エムエスツデー 2006年4月号

MsysNet、SCADALINX

Webブラウザ対応監視ソフト
SCADALINX HMI Ver.2(1)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

 エム・システム技研は、2005年4月に、Webブラウザを利用するサーバ・クライアント形のHMIソフトウェア「SCADALINX HMI(形式:SSDLX」Ver.1を発売しました。おかげさまで、発売以来大変ご好評をいただいています。

 この間、SCADALINX HMIについて、機能追加に関する多くのご意見がお客様から寄せられました。エム・システム技研では、これらのご要望にお応えして、このほどVer.2を発売しました。Ver.2では、帳票機能、4点警報、Modbus対応など、様々な機能を追加しています。

 今回は、これらのうち帳票機能について詳細をご紹介します。

1.帳票機能

 SCADALINX HMI Ver.2の帳票機能には、図1に示すようにビルダと帳票画面の2つがあります。さらに、ビルダはシステムビルダとレポートビルダに、また帳票画面はレポートメインとレポートビューに分かれています。

 以下、帳票機能の特長についてご説明します。

図1 SCADALINXの帳票構成

2.レポートビルダ

 レポートビルダは帳票に関する各種の設定を行います。設定には大きく3つに分けて印刷定義、レポートフォーマット、ページ編集があります。

 図2に印刷定義の設定を示します。印刷定義では、暦表示、桁区切り、天候欄、印鑑欄、部分欠損データ表示注1)、全欠損データ表示注2)、ヌルデータ表示注3)、オーバフロー表示注4)、修正値表示注5)、行網掛け色の設定を行います。各データ表示の設定では、表示色の設定ができ、また全欠損データ表示、ヌルデータ表示、オーバフロー表示では、文字の設定も可能になっています。表示色および文字の設定により、視認性のよい表示ができます。

図2 印刷定義の設定

 図3にレポートフォーマットの設定を示します。レポートフォーマットでは、データ収集先頭区切りと出力設定を行います。データ収集先頭区切りでは、日報、月報、年報の各先頭の日時を設定します。出力設定では、印刷およびCSVファイル出力を行う場合の出力の順番を設定します。

図3 レポートフォーマットの設定

 図4にページ編集の設定を示します。ページ編集では、日報、月報、年報に登録するレポートタグ、および見出しの設定を行います。システムビルダで登録した、レポートタグの登録内容が表示されます。

図4 ページ編集の設定

 また、見出しの設定では、見出し(大見出し、中見出し)を結合することができます。見出し結合の設定は簡単で、結合したい見出しのセルを選択して、マウスの右クリックで「見出し結合」を選択することにより結合できます(図5参照)。

図5 見出し結合

3.途中結果も表示できる帳票画面

 帳票画面には、レポートメインとレポートビューの2種類があります。

 図6にレポートメインを示します。レポートメインでは、表示、印刷、編集を行います。印刷ボタンを使えば、設定した期間のデータを印刷することができます。

 編集ボタンは、パスワードが正しくないと表示しないようになっているため、データの改ざんを防ぐことができます。

図6 レポートメイン

 図7にレポートビューを示します。レポートビューでは、データの表示、編集、印刷、ファイル出力ができます。データの表示、編集では、レポートビルダの印刷定義で設定したデータ色や文字、網掛け色の設定が反映されます。また、データは1分間隔で表示できます。帳票では1時間単位のデータが出力されますが、途中の結果を確認したいとのご要望もあり、Webブラウザで更新することにより、1分間隔でも表示できるようにしました。

図7 レポートビュー

 図8に印刷出力例を示します。印刷では、カラー印刷にも対応可能になっています。

図8 印刷出力例

お わ り に

 以上SCADALINX HMI Ver.2の帳票機能の特長をご紹介しました。帳票仕様全体については表1をご参照ください。

 次回は、SCADALINX HMI Ver.2のModbus対応と4点警報についてご紹介する予定です。

表1 帳票機能

レポートタグ
最大タグ数 1000点
データ収集
データ種別 瞬時値、平均値、最大値、最小値、積算差分値
サンプリング周期 トレンド周期と同じ
帳  票
種 別 日報、月報、年報
レイアウト 16データ項目/ページ
最大ページ数 100ページ/各帳票種別
表示桁数 12桁(符号、小数点、桁区切り文字を含む)
データ修正
修正可能帳票 日報、月報、年報
保 存 日報のみ(月報、年報に反映)
データ保存
保存期間 最大10年
ファイル出力
形 式 CSV形式
印刷出力
対応用紙 A3、A4(連続用紙非対応)
カラー印刷 可能
フォーマット
ページタイトル 全角12文字/各ページ
印鑑認証欄 0~4個、全角4文字/各欄
表示項目 大見出し、中見出し、小見出し、単位項目(全角6文字/各表示項目)
自動マージ機能 大見出しおよび中見出しのみ可能
集計項目 合計、平均、最大、最小
保守機能
セキュリティ パスワード    

注1)部分欠損データ : 1時間のデータ集計期間にデータが部分的に欠損している状態
注2)全欠損データ : 1時間のデータ集計期間にデータがすべて欠損している状態
注3)ヌルデータ : 1時間のデータ集計期間にトレンドサーバが停止している状態
注4)オーバフロー : データ値が12文字を超えている状態
注5)修正値 : 過去のデータを修正した値

SCADALINX は、エム・システム技研の登録商標です。


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