エムエスツデー 2007年5月号

PCレコーダの納入実例
No.20

ガスコージェネレーションの電力・熱量監視に
採用されたPCレコーダ

 今回は、ガスコージェネレーションにおける電力・熱量監視用として採用されたPCレコーダの事例をご紹介します。

 コージェネレーションシステムとは、一つのエネルギーから熱と電気など複数形態のエネルギーを取り出して使用するシステムのことで、ガスコージェネレーションシステムは、その中でも環境にやさしいエネルギーとして注目されている天然ガスから、電気と熱などの二次エネルギーを生み出すシステムです。コージェネレーションシステムは、無駄なく資源を利用するため、環境保全に貢献するシステムとして高く評価されています。

 今回PCレコーダが導入されたガスエンジンコージェネレーションシステムでは、ガスエンジン発電ユニットで発電し、その発電時に発生する排熱を給湯や空調に利用しており、PCレコーダでは、運転に伴い発生した電力量と給湯量(積算熱量)を管理項目として記録しています。

 すなわち、発電量を示す電力量計からのパルス信号と、発生した熱量を示す積算熱量計からのパルス信号とをPCレコーダのI/O機器 積算カウントユニット(形式:R1M-P4に取り込み、PCレコーダソフト(MSR128)で表示しています。

 R1M-P4 は、入力パルス信号を積算処理し、積算カウントユニット内の不揮発性メモリに保存します。PCレコーダへはカウント後のデータ値を渡しています。したがって、パソコンが立ち上がっていない状態やパソコンと上記ユニット間の通信が不良になった場合でも、ユニット自身がカウントしているため、取りこぼしや誤カウントの恐れはありません。

図1 システム構成

 また収集データについては、帳票作成支援ソフトMSRDB2)を用いて日報、月報を自動作成しています。MSRDB2 は毎正時に、リアルタイムに R1M-P4 の積算値データをPCレコーダに取り込みます。取り込んだデータと直前の正時値の積算値データとの差分から時間あたりの電力量と給湯量を実量値で記録できます。集計項目として、最大値、最小値、平均値、積算値などの項目を指定するだけで日報、月報を作成できます。帳票作成のために、いちいちアプリケーションを立ち上げたり、データベースにアクセスする必要がなく、自動的に帳票を印字/作成します。

図2 帳票印字例

 このように、PCレコーダを利用すればローコストでしかも短期間で容易にデータ監視システムを構築することが可能です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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