エムエスツデー 2020年7月号

お客様訪問記

Webロガー2(形式:DL30)で異なる2つのシステムを
タブレットで遠隔監視・操作できるようになりました

Webロガー2(形式:DL30)】を用いて
配電盤工場の【IoT化】に成功!

(株)エム・システム技研 システム技術グループ

今回は、石川県白山(はくさん)市に(株)別川製作所を訪問しました。配電盤・制御盤・分電盤の製造現場の様々な課題を現場設置形データロガー「Webロガー2(形式:DL30)」を用いて解決された仕組みについて中村様と前川様からお話を伺いました。

わざわざ発電機のところに行かなくてもタブレットから起動

[エム・システム技研、以下エムと略称]システムの概要や構成についてお教えください。

[中村様]弊社では、常に製造現場での作業の効率化や改善を検討しています。今回、作業の効率化を実現したシステムを2件ご紹介します。1つ目のシステムは「50Hz発電機遠隔起動装置」です。本社がある白山市では、電力会社から周波数60Hzの電力が供給されています。しかし、納入制御盤をご使用になるエリアの電力会社で周波数が50Hzの場合には、周波数50Hz用の発電機から盤に電源を供給して試験を行う必要があります。「50Hz発電機遠隔起動装置」はWebロガー2リモートI/O R7シリーズ(形式:R7E)を組合せて構成しています。作業者は、無線LANを利用して社内のネットワークに接続できるタブレットをもっています。発電機電源で試験を行う際には、タブレットからWebロガー2の画面に表示されたスイッチを操作してリモートI/Oからの接点出力で発電機を起動します。発電機が起動したことを確認し、発電機専用の50Hz用コンセント(写真4)から試験対象盤に電源を投入します。つまり、作業者はわざわざ発電機のところに行かなくても対象盤の前にいながら起動することができます。
2つ目のシステムは「導通試験装置」です。盤製作時の試験項目の中に導通試験があります。導通試験の目的のひとつに盤外部の監視装置や現場盤との信号入出力が正常であるかの配線確認があります。「導通試験装置」もWebロガー2リモートI/Oを組合せて構成しています。導通試験を行う際には、盤の外部接続端子とリモートI/Oを結線します。Webロガー2の画面から操作してリモートI/Oから盤に出力して動作するかどうか確認します。また逆に対象盤からのスイッチ操作で出力操作を行い、リモートI/Oに正しく入力できれば、Webロガー2の画面の中のランプが点灯します。このシステムでは、入力16点と出力16点をタブレットで確認ができるようになっています。

発電機の使用状況を「見える化」

[エム]今回、エム・システム技研の製品をお選びいただいた理由は何でしょうか?

[中村様]代理店の(株)ジェスクホリウチ様にWebロガー2をご紹介いただいたときに、複数の作業者がWebロガー2にタブレットからアクセスして使用状況を表示できること、Webサーバの画面を専用の作画ソフト(形式:DL30 Web Designer(*)で自由に作画できることが気に入って、「50Hz発電機遠隔起動装置」を発案しました。また、それだけではWebロガー2の機能を考えるともったいないと思い、「導通試験装置」としても利用することを考えました。そして、何よりも機器の価格が非常に安価であることが選定の理由です。

[エム]導入後、運用してのご感想はいかがですか?

[前川様]まず、「50Hz発電機遠隔起動装置」を運用して改善されたことは2つあります。1つは広い工場内を移動しなくても発電機の電源を入れられるようになったことです。もう1つは、現在、誰が発電機を使用しているかを「見える化」できたことです。これにより、試験中に誤って他の人が発電機を停止したり、試験後に発電機を停止することを忘れたりすることがなくなりました。今までの「導通試験装置」では、1点だけ確認ができる小型の機器(写真1)と多点数の確認ができるが大型の機器(写真2)を運用しておりました。今回、装置が小型(写真3)になったことで大型の機器を検査の度に倉庫から取出してもってくる労力から解放されました。

写真1  導通検査機器 旧1対1
写真1 
導通検査機器 旧1対1
写真2 導通検査機器 旧多点数
写真2 
導通検査機器 旧多点数

写真3 導通検査機器 リモートI/O
写真3 
導通検査機器 リモートI/O
写真4 50Hz用コンセント
写真4 
50Hz用コンセント

[エム]今後の予定などをお聞かせください。

[前川様]今後は、工場の試験環境(温湿度)を試験成績書に記載する仕組みを自動化できるように改善していきたいと考えています。また、現在の効率化された試験の状況やシステムを盤の立会検査のため来社されるお客さまにもお見せしていきたいと思っています。別川製作所は「トータル・システム・ソリューション」のご提案も行います。今回採用したWebロガー2をお客様にも紹介していきたいと思います。

Webロガー2(形式:DL30)で異なる2つのシステムをタブレットで遠隔監視・操作できるようになりました。
Webロガー2(形式:DL30)で異なる2つのシステムをタブレットで遠隔監視・操作できるようになりました。
拡大図

[エム]本日はお忙しい中ありがとうございました。今後とも、エム・システム技研をよろしくお願いします。

採用された製品のご紹介

  • 現場設置形データロガー
    Webロガー2

    DL30

    形式 DL30

    Web画面による遠隔監視機能、データロギング機能、イベント通報機能に加え帳票の作成機能などを備えた現場設置形のデータロガーです。

  • リモートI/O
    R7シリーズ

    R7E

    形式 R7E

    通信部、電源部、入出力部が一体となった手のひらサイズの経済的なリモートI/Oです。

(*) Webロガー2専用 作画ソフトウェア(形式:DL30 Web Designer)は、エム・システム技研ホームページから無料でダウンロードできます。

(株)別川製作所のご紹介

イー・マイスター

(株)別川製作所は、石川県白山市に本社を置き1952年(昭和27年)の創業以来、配電盤メーカーとして、配電・制御・分電・監視盤の生産を行っており、全国のPA(Process Automation)、FA(Factory Automation)、BA(Building Automation)設備などに納入しています。盤製作だけでなくプラントの監視制御、電力・空調の省エネ監視、情報通信ネットワーク構築など、システムの提案、立ち上げ、メンテナンスまで一貫して行い、数多くの現場に納入実績があります。
配制事業:商業ビルや工場、学校、病院といった各種施設に効率的に電気を供給できる様、施設の用途や様々な制約に合わせて最適な設備を提供します。
システム事業:工場やビルなどの監視制御において、豊富な経験を基にお客様にとって最適なシステムをワンストップで提供します。
WEB対応施設運用支援システムであるe'Meister(イー・マイスター)は、リモートI/Oやマルチメータといった機器からさまざまなデータを収集し、一括管理することで、施設運用を合理化・省力化します。オンプレミスやクラウド等、お客様にとって最適なシステムをご提案します。

(株)別川製作所
(株)別川製作所

本システムについての照会先:
(株)別川製作所 別川クリエイティブセンター
〒924-0838 石川県白山市八束穂1丁目5番地
TEL:076-274-5901  FAX: 076-274-5919
営業本部 クリエイティブセンター 営業技術 中村尚道



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