エムエスツデー 2012年1月号

アプリケーション紹介

トンネル建設現場のテレメータシステム」

業界 社会インフラ 採用機種 多目的テレメータ「D3シリーズ」
SCADALINX HMIパッケージソフトウェア

設備概要

排水路

設備名:濁水処理設備

 ここでご紹介する濁水処理設備とは、トンネルの建設現場などの工事現場で発生する排水(濁水)から汚泥を除去し、pH値や水質(濁度)を生活排水レベル並に調えて、一般の排水路に流せるようにするための設備のことを指します。

 この設備には、基本的な構成要素として排水を貯留するタンクがあり、そこに流入した汚泥を含む排水に特殊な薬液(凝集沈殿剤)を混ぜて汚泥成分だけを凝集し、水と分離させる仕組みをもっています。汚泥成分は重いためにタンクの下部に沈降するため、それを抜き出して粘土化する装置が付属するのが普通です。

 汚泥成分が除去された排水のpHが極端に酸性またはアルカリ性に片寄る場合は、付属の調整装置(pH処理装置)で中和してから排水路に放流します。

遠隔監視システムの目的

濁度、pH、流量、タンクレベルなどの測定、およびタンクレベル異常警報などの監視

トンネル

 濁水処理設備の監視項目としては、濁度、pH、流量、タンクレベルなどの測定値(アナログ信号)が数点あるほか、タンクレベル異常警報などのステータス信号も数点あります。そして、これらの項目を現場から離れた管理センターで監視するために信号を電話回線を利用して伝送するテレメータ、および伝送された信号をパソコン上で監視するための監視 操作ソフトウェアによって遠隔監視システムが構成されます。

 通常、1箇所の監視センターで数箇所の現場を集中監視します。

システム構成例

1対nで構成されたテレメータ

 エム・システム技研の多目的テレメータ「D3シリーズ」は、親局と子局が1対1対応のテレメータはもちろんのこと、1対 n 対応のテレメータにも適用されています。また、通信媒体としては、アナログの一般公衆回線や専用回線、私設線、光ファイバ、無線など様々な種類に対応が可能です。

 本例のシステムは、1対nで構成されたテレメータであり、通信媒体としてはNTTの専用回線を採用しています。親局側は上位通信カード(形式:D3-NE2)を経由してパソコン(サーバ)にEthernetで接続され(通信プロトコル:Modbus/TCP)、n箇所の子局からの現場データを1台のサーバで収集しています。

 パソコンには監視 操作ソフトウェアSCADALINX HMI パッケージ(形式:SSDLX-V3)が搭載されています。

 SCADALINX HMI は、ユーザーの設計による自由な監視・操作システムを構築するためのパッケージソフトウェアです。システムはサーバ/クライアント方式で構成され、Webブラウザ(Internet Explorer)による画面表示も可能です。

 トレンド、アラームサマリ、制御グループ、グラフィックなどの各種画面があらかじめ用意されているため、システム構築がたいへん容易です。

システム構成例

採用機種
多目的テレメータ「D3シリーズ」、
SCADALINX HMI パッケージ(形式:SSDLX-V3)

採用機種  Webロガー TL2W、M5・UNIT、避雷器 テレメータD3シリーズ (株)エム・システム技研Webサイト SCADALINX HMI パッケージ(形式:SSDLX-V3)

SCADALINX は、エム・システム技研の登録商標です。


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