エムエスツデー 2010年4月号

操作部コンポーネント、電源、共通機器

Products Review
ロータリ式電動アクチュエータ (トルク200N・mまで)
サーボトップ II(形式:PRP)

省エネの決め手! 電動アクチュエータ

省エネのため「電動アクチュエータ」が注目をあつめています。

  地球温暖化防止が叫ばれる中、工場でも更なる省エネを達成するため、生産現場での消費エネルギーの分析が進んでいます。

 そんな中でクローズアップされてきたのがコンプレッサの消費電力です。工場が消費するエネルギーの15~30%をコンプレッサだけで占めているという報告例もあり、省エネのために、空気圧式アクチュエータの使用を見直し始めている工場もあります。

空気源が不要です。

 このたびエム・システム技研では、ロータリ式電動アクチュエータ「サーボトップ II(形式:PRP)」を発売しました。

 モータ部にステッピングモータを採用することによって、長寿命と高分解能の両立を実現した電動アクチュエータです。最大トルク100N・m(形式:PRP-0)と200N・m(形式:PRP-1)の2種類があります。

 空気源が不要な「サーボトップ II」は、空気圧式に負けない制御性と耐久性を備えています。従来は空気圧式でなければと考えられていた所でも、電動アクチュエータに置き換えられるかも知れません。ぜひ一度「サーボトップ II」のご使用をご検討ください。

ロータリ式電動アクチュエータ「サーボトップ II」

電動式は省エネルギー! 「省エネ」と同時に「コスト削減」を実現します。

 工場全体の消費電力のうちでも、圧縮空気を供給するコンプレッサの消費電力は上位にあり、このコンプレッサの省エネ改善が問題になっています。

 コンプレッサは大量の電力を消費するだけでなく、定期的なエア漏れ点検やフィルタの清掃・交換などを含む保守が必要で、ランニングコストが高い設備といえます。そこで、電動アクチュエータを使用されることによって、省エネと同時にコスト削減を実現することをご提案します。

(1)空気圧式システム

 空気圧システムでは、配管・継手などからの圧縮空気の漏洩や機械損失があるため、どうしてもコンプレッサの消費電力が多くなり、しかも定期的な漏れ点検やフィルタなどを含む部品の保守などランニングコストは相当な金額になります。

空気圧式システム

(2)電動システム

 電動アクチュエータならばもともと消費電力が少ない上、制御が安定して静止しているときはほとんど電力を消費しません。しかも開閉速度変更、全開・全閉信号、ロック警報機能など多くの機能を備えています。

電動システム

長寿命・高分解能1/1000 ステッピングモータを採用し長寿命・高精度を実現しました。

 

 メカトロニクスで一番問題になるのが、機器の寿命です。「サーボトップ II」は、キーパーツに長寿命パーツを採用して問題を解決しました。

 動力源であるモータ部には、機械的な接触子がなく長寿命であり、駆動パルス数に対応して動作するため高精度な制御ができるステッピングモータを採用、長寿命と高精度を両立させました。さらに、開度検出器としては長寿命なコンダクティブ プラスチック式ポテンショメータを採用しました。

(1)高速開閉 8秒/90°、開閉時間変更可能

 ステッピングモータを採用したことにより高速開閉を実現、しかも開閉速度を8秒/90°から120秒/90°まで50段階で設定できます。

高速開閉 8秒/90°、開閉時間変更可能

(2)長寿命・ヘビーデューティ設計

 ● 保護等級はIP66です。
 電気機械器具の外郭による保護等級は、粉塵が内部に進入しないこと、およびいかなる方向からの水の強い直接噴流によっても水が浸入しないIP66です。食品工場などでも安心してお使いいただけます。

 ● 省エネに貢献する「スペースヒータ機能」
 これまでの電動アクチュエータの寒冷地対策は、多くがヒータで24時間365日暖め続ける方式で、どうしてもムダな電力を消費してしまいました。「サーボトップ II」はステッピングモータに温度センサを取り付け、ある一定の温度以下になったときにだけモータに微弱電流を流して発熱させ、温度低下を防ぎます。


 ● 振動試験19.6m/s2(2G)に合格
 電動アクチュエータの意外な弱点が振動です。「サーボトップ II」は19.6m/s2(2G)の振動試験に余裕をもって合格するものであり、船舶など振動の多いアプリケーションにも安心してお使いいただけます。

主な仕様

(1)サーボトップ II (形式:PRP)の主な仕様

形     式 PRP-0 PRP-1
開閉時間(トルク) 12秒/90°(100N・m) 24秒/90°(200N・m)
入 力 信 号 DC4~20mA または DC1~5V
供 給 電 源 AC100~120Vまたは AC200~240 V
分  解  能 ±0.1%
使用温度範囲 −25~+55℃
振     動 19.6m/s2以下
取     付 全方向(ただし、出力軸周囲に水等が溜まらないようにしてください)
保 護 等 級 IP66
作     動 正作動・逆作動
入力信号異常低下時の動作 開・閉・停止(ディップスイッチにて設定)
きょう体材質 ADC(アルミダイカスト)
配  線  口 2−G 1/2
端  子  台 7.62 mmピッチ M3ねじ端子(締付トルク 0.8 N・m)
駆動モータ ステッピングモータ
出力角度検出 ポテンショメータ(コンダクティブ プラスチック式)
不感帯調整範囲 0.1~5.0 %
再起動制限タイマ調整範囲 0~30 秒
開閉時間調整範囲 8~120秒/90°
アイソレーション 信号−電源−シーケンス信号−きょう体間
保 護 機 能 異常検出、異常温度上昇保護、スペースヒータ機能(特許出願中)
設定可能項目 プログラミングユニット(形式:PU-2□)によりキーイン設定
全開・全閉位置調整、開閉時間設定、全開・全閉リミッタ調整、不感帯幅調整
全開・全閉信号設定、再起動制限タイマ調整、スプリットレンジ設定

 

(2)サーボトップ II (形式:PRP)の 端子接続図

端子接続図


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