エムエスツデー 2010年1月号

ごあいさつ

(株)エム・システム技研 代表取締役会長 宮道 繁

(株)エム・システム技研 代表取締役会長 宮道 繁

 あけましておめでとうございます。

 2010年の幕開けに際しまして、従来月刊誌として発行を続けて参りました『エムエスツデー』の体裁を改め、美しくて見易いカラーのタブロイドサイズに化粧直しをいたしました。そして、あまねくユーザーの皆様方のお手元に、メール便でお届けできるように工夫をこらしました。なお、発行は、季刊誌として年4回となりますことをお知らせします。

信貴山 朝護孫寺にある張り子の大寅

 2009年は、リーマンショックの結果が世界中に及び、各国が失業対策に頭をかかえる状況になっていました。
 「不都合な真実」を著した、元米国副大統領のアル・ゴア氏が提唱した地球温暖化問題は、科学的根拠が乏しいとの批判をあびながらもCO2対策に世界が動き出しました。それは、新しい産業を創出する必要性を世界各国の要人が承知しているからではないかと思われます。
 アメリカには“Yes We Can”を合言葉に、オバマ大統領が現れました。そしてジョージ・W・ブッシュ大統領とは正反対の「脱石油」をかかげて、「グリーン・ニューディール政策」を打ち上げています。

 2009年10月25日に放映された「NHKスペシャル」自動車革命の第2回「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち」には、世界中が電気自動車の開発に熱を上げている様が画かれていました。
 曰く、「電気自動車にはエンジンが要らない」がキーワードになっていました。駆動部はモータとバッテリであり、高度な機械技術と生産技術でエンジンを製造し世界を支配してきた自動車メーカーに対し、ガレージメーカーが対抗できるチャンスと認識したベンチャービジネスが立ち上っている姿が衝撃的でした。そしてシリコンバレーのアメリカを始め、中国やインドなど各国にまで、スモール・ハンドレッドが渦巻いている様子を伝えていました。
 日本でも、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの開発競争が激しさを増しています。その結果として、車社会全体が大きく変わるのかも知れません。

 もう一つの柱として注目されるのが、省エネルギーではないでしょうか。日本では平成22年度から改正省エネ法が施行され、ほとんどの事業所はエネルギー使用量の管理と報告が義務づけられます。そのために、エネルギー使用量の計測とその管理のための設備投資が発生するものと思われます。
 これらの新しい動きに対し、エム・システム技研では、その改正省エネ法に基づく電流、電圧、電力など、必要事項の計測に要求される仕様を満足する表示器、変換器、リモートI/Oの開発を完了し、販売に力を入れているところです。そしてその効果はすでに現れはじめています。現実の問題として、これらの新しい動きや、エコポイント制による消費の刺激で、いくぶんかは景気が持ち直すように見える部分もありますが、リーマンショックで失われた金融資産は、日本に発生したバブル経済崩壊によって失われたものの10倍にも及ぶといわれ、本質的にはこの世界同時不況は容易には抜け出せないものと思われます。
 でも「不況は即ち悪」というわけではないと思います。私たち企業が本当に社会にとって役に立っているかどうかを見極めて、選別しようとしているのが不況の一面でもあるのではないでしょうか。
 時代が移り、技術革新が進む中で、企業は市場獲得合戦を展開し、弱体化した企業は大企業に吸収合併されたり、廃業したりすることで、新しい企業の誕生物語へと引き継がれてゆきます。
 私たちの身のまわりでは、総合電機メーカーをはじめ多くの企業が、生き残りをかけて事業の選択と集中を進めているものと思われます。

百舌鳥八幡宮の古式弓道式

門松イラスト

 エム・システム技研は、創業以来アナログ技術とオープンネットワーク技術に磨きをかけてきました。計装に必要な機能を具現化し、単体商品にまとめて生産して参りました。
 創業以来38年、品質・性能を追求し、すべての製品を流通在庫がまったく要らない、受注即生産による短納期体制を敷いて参りました。
 その上「ひとたび出荷を開始した製品は、生産中止することなく供給し続ける」ことを実行して参りました。
 その結果、大手企業の「選択と集中」から漏れた機能製品の受け皿会社として、ユーザー各位から頼りにしていただけるようになってきていることを実感しています。

 エム・システム技研は、このようにして守ってきた企業理念に磨きをかけて参ります。新しい「MST」(エムエスツデー)の発行も、今後とぎれることなく続けて参りますので、引き続きご愛読いただきたく、よろしくお願い申しあげます。

(2009年12月)


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