エムエスツデー 2016年1月号

アプリケーション紹介

安川情報システム(株)様による、データマル®を利用したM2M・ビッグデータ分析技術の活用システム

機械学習で現場のノウハウを定式化

対象 浄水場における薬剤注入ガイダンス 機 種 データマル® DL8シリーズ

ビッグデータ分析を活用するシステムにおける
薬剤注入ガイダンスをご紹介します。

■ 薬剤注入ガイダンス開発背景と導入のメリット

浄水場では、水の浄化・消毒に数種類の薬剤を使用しています。しかし現状では、これらの薬剤の注入量は、熟練者の勘と経験に基づいて調整されています。そこで、過去の運用実績データから水質と薬剤注入量の関係をモデル化し、未来の注入量を予測することで、熟練者のノウハウを定式化することを目指しました。予測値をガイダンス表示することにより、熟練した経験がなくても運用が可能になり、属人化を解消できるとともに、薬剤の過剰および過少投入を抑制します。

■ 薬剤注入ガイダンスの特徴

従来の技術では、薬剤注入量の決定は流入する水の濁度などに比例させる比例注入器、もしくは、ジャーテストと呼ばれる水質に対する薬剤の注入量を実験で算定する手法にて予測しており、最適な注入量を算定するには、経験とノウハウ、および多大な時間を要していました。

この薬剤注入ガイダンスでは、過去の運用実績をコンピュータに学習させることにより、その浄水場の過去の運用をモデル化します。これにより1時間後の注入量を予測させることができるため、浄水場の構造や規模に関係なく適用でき、結果、職員が少なくなる夜間・休日や、民間委託が進んだ場合でも、運用のノウハウを継承させることが可能となります。

現場の課題と解決策
現場の課題と解決策 [拡大図

■ システム構成例

浄水場の運用においては、各種センサ機器からのアナログ信号をテレメータやPLCで集約し、SCADAソフトによるHMIで表示・操作しています。ビッグデータ分析ではセンシング値を速やかにクラウドサーバの分析エンジンで分析する必要があるため、既存設備に影響をあたえないアイソレータリモートI/O、およびデータマル®を活用して、クラウドサーバへデータを送信します。

■ 主な特徴

  • 既存の設備に、薬剤注入ガイダンスを後付けで導入可能
  • 浄水場に既設の多種のセンサに対応したビッグデータ分析と機械学習
  • 各センサ間の関連や個々のセンサの予測に対する寄与度等は、コンピュータが自動学習するので、導入時の設定が容易
  • クラウドにある専用薬剤注入ガイダンスの活用によって、短期間に安価で導入可能

• 本薬剤注入ガイダンスは安川情報システム(株)クラウドサービス「MMCloud」から提供されます。

システム構成例
システム構成例 [拡大図

安川情報システム(株)
お問合せ先 マーケティング本部
メールアドレス:gm2m_sales@ysknet.co.jp 電話:03-6865-8900

• 本記事は安川情報システム(株)様のご寄稿をもとに作成しました。


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