エムエスツデー 2018年7月号

ごあいさつ

(株)エム・システム技研 代表取締役会長 宮道 繁

(株)エム・システム技研 代表取締役会長 宮道 繁

 大阪大学通信工学科の卒業60周年記念として、同級生の1人が飛騨高山への2泊3日(4月14日~16日)の旅行を企画してくれたので、喜んで参加しました。もちろん全員昭和33年卒で83歳前後の者ばかりですが、卒業生40人のうち一応歩きまわれる健康な?15人が集まったのは凄いことだと思いました。
 現地到着は「高山祭」の前日で、数多くのカラフルなが並んでいて、からくり人形が扇をかざして動いているようでしたが、外国人を含めた多くの観光客であふれていたため身動きがとれず、遠くから眺めるだけでした。
 今年の桜は満開時期が早く、大阪では3月28日頃でしたが、高山では当日の4月15日頃が満開だったので、2度花見ができてラッキーでした。
 翌日には中型バスを貸切ってりゅう公園まで行き、樹齢1100年超という満開の臥龍桜を背景に記念撮影を行いました。当日は関西から関東にかけて広い範囲で大雨だったそうですが、現地は多少パラつく程度ですんだので助かりました。飛騨高山温泉に到着して露天風呂では残雪の残る日本アルプスを眺めて楽しむことができました。夕食時の宴会では旅館清龍の名物料理をつつきながら一人ひとりが立ち上がって近況報告をしました。話題の大部分が健康問題に集中するのはやむを得ないことかもしれませんが、医学の進歩を学ぶことができました。
 最終日は、新穂高ロープウェイに乗って標高2156メートルの展望台まで行き絶景を楽しむはずでしたが、アルプスの中腹以上はガスがかかっていて、絶景とまではゆかず残念でした。その後全員無事下山して帰途につきました。

 ところで話は変わりますが、このところ電子部品の供給態勢が厳しくなってきています。昨年末に東京ビッグサイトで開かれた「セミコンジャパン2017」では、半導体を製造する各工程に使われるエッチング装置や半導体カッターなどに代表される装置の需要が過熱していて、供給不足を起こしており、納期が1年を超える電子部品が続出しているという話を聞きました。その原因にはスマートフォンに内蔵している電池が2~3年で劣化が目立ち始め、そのサイクルに合わせて大きく機能を強化した新製品が発売されて、年間数億台単位の需要が発生しているのだそうです。たとえば2017年のスマートフォンの全世界の生産量は統計データによると14.7億台だったそうです。そのうちのアップル社の生産台数は約15%の2.2億台とされています。そうするとアップル社の月当たりの生産台数は1800万台となり、1日当たり60万台(月間30日 24時間稼働とすれば)となります。
 これだけの数量のスマートフォンを製造する新工場を建設しなければ、現在販売中のものを生産し続けながら新製品を売り出すことができない計算になります。その新工場に設置される自動加工機は最低でも12,500台は必要になり、自動加工機を供給する日本のメーカーは超繁忙といってよい情況になっているようです。もちろんこれに使用する主要部品となるボールネジは納期1年以上は当たり前だそうです。またスマートフォンなどに使われている電子部品の市場も繁忙を極め、セラミックコンデンサを始めオペアンプ、トランジスタなどが品薄になっています。

 その影響ではないかと思われる現象が、エム・システム技研にも襲ってきています。もちろん半導体部品である各種のICの納期が長くなってきています。同じ電子部品でもセラミックコンデンサの納期がとくに厳しくなっているようで、1年以上に亘る納期を提示されるケースも出てきていて、いつも定期的に発注しているエム・システム技研のような優良な需要家?に優先的に供給する一方で、スポットでの注文には応じられなくなってきていると聞きます。
 多品種、少量生産、短納期を掲げて成果を上げてきたエム・システム技研にとっては、電子部品の供給不足の問題は「正に正念場」というところです。このような場合にはとくに日常の信用が物を言います。エム・システム技研は毎月の各種電子部品の発注数量の増減幅が小さく安定していること、そして納入部品に対する支払いを創業以来40年以上遅らせたことがないこと、そして使用部品がディスコン(生産中止で供給が得られなくなること)になることを伝えられると、新規部品を使った回路に設計変更して同一形式、同一機能の製品の製造キックオフをするわけですが、そのときまでの生産に必要な部品の数量を割り出して発注することにしています。そのためこの所納期が長くなった部品の発注量が増加していることもあり、在庫部品数量が少なからず増加しています。製品在庫はほぼゼロですが、部品在庫は長短合わせて6か月以上(物によっては2年分)を確保しています。

 昨年11月末に東京ビッグサイトで行われた「SCF(システムコントロールフェア)2017」のときに、エム・システム技研のブースで頭からすっぽりかぶるゴーグルを用いて360度カメラによる工場案内の映像を作成したものをお目にかけましたが、顔に接触する部分をカバーする紙製のマスクの取扱いがうまくいかないこととゴーグルが1台しかなかったこともあり、多くの方々に見ていただけなかったのは残念な思いが残りました。そこでこれをスマートフォンやパソコン、タブレットで見ていただけるものに編集し直して、簡単なナレーションとテロップを追加したものができ上がりました。エム・システム技研の京都商品センターの外観・エアシャワールーム・変種変量生産マウンタによる生産工程などを360度動画でご案内しています。環境温度可変の恒温槽内で行う振動試験装置や電波暗室、シールドルームなども同時にご紹介しています。
 読者の皆様にもぜひご覧いただき、エム・システム技研の5つのポリシーへの取組みをご覧いただきたいと思います。

360度動画の一部キャプチャ

京都商品センターの変種変量生産マウンタによる生産工程

京都商品センターの
変種変量生産マウンタによる生産工程

京都テクノセンターの電波暗室

京都テクノセンターの電波暗室

エム・システム技研の 5つのポリシー
5つのポリシーの詳細につきましては、こちらをご覧ください。

高山祭

(2018年7月)


ページトップへ戻る