エムエスツデー 2022年1月号

お客様訪問記

毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合
マンホールポンプの遠隔監視に採用された
Webロガー2(形式:DL30

(株)エム・システム技研 システム技術グループ

今回は、埼玉県入間(いるま)郡毛呂山(もろやま)町にある毛呂山処理センターを訪問し、マンホールポンプ用遠隔監視システムに採用された現場設置形データロガーWebロガー2(形式:DL30)について、システムを運用されている毛呂山・越生(おごせ)・鳩山公共下水道組合の柴﨑様とシステムの提案および制御盤類を納入された(株)オキナヤの服部様とシステム構築を担当された(株)ハンズの村上様にお話を伺いました。

[エム・システム技研、以下エムと略称]導入の経緯についてお聞かせください。

[柴﨑様]毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合では、現在14箇所のマンホールポンプの監視・運用を行っています。マンホールポンプは家庭から出る生活排水を集めて下水処理場へ送るポンプ設備です。このポンプ設備に異常が出た場合、正しい排水処理が行えなくなるため、常に異常を検知できる仕組みが必要です。マンホールポンプの運用を行う場合、各ポンプメーカー毎に独自の監視システムはありますが、当組合のマンホールポンプのメーカーは数社に分かれているため、ポンプメーカーに依存しない監視システムを構築したいと考えたことが新システム導入の発端です。
[服部様]古いマンホールポンプの監視は、異常が発生した場合、現場制御盤に取付けている警報灯で異常を知らせて、気がついた周辺の住民の方が管理者に通報していました。そのため、異常が何なのか現場に行かないと分からない状況でした。事前に運転状況と異常(故障など)の内容をある程度把握して対処の準備を整えてから、現場へ行くことができないか検討を行い、インターネット経由での遠隔監視が可能で、メール通報機能も備えたWebロガー2を使えば早期対応と二度手間防止の目的が達成できると考えました。
そして、何より採用の決め手になったのは、エム・システム技研の5つのポリシーの一つである「廃形しない」です。

[エム]本システムの概要や構成についてお聞かせください。

[服部様]既存のマンホールポンプ制御盤では、マンホール内の水位を計測し、一定の水位に達したらポンプ2台を交互に運転して排水処理を行っています。今回は、この既設の制御盤に併設して新たな制御盤を追加しました。既設の盤からポンプの運転と各種警報信号をWebロガー2に接点で取込み、モバイルルータを組合せることで遠隔監視とメール通報を可能にしました。現場で警報が発生すると、Webロガー2から管理者へメールでマンホールポンプの異常を知らせます。また、毛呂山処理センター内操作室に常設している監視用PCでも警報発生時ブザーが鳴るようになっていて、Webロガー2のWebサーバ機能にある信号一覧画面が表示されるように設定しています。したがって、メールと監視画面の内容から警報内容を事前に確認し、対策を準備してから現場に向かえるようになっています。

[エム]Webロガー2ではどのような監視を行っているのかお聞かせください。

[柴﨑様]マンホールポンプの運転状態と各種異常状態の監視を行っています。信号一覧画面で状態の監視を行っていることに加え、ポンプの運転状態をトレンドグラフにも登録し簡単に過去の稼働状況が振り返れるようになっています。また、ポンプの運転状態信号から運転時間を積算できる機能を使用してポンプ運転時間の帳票管理も行っています。累積の運転時間を記録しておき、帳票管理することでポンプの寿命判断に役立てています。
ブラウザソフトからWebロガー2にアクセスすれば監視画面へのアクセスが簡単にでき、事務所のPCだけでなく手持ちのスマートフォンからでもポンプの状態が確認できるようになり、大変便利になったと実感しています。

Webロガー2は設定が簡便!

[エム]Webロガー2を採用してのご感想をお聞かせください。

[村上様]1点目は、Webロガー2を設定するコンフィギュレータソフトウェア(形式:DL30GC
FG
(*1)の操作性がシンプルで簡単に設定できる点が良かったです。PLCでは、ラダーシーケンスによる作り込みなど専門的な知識が必要なため、特定の人しか設定ができませんでしたが、Webロガー2は指定された項目を設定するだけなので誰でも設定を行えます。
2点目は、接点を取込む「デジタル入力(Di)」に登録をする際の「反転」機能が非常に役に立ちました。既設の制御盤のリレーから運転・警報信号をWebロガー2に接続した際に、正常時に“ON”と聞いていたものが実際には異常時に“ON”だったという、ちょっとしたトラブルが発生しました。このときにリレー側の配線を直すことも考えましたが既設盤は古く、あまり改造をしたくないという思いもありました。そこで、「反転」にチェックを入れることで、Webロガー2は、ONとOFFを反転して判定してくれるため、配線を変更せずに思い通りに動作させることができました。
3点目は、Webロガー2の簡易Web画面にあるメンテナンス画面を使って、メール通報の内容や通報先を変更できる点です。お客様に変更方法をレクチャーすることで、納入後のメンテナンスをお客様自身でも行えるというところが大変良かったです。

(*1)コンフィギュレータソフトウェア(形式:DL30GCFG)は、エム・システム技研Webサイトから無料で
    ダウンロードできます。

[エム]今後の予定をお聞かせください。

[柴﨑様]今回の更新では14箇所中、越生町と鳩山町のそれぞれ1箇所、計2箇所のマンホールポンプ設備に、Webロガー2を導入しました。今後追加で1箇所、マンホールポンプ用制御盤の設置を計画し、同じシステムの導入を予定しています。将来は、これら15箇所すべてのマンホールポンプだけでなく、更に新しいマンホールポンプ導入時にも同じシステムに統一できればと考えています。今回の更新ではポンプの運転状態と警報を遠隔監視することができましたが、それでも管理会社の作業員の方が2週間に1回は現場盤へ行き、電源の電圧・電流や、運転時間表示などを確認し、専用の端末に入力して記録を行っています。今後更新する場合には、これらの信号も取込むことで2週間に1回の現場の見て回りをなくすことができれば、手間やコストが抑えられるので理想的だと考えています。

現場設置形データロガーWebロガー2 (形式:DL30)で遠隔監視とメール通報ができるようになりました。
現場設置形データロガーWebロガー2 (形式:DL30)で遠隔監視とメール通報ができるようになりました。
拡大図

[エム]本日はお忙しい中ありがとうございました。今後とも、エム·システム技研をよろしくお願いします。

採用された製品のご紹介

  • 現場設置形データロガー Webロガー2

    形式  DL30形式  DL30 形式:DL30

    Web画面による遠隔監視機能、データロギング機能、イベント通報機能に加え帳票の作成機能などを備えた現場設置形のデータロガーです。

毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合のご紹介

毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合は、埼玉県のほぼ中央に位置する毛呂山町、越生町及び鳩山町の3町により、昭和54年12月15日に埼玉県知事の許可を受け、昭和55年1月1日に、 地方自治法上の一部事務組合として設立されました。毛呂山処理センターは、家庭の雑排水や水洗トイレの排水を浄化処理することで、そのまま河川に放流できるようにする環境上きれいで衛生的な施設です。私たちは衛生的で文化的な街づくりをめざして、公共下水道の整備が進められています。毛呂山処理センターは豊かな緑に囲まれ、春には満開の桜を眺めることができます。
毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合の汚水管マンホール蓋
毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合の汚水管マンホール蓋 。中央には三町の水が越辺川(おっぺがわ)へきれいに還るようにという思い込められた河鹿(かじか)かえるがデザインされており、その周りを三町の花(毛呂山町の花・きく、越生町の花・うめ、鳩山町の花・つつじ)が囲むように描かれています。

毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合

本システムについての照会先:
株式会社オキナヤ 建設事業部 設備部
TEL:048-539-3377


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