エムエスツデー 2007年1月号

PCレコーダの納入実例
No.17

燃料電池試験装置のデータ収集に採用されたPCレコーダ

 PCレコーダの納入事例として、今回は燃料電池試験装置のデータ収集に採用されたレコーダソフトPCレコーダライト(MSR128LV、MSR128LS)注)についてご紹介します。

 この燃料電池試験装置では、データ収集箇所が3箇所に分散していて、各箇所に12点の温度・圧力信号があります。データ収集装置については、下記のようなご要望がありました。

 1)1台のパソコンでデータを収集したい。
 2)各箇所別に個別のデータファイルとして保存したい。
 3)各箇所毎にデータ収集の時間帯が異なるため、外部からのトリガ信号によって各箇所個別にデータ収集を開始させたい。
 4)各箇所毎に温度異常などの警報を一括警報として出力させたい。

 今回使用する温度センサは測温抵抗体であり、圧力計からの信号はDC4~20mAです。収録開始用外部トリガ入力、警報出力を必要とするため、チャネル間絶縁、12点 ユニバーサル入力ユニット(形式:RZMS-U9を選択しました。RZMS-U9 は標準でトリガ入力用端子、警報出力用端子を用意していて、各測定箇所に RZMS-U9 を1台設置することによって、すべての入力を処理することができました。測定箇所3箇所に分散設置した RZMS-U9 をRS-485で接続することにより、ネットワークを構築しました(図1)。

図1 PCレコーダによる燃料電池試験装置のデータ収集

 パソコンにはレコーダソフトとしてPCレコーダライトMSR128LVMSR128LS)をインストールしました。

 MSR128LVMSR128LSでは収集するデータについて1グループ12点まで登録でき、グループ別に1つのデータファイルとして保存することが可能です。収集されたデータはCSVファイル形式で保存されるため、Microsoft Excelで直接データを展開し、解析することが可能です。

 各測定箇所毎に外部からのトリガ信号でデータ収集を開始させることについては、MSR128LVMSR128LS で各グループ毎にデータ収録方法を設定することによって対応できます。データ収録モードを“トリガ連動”に設定し、トリガを入力するRZMS-U9 のノード番号を各グループ毎に設定することで、トリガ信号がオンもしくはオフの間だけデータ収録を行うことができます(図2)。

図2 PCレコーダライトの収録設定画面

 また、MSR128LVMSR128LS では、入力される信号毎に2点の警報値を設定することが可能で、発生した警報を出力させることも可能です。ペン設定画面(図3)のアラーム設定項目で警報出力させたい RZMS-U9 のノード番号を設定することによって警報出力を実現できます。

図3 PCレコーダライトのペン設定画面(アラーム設定)

 上記の諸々の特長が評価されてPCレコーダをご採用いただき、安価にシステムが組めたとお客様には大変ご満足いただきました。

注)PCレコーダライトMSR128LVMSR128LS)はPCレコーダ総合支援パッケージ(形式:MSRPAC-2006に含まれています。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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