エムエスツデー 2018年4月号

アプリケーション紹介

こんな変換器ご存じですか(その9)

機 種 絶縁4出力形 スプリット演算器(1) 形 式 MFS2

 今回はBA(ビルディングオートメーション)によく使用される、絶縁4出力形 スプリット演算器(形式:MFS2をご紹介します。外観と主な仕様を図1に、ブロック図を図2に示します。

図1 スプリット演算器(形式:MFS2)の外観と主な仕様

図2 スプリット演算器(形式:MFS2)のブロック図

 ブロック図に示すとおり、絶縁4出力形 スプリット演算器は、アナログ入力と接点入力を各1点およびアナログ出力4点で構成されています。アナログ入力とアナログ出力は電流信号(4〜20mA DC)と電圧信号(1〜5V DC、0〜10V DC)から選択できます。4つのアナログ出力は、アナログ入力に対してそれぞれ個別にその特性(傾き、ゼロ点および100%点)を設定できます。また、それぞれのアナログ出力に対して上限リミット値と下限リミット値を設定できます。さらに、接点入力がONのときの強制出力値を設定できます。これらの設定は専用のMFS2コンフィギュレータソフトウェア(形式:MFS2CFGを使用してパソコン上から簡単に設定できます(*2)
 図3絶縁4出力形 スプリット演算器の設定例とその入出力の関係を示します。

図3 スプリット演算器(形式:MFS2)の設定例と入出力の関係

 図4は外気冷房制御を含めた室内温度制御の空調機に絶縁4出力形 スプリット演算器を使用した例です。
 温度調節器は温度設定値と室内温度センサからの室内温度を比較し、室内温度が温度調節器の温度設定値になるよう制御信号(4~20mA DC)を出力します。温度調節器の出力は絶縁4出力形 スプリット演算器によって加熱弁操作器、冷却弁操作器、外気・排気ダンパ操作器、還気ダンパ操作器へそれぞれ振り分けられます。
 温度調節器の出力に対し、冷却弁と加熱弁をV字形に制御します。接点入力には外気冷房判断の信号を入力します。外気熱量が十分低く外気冷房が可能なときは接点入力をOFFにします。その場合の各ダンパの動作は図4のグラフのようになります。外気熱量が高く外気冷房が不可能な場合は、接点入力をONにします。接点入力がONになると強制的に外気ダンパと排気ダンパは最小開度、還気ダンパは全開となり、空調負荷となる外気導入を最小にします。

図4 スプリット演算器(形式:MFS2)の空調機温度制御への使用例

 次号でも引き続き、絶縁4出力形 スプリット演算器の使用例をご紹介します。

(*2)コンフィギュレータソフトウェアは、エム・システム技研のホームページから無料でダウンロードできます。


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