エムエスツデー 2021年7月号

ごあいさつ

(株)エム・システム技研 代表取締役会長 宮道 繁

(株)エム・システム技研 代表取締役会長 宮道 繁

 今から約30年前の1990年の夏、生まれて初めてロンドンの近郊にある「ウィンブルドンのセンターコート」を訪れるチャンスに恵まれました。古い話で正確には憶えていませんが、渡航の主目的は、当時当社の海外営業部長であった湊さんと2人で、ロンドンから電車で約1時間の所にある「ACAL AURIEMA社」を訪れ、「エム・システム技研の代理店になってもらうことの申し入れ交渉」でしたが、結果は希望どおりOKとなって目的を達することができました。しばらくして同社のCEOであるJohn Curry氏は、「ウィンブルドン選手権大会の会長をも兼務している」という情報が入りました。
 私は、ACAL社の本気度を確認してみようと考えて、「全英オープンテニス選手権大会(テニスの世界4大大会の1つ)のセンターコートの切符を用意してもらえないか?」と問合せしたところ、何とセンターコートのベストシートと思われる席で、「ロイヤルボックス」を左手に見るコーナーの、最前列から5番目くらいの席を用意してくれました。さすが「John Curry氏の力は凄いな」と思ったと同時に、ACAL社の本気度が伝わってきました。
 ところで、「せっかくロンドンまで行くのだから、1日だけの観戦で帰ってくるのは悔しいな」と思い、当時日本テニス協会の常務理事をしていた友人に、別途「もう1日分を何とかしてくれないか?」と駄目元で頼んでみたところ、「何とかしよう」という返事がきて、「当日ロンドンのケンジントンヒルトンに滞在している川廷さん(国際テニス連盟副会長・日本テニス協会副会長(当時))を訪ねて切符を受け取るように」ということでした。
 当日、ウィンブルドンのセンターコートへ意気揚揚と出かけたのですが、川廷さんから受け取った切符の席は後ろから3番目の正に「天井桟敷」で、テニスコートは遥か遠方の下の方にあり、出場選手が豆粒のように小さく見えて、かねて持参していた望遠鏡が役に立ちました。その上7月というのに寒くてじっとしていられないくらいで、冷たい風がまともに吹いてきました。お土産ショップで「チルデンセーター」を買い求め、首にはWIMBLEDONと染め抜いたバスタオルを巻きつけて観戦しました。
 翌日はACAL社が用意してくれたセンターコートの指定席についたのですが、何と「ロイヤルボックス」の最前列の席にダイアナ妃の姿が見えるではありませんか。これで、ウィンブルドンテニス大会のことを「THE CHAMPIONSHIPS」と呼んでいる意味が分かったような気がしました。
 ところで、新型コロナウイルスの変異種の流行で、皆様がこのご挨拶をご覧になる時期と、ウィンブルドンでの今年の全英オープンテニス選手権大会開催時期とが重なっていますが、果たしてコロナ禍に関する世界情況はどうなっているでしょうか?
 エム・システム技研は、このコロナ禍の中では営業活動もままならないので、「各種の製品をPRする動画」の制作に力を注いでいます。1年以上前の話になりますが、新しく商品化した電動調節弁用アクチュエータ(商品名:ステップトップ®)の分解能が優に1/1000を達成していることから、「ステップトップ®1/1000デモキット」を作りました。でもお客様に見ていただくにも、デモキットを持参する必要があります。ましてや地球の裏側にある海外の人たちにまで見ていただくことを考えると気が遠くなります。そこで思いついたのが電波に乗せて見ていただく解説付きの動画(写真1)を作ることでした。思ったよりご理解いただけそうな作品に仕上がりましたので、これはいけるとばかりに「ステップトップ®を使った電動調節弁と空気圧式調節弁の制御性能を比較した動画」(写真2)の制作に着手しました。エム・システム技研が商品化したシングルループコントローラSCシリーズで模擬プラント(プラントレット®と呼んでいるPIDコントロール実証のデモプラント)を使って比較テストをした動画(写真3)の作成に挑戦し、それも完成しましたのでYou Tubeに上げています。そして空気源装置が要らない電動調節弁がどんなに素晴しいかを表現するために、空気圧式調節弁を動かすのに不可欠な空気源装置がどんなに大変なものかを解説した動画(写真4)も完成しました。その上具体的なステップトップ®を用いた電動調節弁の応用例として、「紙パルププラントに採用されている電動調節弁の具体的なアプリケーション事例」を解説した動画(写真5)も完成しました。これでステップトップ®電動調節弁に関する動画がひと通り揃いました。この動画を用いて世界中で現在使用されている空気圧式調節弁を電動調節弁に替えてゆく、遠大なる目標に挑戦してまいります。
写真1 電動調節弁に革命を起こす1/1000キット
写真1 
電動調節弁に革命を起こす
1/1000キット
写真2 電動調節弁革命 空気圧式調節弁と電動調節弁の比較
写真2 
電動調節弁革命
空気圧式調節弁と電動調節弁の比較


写真3 PID調節計の理想形 シングルループコントローラ SCシリーズ
写真3 
PID調節計の理想形
シングルループコントローラ SCシリーズ
写真4 空気源装置が要らないステップトップ®を使った電動調節弁
写真4 
空気源装置が要らない
ステップトップ
®を使った電動調節弁



写真5 紙・パルプ工場向け電動アクチュエータ「ステップトップ®」
写真5 
紙・パルプ工場向け電動アクチュエータ
「ステップトップ
®
写真6 すぐ手に入る工業計器なんでも揃うエム・システム技研
写真6 
すぐ手に入る工業計器
なんでも揃うエム・システム技研



 新型コロナウイルスの変異種が猛威をふるい営業活動もままならないなか、商品PRに効果的な動画制作を進めることとし、各種IoT機器のPR用動画や電波テストを現場で実行し、その様子をご覧いただく動画も作りました。そのほかにも、エム・システム技研の会社そのものをご紹介する動画などを次々に制作して、コロナ禍で直接ご面談いただけない情況でも、ご納得いただける動画を使った営業活動ができるように工夫しています。

 よく考えてみますと、この動画というものはシナリオ作りから撮影、ナレーションの作成、そして編集作業と、慣れない作業に奮闘することになりますが、ひとたび完成するといつでもどこでも見ていただけますし、You Tubeなどにも上げて広く知っていただくことができます。
 2021年に入って思い切ってプロのレジェンド松下氏に登場してもらい、エム・システム技研の会社そのもののPR動画(写真6)を作ってもらいました。「すぐ手に入る工業計器 なんでも揃うエム・システム技研」と題して、それがどのようにして実現できているのかについて印象的にまとめてもらいました。ぜひご覧になってエム・システム技研がそのために何をしているかを見ていただきたいと存じます。
 「お客様にいつまでもお役に立つエム・システム技研でありたい」と願って、動画制作に立ち向かっています。
 つきましては、今後とも、よろしくご支援の程、お願い申しあげます。

2006年 ウィンブルドン センターコート ロイヤルボックス席クラブ会長・ケント公爵エドワード王子によるトロフィー授与式


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