エムエスツデー 2006年3月号

PCレコーダの納入実例
No.10

PCレコーダによる環境測定

 変換器避雷器などの製品を、主にPA(プロセスオートメーション)業界のお客様に販売してきたエム・システム技研では、教育機関、研究機関などLA(ラボラトリオートメーション)関係のお客様に製品を納入することは従来あまりありませんでした。

 しかし、パソコン利用の記録計システム「PCレコーダ」を発売して以来、製品をPA以外の分野でご採用いただく例が増えてきました。今回はPCレコーダの納入事例として、3年前にある教育機関で採用された件についてご紹介します。

 環境の問題が深刻化している昨今、環境汚染の実体を把握するために、測定装置を屋外に設置し、環境データを測定する事例が多くなってきています。

 測定装置は高価であるため、常時設置しておくわけにはいかず、ある一定の期間測定ポイントに設置します。観測が終われば、測定ポイントを移動し、また次の場所で観測するといった運用が行われています。

 そのため、移動が容易な屋外環境測定装置の記録にPCレコーダが採用されました。

 簡易型百葉箱で温度・湿度が測定され、風速計によって風速・風向が測定されます。そのほか騒音、照度、炭酸ガス、放射温度、雨量、地中温度などが測定されます。

 センサはカメラの三脚に設置されています。PCレコーダのI/O機器「直流/熱電対入力ユニット(形式:R1M-GH2)」はトランク型のカバンの中に収納され、センサからのケーブルはコネクタ接続されるようになっています。

 パソコンとしてはWindowsXPのノートパソコンを使用し、R1M-GH2 1台の16点以内に対応しています。現在は「PCレコーダソフト(MSR128)」を使うことができますが、その当時は、「PCレコーダソフト(MSR32)」でデータを収録して、実量のCSVファイルに変換することにより、簡単にExcelで読み出していました。

 なお、現在であれば、「PCレコーダ総合支援パッケージ(形式:MSRPAC-2005)」に入っているMSR128では、対応する入力点数が128点に増えただけでなく、ダブルウインドウ、アラーム履歴、オーバービューなどの高機能な画面機能を使うこともできるようになっています。

 I/O機器も現在では、「ユニバーサル入力ユニット(形式:RZMS-U9)」が発売され、各チャネル間が絶縁されているため、入力側の信号変換器が不要になり、測温抵抗体入力、熱電対入力も直接接続できるようになっています。

 バスパワードUSB対応「ユニバーサル入力ユニット(形式:RZUS-U9)」は電源もUSBから供給されるため、モバイルで使用される場合にとても便利になりました。

図1 PCレコーダによる環境測定のシステム構成図

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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