エムエスツデー 2009年2月号

Interface & Network News 2
No.29

HMI統合パッケージソフトウェア
SCADALINXproのサーバ2重化について

 エム・システム技研の高機能HMI統合パッケージソフトウェアであるSCADALINXpro(形式:SSPRO4は、設備監視・制御・データ収集用のソフトウェアです。SCADALINXproで設備監視をする場合は、SCADALINXproServerSCADALINXpro Browserを使用します。今回はSCADALINXproServerを2重化することによって、システムの信頼性を向上する方法をご紹介します。

サーバ2重化の概要

 SCADALINXproはクライアント/サーバシステムです。

図1 通常の構成

 SCADALINXpro Browserはクライアント用のソフトウェアで、SCADALINXpro Serverに接続して使用します。SCADALINXpro Browserの画面に、SCADALINXpro Serverの情報を見やすい形で表示します。

 SCADALINXpro Serverはサーバ用のソフトウェアで、リモートI / Oと通信してリアルタイムデータを取得したり、ログデータやアラームデータを作成します。またSCADALINXproBrowserの接続を受け付けて、データをSCADALINXpro Browserに渡します。

 通常の運用では、SCADALINXproServerが1つで、SCADALINXproBrowser が1 つまたは複数あります(図1)。したがって、SCADALINXproServerが何らかの故障で停止すると、監視システム全体が停止してしまいます。ここで、サーバの事故でシステムが停止するリスクを軽減する方法として、サーバの2重化があります。メインサーバが停止しても、サブサーバが動くことによってシステムは動作します(図2図3)。

図2 サーバ2重化の動作(通常時、メインサーバ動作)
図3 サーバ2重化の動作(メインサーバ停止時)

サーバ2重化の動作

 通常はメインサーバが動作していて、サブサーバは待機しています(図2)。メインサーバがリモートI /Oと通信して、自分のパソコン内にログデータを溜め込みます。このとき、サブサーバのパソコンにもログデータを書き込みます。SCADALINXpro Browserはメインサーバにログインします。

 メインサーバが停止すると、自動的にサブ機がサーバとして動作します(図3)。サブ機がリモートI / Oと通信して、サブサーバのパソコン内にログを溜め込みます。

 このとき、SCADALINXpro Browserは自動的にサブサーバにログインします。

 サブ機がサーバ運転中に、メイン機が復旧して動作開始すると、まずは待機中になります。復旧直後に、メイン機のログデータのファイルをサブ機と同じ内容にします。待機中のメイン機は、サブ機からログデータを受信して、サブ機と同じデータを保持します。この状態から、通常時の動作(図2)に戻すのは、手動で行います。

 以上のようにサーバを2重化すれば、1台のサーバパソコンが停止しても、もう1台のパソコンがサーバとして動作できます。サーバ2 重化機能を使用することで、サーバの信頼性を向上することが可能です。

本稿についての照会先:
 (株)エム・システム技研 カスタマセンター システム技術グループ 
 TEL:06-6659-8200

SCADALINXproは(株)エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研カスタマセンター システム技術グループ】


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