エムエスツデー 2007年11月号

操作部コンポーネント、電源、共通機器

USB対応、コンフィギュレータ接続ケーブル
ステレオジャック用(COP-US)、
モジュラジャック用(COP-UM)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

 エム・システム技研は各種の計装用機器をご提供してきました。そして、PCスペック形変換器も多数存在するようになり、これら製品の中にはパソコンを用いてコンフィギュレーションを行うものも多数含まれています。

 今回、エム・システム技研製のリモートI/Oや変換器とパソコンのUSB(Universal Serial Bus)端子とを接続するケーブル「USB対応、ステレオジャック用コンフィギュレータ接続ケーブル(形式:COP-US)」と「USB対応、モジュラジャック用コンフィギュレータ接続ケーブル(形式:COP-UM)」を新たに開発したので、ここにご紹介します。

図1 コンフィギュレータ接続ケーブルを使用したパソコンと変換器の接続例

1.PCスペック形変換器について

 エム・システム技研は、当初、アナログ信号の変換処理に特化して独特の市場を形成し、新しい電子技術を実用化することで、様々な製品を世に送り出してきました。

 アナログ形の変換器から発展させてPCスペック形変換器を開発し、小形ながら各種パラメータの設定や変更をユーザーサイドで容易に行えるだけでなく、高速演算機能を活かした高機能のセンサ入力用変換器、特性変換器、パルス変換器などを実現しました。各種パラメータの設定・変更が現場で可能になったことによって、保守用の変換器のユーザーにおける在庫を大幅に削減できるというメリットも生まれました。

 もともとPCスペック形変換器では、プログラミングユニット(形式:PU-2Aを使ってコンフィギュレーションを行うのが主流でした。しかし、パソコンの価格低下が進み普及するにつれて、よりグラフィカルなコンフィギュレーションツールとしてパソコンが使われるようになりました。これに伴ってコンフィギュレータソフトウェア注)、RS-232-Cに接続するコンフィギュレータ接続ケーブル(形式:MCN-CON、プログラミングユニットインタフェース用RS-232-Cレベル変換器(形式:COP2などの諸製品をご提供するようになりました。

2.COP-US、COP-UMの特長

(1)USB対応

 最近のパソコンでは、USBの普及に伴ってシリアルポート(COMポート、EIA-232、EIA-574)をもたないパソコンも一般になってきています。とくにノートパソコンでは、これらのレガシーポートをもっていない製品が標準的になり、さらにはデスクトップパソコンでも珍しくなくなってきました。

 USBは、従来からあったパラレルポートやシリアルポート、PS/2キーボードなどのいわゆるレガシーポートと呼ばれる各種のインタフェースをなくして、外部機器の接続を一つの高速シリアルバスに集約するためのインタフェースであり、一般に3種類(ロースピード、フルスピード、ハイスピード)の伝送スピードモードをもっています(表1)。

表1 USBの伝送スピードモード

スピード 最大転送速度 主な用途
ロースピード 1.5Mbps キーボード、マウスなど
フルスピード 12Mbps オーディオ、マイクロフォンなど
ハイスピード 480Mbps ストレージ機器、画像入力装置など

 

 USBに対応したステレオジャック用(COP-US)とモジュラジャック用(COP-UM)のコンフィギュレータ接続ケーブルを使用することによって、シリアルポートをもたないパソコンを使用する場合にも、USB−シリアル変換器を使用する必要がなくなります。

 USB規格バーションには1.1から対応し、伝送スピードモードはフルスピード、パソコン用OSについてはWindows 2000、Windows XP、Windows Vistaに対応しています。

 COP-USCOP-UMとエム・システム技研製のコンフィギュレータソフトウェアを組み合わせることによって、パソコンを使ってのパラメータの設定やモニタリングが可能になります。

(2)絶縁対応

 本製品は、USBバスパワーを2次側に供給することによって、アイソレーション機能(耐圧500V)をもたせています。したがって、パソコンから変換器へのノイズを防ぎ、ノイズ環境が悪かったとしても安心してコンフィギュレーションを実行できます。

図2 COP-USとCOP-UMの外形寸法図

お わ り に

 今回ご紹介した、USB対応のステレオジャック用コンフィギュレータ接続ケーブルCOP-US)とUSB対応のモジュラジャック用コンフィギュレータ接続ケーブルCOP-UM)では、絶縁耐圧が共に500Vです。これを実現するには、トランスやフォトカプラなど、占有面積の広い部品を使用しなければならないため、小形化を目指して回路構成をシンプルにし、部品点数を少なくすることに大変苦労しました。

 また回路設計だけでなく、筐体の加工やハーネスの設計でも様々な壁にぶつかり、物作りの難しさを感じました。初めて開発目標を満たす製品が実現できたときの喜びには忘れられないものがあります。

 今後も、お客様に喜んでいただける製品を開発して参ります。どうぞ、エム・システム技研製品をよろしくお願いします。 

注)コンフィギュレータソフトウェアは、エム・システム技研のホームページ(https://www.m-system.co.jp/)から無償でダウンロードしていただけます。


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