エムエスツデー 2017年1月号

アプリケーション紹介

こんな変換器ご存じですか (その4)

機 種 いろいろな抵抗出力形変換器 形 式 CVR1CVRTDM2RR

 温度や、フロート式流量計のフロート位置などの物理量を測定する場合、それらの値に対応した電気抵抗の値(電気信号)に変換して測定する手法がよく用いられます。
 計装分野での温度測定は、熱電対の起動力を利用する方法と測温抵抗体の温度変化に対応した抵抗値を電気信号に変換して測定する方法が多く、測温抵抗体としては主に白金測温抵抗体が用いられ、日本工業規格JIS C1604で規格化されているPt10ΩとPt100Ωの測温抵抗体が多用されていますが、そのほかにも、Pt50Ω、Pt500Ω、Pt1000Ω、Pt3000Ω、Pt10000Ωなどの測温抵抗体が市販されていて、それぞれの用途に応じて使用されています。
 フロート式流量計のフロート位置や、バルブの開度などの位置情報は、それらに連動して動作するポテンショメータ機構による抵抗値変化を電気信号に変換して位置を測定します。
 エム・システム技研では、プラグイン形変換器ラック形変換器など各シリーズの変換器に、抵抗入力形変換器として「測温抵抗体変換器」および「ポテンショメータ変換器」を取り揃えています。
 今回はエム・システム技研ならではの抵抗出力形変換器をご紹介します。

1.直流ポテンショメータ変換器(形式:CVR1

 直流ポテンショメータ変換器は、4~20mA DCや1~5V DCなどの計装用統一信号を入力として、それに対応したポテンショメータ機構の抵抗値変化を出力する変換器です。プラグイン形変換器の内部に入力信号に連動して動作するモータがあり、そのモータで直接ポテンショメータの軸を回転させて抵抗値信号を出力します。
 用途としては、既存の135Ωのポテンショメータ入力で動作する電動のバルブ操作器を、4~20mA DCなどの電気信号で操作したい場合などに好適です。また、現場に設置されている可変抵抗器のつまみで設定するインバータ装置を、4~20mA DC信号でリモート操作したい場合などにも利用できます。

直流ポテンショメータ変換器 図

2.測温抵抗体出力変換器(形式:CVRTD

 測温抵抗体出力変換器は、4~20mA DCや1~5V DCなどの統一信号を入力して、それに対応した測温抵抗体の抵抗値信号を出力する変換器です。出力抵抗値はPt100Ωの測温抵抗体の抵抗値が標準ですが、約15~400Ωの範囲であれば、ご指定の抵抗値でも製作できます。
 用途としては、現場で測温抵抗体と記録計の組合せで計測していた温度を上位コンピュータに取込みたいが、既設の現場記録計でも今までどおり計測したいという場合や、1つの測温抵抗体で2台の測温抵抗体入力計器を動作させたい場合などに利用できます。

測温抵抗体出力変換器 図

 CVRTDの出力信号 出力コード1:JPt100Ω(JIS'89)相当抵抗値
出力コード3:Pt100Ω(JIS'89)相当抵抗値
出力コード4:Pt100Ω(JIS'97、IEC)相当抵抗値

3.抵抗/抵抗変換器(形式:M2RR

 抵抗/抵抗変換器は、測温抵抗体などの抵抗値を入力とし、入力抵抗値のn倍の抵抗値を出力する変換器です。入力抵抗範囲は40Ω~5kΩ、出力抵抗範囲は80Ω~10kΩです。
 nの値は2、5、10が標準ですが、それ以外のお客様のご指定の値でも製作できます(ただしnの値は1.2以上)。
 既設に白金測温抵抗体Pt500ΩやPt3000Ω入力の計器があり、測温抵抗体のみJIS標準のPt50ΩをPt100Ωに替えたい場合などに、抵抗/抵抗変換器を挿入することによって、既設計器(調節計、記録計など)をそのまま利用することができます。

抵抗/抵抗変換器 図

 これらの特殊な変換器は、お客様からエム・システム技研カスタマセンターに直接いただいたご意見、お問合せから製品化した変換器です。「こんな変換器はないか?」、「こんな変換器がほしい」という場合には、お気軽にエム・システム技研カスタマセンターまでご連絡ください。

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エム・システム技研カスタマセンター フリーダイヤル 0120-18-6321


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