エムエスツデー 2016年7月号

お客様訪問記

新築本社のBEMSのデータ収集を、リモートI/OとIoT用端末「データマル®」とを使用して効率よく実現しました
富山市所在のP・Fオートメーション(株)でデータ収集の用途に使用された「データマル®

(株)エム・システム技研 システム技術グループ

 今回は、2015年2月に本社を新築移転された、富山県富山市所在のP・Fオートメーション(株)を訪問し、同社社屋でデータ収集の用途にリモートI/Oデータマル®とを使用したBEMS(Building Energy Management System)について、システムの設計、構築、さらには工事も手がけられた技術部の鋪田 信博 様、湊川 征士 様、吉岡 宏 様、そして同システムの販売営業を担当されている営業部の濱田 豊富 様にお話を伺いました。

エム・システム技研のハード機器を使用したシステムを検討

 [エム・システム技研、以下エムと略称]本システムを導入された経緯をお聞かせください。

 [鋪田様]P・Fオートメーション(株)は、従来からエム・システム技研の変換器をはじめリモートI/Oなどを使用して、PA(Process Automation)、FA(Factory Automation)、BA(Building Automation)設備の設計、施工、ソフトウェア開発を行い、システムを納入してアフターサービスまでを手がけています。今回、P・Fオートメーション(株)の新社屋を建設するに当たり、自社システムにて本社社屋における発電、電力消費、照明、空調などの監視・制御を実現することとし、データ収集端末にエム・システム技研のリモートI/Oデータマル®を採用しました。

コンパクトなシステム構築

 [エム]システムの概要や構成についてお聞かせください。

 [鋪田様]データ収集、制御の対象として、屋上と駐車場の屋根に設置した太陽光発電設備のほか空調設備、照明設備、電力監視設備などがあり、それぞれの設備からの電力値(約140系統)収集、監視、制御のため、自社開発の高機能WebベースSCADAソフトである、Plant Data Site(中央監視装置)を使っています。
 電力の計測回路数が多かったため、多回路の電力収集ができるリモートI/O R3シリーズを各設備に設置してデータ収集を行い、照明設備の制御、監視用データ収集にはコンパクトなR7シリーズを採用し、CC-Link通信にてPLCを介して中央監視装置に取込みました。また、駐車場に設置した太陽光発電設備に使われている日射計のデータは新製品であるデータマル®にて収集を行い、Modbus/TCP通信で中央監視装置に取込みました。
 P・Fオートメーション(株)では自社で通信ドライバの開発も行っているため、太陽光発電設備、空調設備からのデータ収集も含め、様々な通信によって設備のデータ収集を実現しました。

自社システムにて省エネを実現

 [エム]運用いただいて、いかがでしょうか。

 [吉岡様]本システムでは空調設備、照明設備のスケジュール制御、デマンド制御を中央監視ソフト(Plant Data Site)とPLCを組合せることにより行っています。P・Fオートメーション(株)本社で電力デマンドのピークを迎えるのは冬場であり、スケジュール制御で従業員が出社する前にあえて空調を運転する、電気の消し忘れを防止するなどの処置をとってデマンドのピークカットを行い、電力の削減を図っています。太陽光発電の助けもあり、電力の使用料は旧社屋の2/3に軽減することができました。

P・Fオートメーション(株)の新社屋に導入された監視・制御システム構成図
P・Fオートメーション(株)の新社屋に導入された監視・制御システム構成図 [拡大図

継続して、エム・システム技研のハード機器を使用してシステムを提案

 [エム]今後のご予定についてお聞かせください。

 [鋪田様]P・Fオートメーション(株)は、工業炉などのプロセス業界、上下水道施設などの公共案件、ビル監視システムなど様々な業界を対象にして、エム・システム技研のハード機器を使用したシステム構築を行い、納入しています。今後は、新製品も取り入れ、今回の新本社に導入したシステムをPR材料とし、納入実績を増やして行きたいと考えています。

 [エム]本日はお忙しい中をありがとうございました。今後ともエム・システム技研をよろしくお願いします。

P・Fオートメーション(株)は、データマル®(タイプD)のWebカスタマイズ画面も作成できます
P・Fオートメーション(株)ではエム・システム技研の新製品のシステム構築をいち早く取り入れています。データマル®(タイプD)のWebカスタマイズ画面も作成済みであり、簡易監視の用途にて様々な業界にPRを行っています。
データマル(タイプD)のWebカスタマイズ画面
SCADALINXpro®ともシームレスに接続します
P・Fオートメーション(株)ではエム・システム技研の監視ソフトであるSCADALINXpro®を用いて構築して納入した実績もあります。また、PFオートメーションソフトのPlant Data Siteはデータマル®と同様、Webベースでの画面構築を行っているため、既存のブラウザによる監視が可能です。したがって、あらゆる端末で監視したいという要望に応えるべく、北陸地区の上下水道監視システムに納入済みのSCADALINXpro®とPlant Data SiteをOPCで接続して納入した実績もあります。

*『エムエスツデー』誌1997年10月号の「計装豆知識」にて解説

P・Fオートメーション(株)のご紹介

 P・Fオートメーション(株)は、富山県富山市に本社を置き、計装システムや工場の自動化システムの提案・営業から設計・製作を行うだけでなくメンテナンスサービスまで行っています。2015年に新築された本社社屋では、太陽光発電、空調、照明などの設備に対してP・FオートメーションシステムのBEMS機能を利用し、大幅な省エネを実現することができました。P・Fオートメーション(株)に依頼される監視・制御システムの中には、多くのメーカー製の監視ソフト(DCS、SCADAなど)が含まれているため、様々な苦労や経験をしてきました。長い間、ユーザーのあらゆる要望を実現できるSCADAソフトを探していましたが、見つけることができなかったため、自社開発という構想をたて、本欄で紹介しているPlant Data SiteというWebベースのSCADAソフトを開発・販売するに到りました。構想時の願いだったエンジニアリング面で苦労する点の改善を図り、自分たちが「欲しい」と思う機能を搭載したものが今の製品になっています。
 今後、BEMS・FEMS(Factory Energy Management System)など成長分野も見込まれており、P・Fオートメーション(株)ではエム・システム技研のデータマルといったIoT製品との連携も含め開発を続けています。

富山県 P・Fオートメーション(株)

本システムについての照会先:
P・Fオートメーション(株)
〒930-0158 富山県富山市池多1831番地4
TEL:076-436-2888 FAX:076-436-2777
技術部 鋪田 信博 様


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