エムエスツデー 2005年7月号

お客様訪問記

北海道当麻町の水道設備監視に採用された、
エム・システム技研のチャートレス記録計と遠隔監視システム

(株)エム・システム技研 システム技術部

 北海道上川郡当麻町(とうまちょう)は、旭川市から北東15kmに位置し、大雪山連邦を望み、豊かな森林と肥沃な大地に恵まれています。農業が盛んで、米の出荷は6年連続北海道一、また、でんすけすいかの名産地としても知られています。冬の間は昼夜を通して氷点下になる日も多く、その寒さゆえに雪質は最高で、手で固めることができないパウダースノーを体感できる町です。

 今回は、この当麻町役場の建設水道課を訪問し、建設水道課 課長補佐 内海 敬裕 様、また、システム設計を担当された晴和テクネット(株)高田 泰慎 様から、過日ご採用いただいたエム・システム技研のチャートレス記録計テレメータを使った遠隔監視システムについてお話を伺いました。

[エム・システム技研、以下エムと略称]本システムご導入の経緯についてお教えください。

[内海]当麻町では、町内への安定した水道供給を実現するため、古くからテレメータを利用した遠隔監視システムを採用し、万一のトラブル発生時にもできるだけ迅速で的確に対応できるように設備を整えてきました。水道設備は、前回の全面更新が1983年であり、そろそろ更新すべき時期になっていました。まず、大手メーカーから見積りを取りましたが、財政事情の厳しい中で導入できるような金額ではありませんでした。そこで、『エムエスツデー』で目にしたお客様訪問記を参考にして、エム・システム技研製品を使ったシステムで見積りを取ったところ、大手メーカーと同等のシステムが前記見積りの半分くらいの金額で実現できることがわかり、このシステムを採用することにしました。

[エム]遠隔監視システムの内容についてお教えください。

[高田]NTT専用回線および自営線を利用したテレメータと“MSデータロガー”による遠隔監視システムから構成されています。NTTの専用回線と自営線については、既存の回線をそのまま利用しました。テレメータには“ジャストフィットテレメータ”(小形多重伝送ユニット(形式:22LA1))を選定し、今回使用したモデムは音声・データ同時通信モデム(形式:MOD7)であるため、役場庁舎と遠隔地の現場との間はNTT専用回線および自営線を利用して、常時音声通話も可能になっています。

図1 当麻町水道設備の集中監視システム
図1 当麻町水道設備の集中監視システム [拡大図]

 役場庁舎にはパソコンを設置し、全体の監視用に“MSデータロガー”を導入しました。“MSデータロガー”の監視画面では、各現場ごとの現在の状況表示、町全体の水道管網図、トレンド表示、そして帳票の自動作成ができるようになっています(図2)。また、データロガーのバックアップも兼ねて、チャートレス記録計本体(形式:74ET)もテレメータ盤の表面に設置しました(図3)。

図2 監視画面  図3 テレメータ盤

 “ジャストフィットテレメータ”からの信号の受け渡しには、リモートI/O R5シリーズを設置しました。R5シリーズはコンパクトなうえに、プロトコルが違う2種類の通信カードを装着できるため、1系統はMSデータロガー用にEthernet通信カード、もう1系統はチャートレス記録計本体用にModbus通信カードを装着しています。したがって、I/Oカードの枚数を必要最小限にすることができ、コストダウンと省スペース化が実現しました。

[エム]実際にご採用いただいていかがですか。

[内海]今までは、メータなどを取り付けた監視盤と、テレメータ盤の4面の盤が役場庁舎内に設置されていましたが、監視盤で見ていた現場の状況をデスク上のパソコン画面でモニタできるようにしたことと、エム・システムの製品が今までの製品に比べてコンパクトだったため、テレメータ盤一式として1面の盤にすべて納めることができました。それに伴って、役場庁舎内の大幅な省スペース化も実現できました。またMSデータロガーの監視画面で、全体の状況やトレンド表示などを画面切り替えだけで見られるようになり、大変便利になりました。そして何よりも気に入っている点は、記録計のメンテナンス作業がなくなったことです。今まで、チャート式記録計を使用していたときは、毎日どこかの記録計でインク切れ、紙切れ、モータの故障などが発生し、日々メンテナンスに追われていました。当然、記録用の消耗品にも結構な費用を投じていました。しかし今回、チャートレス記録計本体を採用してからは、苦労していた記録計のメンテナンスがまったくなくなり、大変楽になりました。

[エム]お忙しいところ、お話を聞かせていただきありがとうございました。

本稿についての照会先:
 晴和テクネット(株) 専務取締役 高田 泰慎 様
 〒078-8274 北海道旭川市工業団地4条2丁目2番6号
 TEL. 0166-36-4700 FAX. 0166-36-4737
 E-mail:ya-takada@seiwa-technet.co.jp


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