エムエスツデー 2005年9月号

遠隔監視のアプリケーション
No.11

Webロガーのアプリケーション
− Webロガーのリモートメンテナンス機能について −

 今月は、Webロガーに標準装備されているリモートメンテナンス機能についてご紹介します。

 「Webロガー」は、エム・システム技研の現場設置形Web対応データロガーですが、その本体は、現場監視装置として路傍のマンホールポンプ盤の中あるいは山間の配水池にある制御盤の中などに設置される例が多くを占めています。そのような場合、たとえばアナログ入力信号の上下限警報値や警報発生時の通報先などの設定データを変更するときにマンホールポンプ盤を一箇所ずつ回ったり、遠く離れた配水池へ行くことは大変な時間と労力がかかります。しかし、Webロガーのリモートメンテナンス機能を使用すれば、遠隔地から通信回線を通して各種設定値を容易に変更できます。

TL2BLDによる設定値の書込み

 Webロガー用各種設定データは、パソコンに搭載する専用のビルダソフト(TL2BLD)注)を使用して設定します。設定するデータの内容は、接点入力の名称や内容、アナログ入力信号の名称や実量値、上下限警報の設定値、警報の通報先である電話番号やEメールアドレス、発生した事象の通報内容、日報や月報、年報画面の表示内容などです。

 設定した内容を直接Webロガー本体に書込む場合には、専用のコンフィギュレータ接続ケーブル(形式:MCN-CON)を使用します。MCN-CONをパソコンのRS-232-CポートとWebロガーの前面にあるビルダ接続用ジャックに接続して、パソコンからWebロガーへTL2BLDの内容を書込みます。このとき、Webロガーの前面にあるトグルスイッチはCNFG(ビルダ使用)側にします。設定が終われば、このトグルスイッチをRUN(稼動)側にします。

リモートメンテナンス

 リモートメンテナンス機能とは、前述のTL2BLD(専用の設定ソフト)による書込み操作を、Webロガーが現場監視に使用する各種通信回線(一般回線、ISDN、ADSL、インターネットなど)を経由して、遠隔地のパソコンから実行する機能です。リモートメンテナンス機能を使用する場合は、システム管理ソフト(TL2Admin)注)を使用します。図1として、リモートメンテナンス概要図を示します。

図1 リモートメンテナンス概要図

TL2Admin

 図2はTL2Adminのトグルスイッチ設定画面です。これは「リモートトグルスイッチ」と呼ばれ、前述したWebロガーの前面にあるハードウェアトグルスイッチの操作を遠隔地からソフト的に実施するものです。画面上の「リモートトグルスイッチ」内の各ボタンを押すことで稼動状態の変更ができます。

図2 TL2Admin リモートトグルスイッチ画面

 TL2BLDの変更内容を書き込む場合、この画面中の「実効トグルスイッチ」をオフライン(保守モード)状態にします。「リモートトグルスイッチ」のオフラインをクリックすることで、同時に「実効トグルスイッチ」もオフラインに変わります。この状態で、TL2BLDの設定内容が通信回線経由で書込み可能になります。

 以上のように、Webロガーのリモートメンテナンス機能を使用すれば、現場へ行く必要がありません。したがって、設定変更にかかる手間や時間を大幅に削減することができます。

注)TL2BLD、TL2AdminはWebロガー本体の付属ソフトです。

【赤川 卓:(株)エム・システム技研 システム技術部】


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