:R3-WTU)をご紹介します。

1.概 要

図2 R3-WTUの外観と寸法 クランプ式交流電流センサCLSE用電力マルチカードR3-WTU図2)は、入力にクランプ式センサを使用するためCTトランスを使う必要がなく、既存の設備に適用する場合に再配線などの煩雑な作業を行わなくて済みます。

 さらに、従来ラインアップされていた電力用マルチカード(形式:R3-WT1R3-WT1AR3-WT1B)と比較して、電流、電圧、デマンド、高調波などの計測項目が追加されています。R3-WTUを使用することによって、より詳細なデータを簡単に採取することが可能になります。

2.特 長

(1)回路数
 ご注文時に、1回路か2回路かをご選択いただけます(電圧は共通)。2回路の場合、定格電流が異なる2つのセンサを使用することも可能です。

図3 クランプ式交流電流センサCLSEの外観(2)結線方式
 入力については、単相2線、単相3線、三相3線、三相4線に対応しています。

(3)計測項目
 計測項目は、電流、電圧、有効電力、無効電力、皮相電力、力率、周波数、有効電力量、無効電力量、皮相電力量、デマンド、高調波、各最大値最小値など450項目以上にも上ります。

 コンフィギュレータソフトウェア(形式:R3CON注)を用いて、計測項目や入力結線方式、センサの種類などの設定を行います。選択した各測定値に対し、1ワードか2ワードを選び、1スロット最大16ワードまでのデータを伝送することができます。回路の選択に関しても、各測定値ごとに選択するため、16ワード以内であれば組み合わせが自由です。たとえば、第1回路は電力量だけで1ワードを占有し、第2回路では、電流、力率、電力、無効電力、周波数などのために15ワードを占有することも可能です。

図4 クランプ式交流電流センサCLSEの寸法

(4)スケーリング
 スケーリング機能を使うことによって、実量値を通信データとして伝送することができます。

(5)クランプ式交流電流センサ(形式:CLSE)
 R3-WTUは、クランプ式交流電流センサCLSE図3図4)と組み合わせて使用します。定格電流については、5~600Aという広い電流レンジに対応しています(表1)。センサの1次側・2次側間の耐電圧はAC2000Vです。CLSEは、ねじ端子台形ですが、2種の専用ケーブル(形式:CLS-CNと形式:CLSA-08C)を使用することで、センサとI/Oとの結線をより簡易化できます(図5)。

 

表1 クランプ式交流電流センサCLSEの種類

CLSE ねじ端子形
形 式 定格一次電流(A) 電線径(φ)
CLSE-R5
5
10以下
CLSE-05
50
10以下
CLSE-10
100
16以下
CLSE-20
200
24以下
CLSE-40
400
36以下
CLSE-60
600
36以下

(6)関連機器
 R3シリーズは、豊富な入出力カードと通信カードに対応しています。
 状況に合わせて、測温抵抗体用、熱電対用など各種の入力カードを同一ベースに混在させることもできます。また、積算パルス入力カードや交流電流入力カードなど、その他の電力関連製品とも組み合わせられます。

 通信カードについても多くの種類を準備しており、これらの通信カードと組み合わせて使うことによって、遠方にあるPCやPLCを使った電力監視が行えます。

図5 専用ケーブルとの接続

おわりに

 今回ご紹介した電力マルチカードR3-WTU)をご採用いただくことによって、省エネルギーを有効にご推進いただくことができれば幸いです。

 今後もリモートI/O機器シリーズ、電力変換器シリーズの機能充実と機種拡充に努めて参ります。電力関連製品に関する、ご意見、ご要望などがございましたら、ご遠慮なくエム・システム技研ホットラインまでお寄せください。

注)コンフィギュレータソフトウェアは、エム・システム技研のホームページからダウンロードいただけます。リモートI/O R3シリーズとパソコンとの接続には、専用のコンフィギュレータ接続ケーブル(形式:MCN-CONまたはCOP-US(USB対応))が必要です。


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