エムエスツデー 2006年4月号

電力監視コンポーネント、表示器

新しく生まれ変わった
バーグラフ指示計 48Nシリーズ

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

 エム・システム技研では、これまで「バーグラフ指示計 48シリーズ」をご提供して参りましたが、おかげさまで、この製品は長期にわたりご好評をいただいています。

 このたび、さらにお客様のご要望に応え、進化した新形製品を開発しました。本稿では、この新製品「バーグラフ指示計 48Nシリーズ」についてご紹介します。

 新形バーグラフ指示計48Nシリーズは、以下に挙げる3事項に重点を置いて開発したものであり、お客様がその進化を明確に実感いただける製品になっているものと確信しています。

 • 小形で扱いやすい形状

 • IP65相当の防塵防滴構造

 • バーグラフの視認性向上

1.より扱いやすいカタチに進化

 図1に、48Nシリーズの最上位機種である「バーグラフ指示警報計(形式:48NDV)」の外観と寸法を示します。

 まず一番にお気づきいただきたいのは、奥行き寸法が短い点です。従来の48シリーズに比較して、約40%短くなりました。この結果、奥行きの浅い制御盤内にも収納することが可能です。質量も約30%減少させました(図2)。

 端子台は着脱可能な2ピース構造であり、配線を外すことなく、本体を取り外すことができます。また取り付けは、従来品とは異なりドライバなどの工具を必要としません。付属の取付具を用い、ワンタッチで取り付けられるようになりました。

図1 48NDVの外観と寸法 図2 従来品との寸法比較

2.目盛板の交換が簡単に

図3 目盛板簡単取替え

 従来品では、前面のアクリルカバーと部品2点を外して交換する必要があった目盛板の取り替えも、極めて簡単に行えるようにしました。

 この場合、目盛板以外の部品を外す必要がなくなったため、それらの部品を紛失する恐れがありません(図3)。

 なお、目盛板の区分数や単位表示については、広くお客様のご希望に応じて製作することが可能です。

3.IP65相当の防塵防滴構造

 進化は、これらの点にとどまりません。新形では、IP65相当の防塵、防滴構造にしました。

 指定寸法にカットされたパネルへ取り付ければ、前面パネル面がIP65相当の防塵防滴性能をもった製品になります。飛沫が降りかかる環境、サニタリープラント、あるいは粉塵が飛び交う現場で心配なくご使用いただけます。

4.視認性が向上したバーグラフ表示

図4 バーグラフのLEDの凸形状

 バーグラフ表示の見やすさにもこだわりました。輝度の向上はもとより、表示幅を従来の約1.5mmから2倍の約3.0mmに広げたり、図4で示すように、バーLED部分だけを凸形状に突出させたりする工夫を取り入れたことにより、視野角が格段に広がりました。

 さらに、新しいバー表示色として、青色を追加しました。複数の製品を並列設置した場合に、4種類の要素を色分け表示することが可能です。

5.入力レンジもワイドに

  従来品では対応できなかった、DC−10~+10Vのようなマイナス側の電圧入力を含む入力レンジも新形では可能になりました。

 当然ながら、お客様ご指定のレンジに対しても幅広く製作可能です。

6.AC2000V 1分間の耐電圧性能

 入力・リレー出力・電源の間は、それぞれ絶縁されていて、AC2000V 1分間の耐電圧性能を確保しました。エム・システム技研の長年の変換器開発で培われたノウハウがここにも活かされています。

7.海外でのご使用にも安心

 新形では、すべての機種においてCE規格適合品をご提供します。

 その上、世界中の電源電圧に対応できるワイドな電圧範囲(AC85~264V)仕様の製品もご提供できます。したがって、海外で使用する制御盤に組み込む場合にも、安心してご使用いただけます。

 また、パネルカットがDINサイズ(33×138mm)の場合でも、専用のエスカッション(パネルカット穴用のスペーサ)を利用して取り付けられるようにしたため、海外製品のリプレース用としても適用できます。

8.従来品からのリプレースは?

 いろいろと進化したと言いましても、従来品が取り付けられていた制御盤のパネルにわざわざ専用のパネルカット穴を用意する必要があるのでは、ユーザー各位は新形に置き換えるのをためらわれるに違いありません。しかし、ご心配は無用です。容易にリプレースできるように、従来品サイズのパネルカット(38×139.5mm)に対しても、DINサイズと同様、付属のエスカッションを使えば取り付けられます。

9.操 作 性

 操作方法に関しては、従来と同じ手順を踏襲しました。設定する際、最初に表示モード切替ボタンを3秒間長押しする点が異なること以外は、同じ操作でご使用いただけます。

 また、目盛板に配置されている各操作ボタンについては、従来品のようなクリック感のないものから、クリック感のあるものに変更しました。

10.製品ラインアップ

 従来からの48シリーズに対応させるため、表1に示す3機種をラインアップしました。

表1 48Nシリーズの製品ラインアップ

製品名称
従来品 48シリーズ
新形 48Nシリーズ
バーグラフ指示警報計(4桁デジタル表示付)
バーグラフ指示警報計
バーグラフ指示計

図5 48Nシリーズの前面パネル図

11.今後の展開

 今後の展開として、表2に示す各タイプを揃える計画を進めています。

表2 48Nシリーズの今後の製品化予定

    仕 様
特 徴
測温抵抗体入力 省スペース
熱電対入力
ポテンショメータ入力
ロードセル入力
ディストリビュータ内蔵 省配線
アナログ出力タイプ 外部機器接続

 変換器とバーグラフ指示計を組み合わせた製品があれば、配線も少なく、制御盤内でも場所をとりません。小規模な制御盤に取り付ける用途の場合、省スペース化は大きな魅力でしょう。

 また、ディストリビュータを内蔵したバーグラフ指示計があれば、2線式変換器とバーグラフ指示計をわずか2本のケーブルで接続するだけで、出力のバーグラフ表示ができるため扱いやすいと考えています。

 さらにアナログ出力タイプがあれば、この出力を他の計装機器へ送ることもできます。

お わ り に

 進化した新しいバーグラフ指示計である、48Nシリーズの特長をご説明しました。従来の製品に比べ、さらに使いやすさを追求した製品としてご愛用いただければ幸いです。

 今後もお客様のご要望にお応えし、ご使用目的にあったバーグラフ指示計をご提供して参りたいと考えています。どうぞお気軽にお問い合わせください。

 バーグラフ指示計 48Nシリーズのご活用をよろしくお願いします。


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