2004-2005計装豆知識
- UPS(無停電電源装置)/2005.12
- 空電変換器/2005.11
- 電空変換器/2005.10
- 超高速アイソレータ/2005.9
- FL-net(OPCN-2)/2005.8
- IPアドレス/2005.7
- PROFIBUS-PA/2005.6
- CEマーキング/2005.5
- ISO 14000/2005.4
- PROFIBUS-DPV1/2005.3
- CC-Link Ver.2.0/2005.2
- WEEE指令とRoHS指令/2005.1
- ハウジング材質/2004.12
- 絶縁抵抗および耐電圧/2004.11
- 供給電源(設置仕様)/2004.10
- 信号変換器の応答時間/2004.9
- ディストリビュータ(2)/2004.8
- ディストリビュータ(1)/2004.7
- レンジ設定可能な信号変換器の精度/2004.6
- 信号変換器のゼロ・スパン調整/2004.5
- 冷接点補償精度/2004.4
- 信号変換器の温度係数/2004.3
- 信号変換器の精度(許容差)/2004.2
- 信号変換器の精度/2004.1
エムエスツデー 2005年12月号
UPS(無停電電源装置)
UPS(Uninterruptible Power Supply)とは、停電などで電源供給が不能になった場合、瞬時に、代わりの電源を供給する装置をいいます。UPSはバッテリを内蔵しており、停電を検出すると、バッテリを用いて代わりの電源を生成し、供給します。
UPSが必要な理由
電力供給が安定している現在の日本では、停電は滅多に起こらなくなりました。しかし、電力会社からは安定に送られてきていても、過電流遮断機(ブレーカ)の動作による停電や人が感知できないレベルの瞬時停止などの危険に、電気機器は絶えずさらされています。そのような危険に対して電気機器を防御する手段としてUPSは極めて有効です。
またUPSは、停電だけではなく一時的な電圧の変動やサージに対しても有効な場合があります。
UPSの種類について
現在のUPSは、大きく3つのタイプに分かれています。
(1)常時商用給電方式
通常は、商用電源をそのまま供給し、停電が発生したらバッテリからの給電に切り換える最もシンプルな方式で、小形、軽量、安価であるのが特徴です。
(2)ラインインタラクティブ方式
基本構造は先の常時商用給電方式と同じですが、通常電源として商用電源をそのまま供給するのではなく、電圧を調整するAVR(Automatic Voltage Regulator)を介して供給するのが特徴です。そうすることで、電圧の変動があった場合でもそれを調整し、電圧を安定させることができます。
(3)常時インバータ給電方式
通常の給電時も商用電源をいったん直流電圧に変換し、インバータ(直流電圧から交流電圧を発生させる装置)を使用して給電する方式です。
いずれのUPSも停電時にはバッテリからインバータを経由して給電しますが、この方式では通常時にもインバータから給電しているため、停電時にバッテリ回路へ切り換えるためのタイムラグが発生しないメリットがあります。また通常時にも、商用電源を一度直流に変換しているため、電源に含まれているノイズの影響を受けず質のよい給電が可能になります。
ただし、構造が複雑になり、高価になります。信頼性を要する用途にはこの方式が適しています。
UPS選定の目安
UPSに接続する電気機器がどのくらいの電源容量を必要とするかを、知らなければなりません。
UPSの仕様ではVAとWが規定されていることが多く、接続機器の電源容量がそれぞれその規定内に収まることが必要です。
VA表記だけの場合は、Wを求める必要があります。Wは以下の式を用いて算出できます。
W = VA ×力率
たとえばエム・システム技研の製品であれば、必ずVAが仕様書に記されています。力率は0.7を目安に計算してください。