エムエスツデー 2021年1月号

お客様訪問記

HMI統合パッケージソフトウェア「SCADALINXpro®」と
テレメータ「D3シリーズ」で専用回線テレメータのIP化を実現!

門真市環境水道部 専用回線テレメータのIP化

(株)エム・システム技研 システム技術グループ

今回は、大阪府にある門真市環境水道部を訪問しました。これまでの専用回線を利用した遠隔監視システムの置換えとしてご採用いただいた、エム·システム技研製のHMI統合パッケージソフトウェアSCADALINXpro(形式:SSPRO6)とテレメータD3シリーズで構築された、光回線を利用した遠隔監視システムについて、同環境水道部工務課にお話を伺いました。

光回線のVPNを利用した遠隔監視システムを導入

[エム・システム技研、以下エムと略称]導入の経緯についてお聞かせください

[環境水道部工務課]門真市環境水道部では大阪広域水道企業団の浄水場で高度処理された水を2箇所の配水施設(泉町浄水場、上馬伏配水場)で受水し、市民の皆様へ配水する業務を行っています。市内には配水管が総延長約225kmありますが、その配水管および配水施設の老朽化が進んでいます。我々は平成29年から10年計画で「持続・安全・強靭」という3つの理想像を掲げて設備更新を進めています。遠隔監視システムとしては、これまでNTT専用回線と他メーカーのテレメータおよび中央監視装置を20年ほど使用していました。更新時期となった今回、専用回線は距離に応じて通信費用が高くなることに加え、メンテナンスの難しさがあり、この機会に「持続・安全・強靭」なIP化を行いたいという思いがありました。そこで、エム・システム技研製の監視ソフトSCADALINXproとテレメータD3シリーズで、光回線のVPNを利用した遠隔監視システムを導入しました。

[エム]ご導入いただいたシステムの構成や運用方法についてお聞かせください。

[環境水道部工務課]門真市環境水道部では、約12万1千人の市民の皆様に浄水を供給する業務に携わっていますが、供給先すべての場所で水質を監視することはできません。そこで、基準となる7箇所に水質モニタを設置しています。水質モニタでは濁度、色度、pH、電気伝導率、残留塩素といった水質に関係するデータを測定しています。そのほかに、水圧も測定することで水が正常に送れているかを監視しています。1箇所、水圧信号だけ測定している箇所があり、合計8箇所(地図中18)になります。この8箇所はすべて公共施設の敷地内で、小学校や消防署、橋などです。そこに制御盤を設置し、地下を通っている水道配管の水を水質モニタで測定しています。さらに水質データのアナログ信号および警報接点信号をテレメータD3シリーズに入力し、光回線を通じて中央監視室のPLCへ取込んでいます。加えて、2箇所の配水施設から別系統で送信されてくる水質、水圧、配水流量のデータ信号および警報信号を、構内のLANを介してPLCへ取込み、一緒に監視できるようにもしています。SCADALINXproはPLCにまとめられたデータを取得し、監視画面の構築・表示を行っています。
中央監視室の監視画面の運用については、運転管理業者様に24時間体制で監視いただいています。また、警報発生時には警報の種類や緊急度などを精査した上で、我々、市の職員に連絡していただけるようになっています。監視画面のミラーリングも行っていて、同じ建屋内にある環境水道部の事務所にもPCを設置して、同じ監視画面が見られるようにしています。また、SCADALINXproの帳票作成機能を活用して毎日朝に日報、毎月1日に月報といった形で報告書として提出いただき、水質検査結果として保管しています。

[エム]エム·システム技研製品をお選びいただいた理由は何でしょうか。

[環境水道部工務課]入札案件のため、機器選定をこちらではできないのですが、ただ、入札基準を定める際、設計したシステムを長く使えることを最重要視していました。長期間使用する場合、例えば子局が故障して交換が必要な時に、その製品が廃形になっていると、親局側もセットで交換しなければならなくなってしまいます。それでは困るため、簡単に廃形にならないものを購入したいという思いが強かったのです。そのため、部品の長期安定供給を約束してくれることを選定基準として入札をかけていました。エム・システム技研がポリシーとして製品の「廃形しない」を掲げておられることを知っていたため、「持続・安全・強靭」なシステムを目指す我々の考えとマッチしていて、良いなと思っておりました。

通信費用、機器費用、メンテナンスにかかる人件費をコストカット

[エム]導入して改善されたポイントがあれば、お聞かせください

[環境水道部工務課]コスト面のメリットがとても大きく、3つのポイントでコストカットができました。1つ目は通信費用で、専用回線は距離に応じて費用が加算される仕組み上、2~4kmほど離れている子局の通信費用は高くなっていました。これを今回、光回線のVPNに変更できたことで、通信費用がおよそ2/3で運用できるようになりました。2つ目は機器費用で、20年前のシステムとの比較になってしまいますが、およそ1/3ほどで構築することができました。3つ目はシステムのメンテナンスにかかる人件費で、以前はソフトの設定に私達が触ることのできる仕組みがなかったため、監視画面のスケール変更など、ちょっとしたことでもメーカーの方に来ていただく必要があり、その費用が高いと感じていました。今回のシステムでは、私達である程度変更できるようにしていただいているため、その費用が無料になりました。また、監視ソフトであるSCADALINXproですが、以前のシステムと変わらず運用できるように画面を構築しているため、機能はそのままでバージョンアップしたような使用感になっており、大変満足しています。

HMI統合パッケージソフトウェア「SCADALINXpro®」とテレメータ「D3シリーズ」で専用回線テレメータのIP化を実現!
HMI統合パッケージソフトウェア「SCADALINXpro®」と
テレメータ「D3シリーズ」で専用回線テレメータのIP化を実現!
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[エム]本日はお忙しい中ありがとうございました。今後とも、エム·システム技研をよろしくお願いします。

採用された製品のご紹介

  • HMI統合パッケージソフトウェア
    SCADALINXpro®

    形 式 SSPRO6

    プロフェッショナル システムエンジニア向けHMI開発ツールです。

    ①高品質な画面を作成できます。
    ②各社PLC 約70機種と接続できます。
    ③遠隔から監視、制御が行えます。
    ④Webブラウザでの運用、VBなどの
     開発言語に組込みができます。

  • 多目的テレメータ
    D3シリーズ

    D3シリーズ

    多目的テレメータ D3シリーズなら、専用回線から無線まで様々な通信方法であらゆるアプリケーションにお応えできます。

    ①カード組立て構造です。
    ②伝送メディアを選ばないシリーズです。
    ③ハードウェア構成がとてもシンプルです。
    ④プログラムレスで簡単設定です。
    ⑤コストパフォーマンスに優れています。

門真市のご紹介

門真市は、大阪府の北東部に位置し、東西が約4.9km、面積が約12.3km²、人口約12万人のまちです。「東和薬品RACTABドーム 」には体育館やプール、スケートリンクなどがあり、フィギュアスケートの大会やショーには世界中から大勢の人が集まるなど、年間で約50万人が利用しています。また、門真運転免許試験場があり、毎日多くの人が申請などのため訪れています。 そんな門真市は「くらし」、「子育て」、「おでかけ」にちょうどいいまちです。
「くらしにちょうどいい」
門真市は、市域が比較的小さくまとまり、大きな起伏がなく、平坦な土地であることが特徴です。このため、高齢者や障がいのある人などにとっても暮らしやすく、市内や本市の周辺に行くときも、車を利用せずに徒歩や自転車、公共交通機関を利用することで、便利で快適に暮らすことができます。
「子育てにちょうどいい」
妊娠期から子育て期までワンストップで相談できる子育て世代包括支援センター「ひよこテラス」が2019年度にスタートし、妊娠の届出をしたときや産後には皆さんにお話をきき、妊娠や出産、子育てに関する不安をやわらげ、必要な支援を行っています。地域子育て支援センター「ひよこる~む」では、雨の日でも子どもを遊ばせることができるうえ、子育てのちょっとした不安を保育士に気軽に相談することができます。
全国で1万6000人以上いると言われている待機児童。門真市では保育事業所の開設や保育士確保策により待機児童ゼロを実現しています(2020年4月1日時点)。さらに、本市は18歳まで子どもの医療費を助成しています。大阪府内トップクラスの助成制度で、お金のことを心配せず必要なときに病院につれていくことができます。
「おでかけにちょうどいい」
門真市には京阪電車の西三荘駅、門真市駅、古川橋駅、大和田駅、萱島駅、大阪メトロ長堀鶴見緑地線の門真南駅、大阪モノレールの門真市駅と、コンパクトなエリアに7つもの駅があります。さらに、2029年に予定されている大阪モノレールの延伸で、JR学研都市線、近鉄けいはんな線、近鉄奈良線へも乗換えができるようになります。
また、近畿自動車道と第二京阪道路という2つの高速道路が通っています。すでに、大阪市だけでなく京都市や大阪国際空港(伊丹空港)にも行き来しやすいまちですが、今後、交通の利便性はますます向上します。

門真市 環境水道部

本システムについての照会先:
(株)エム·システム技研 カスタマセンター システム技術グループ
TEL:06-6659-8200


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