エムエスツデー 2008年2月号

PCレコーダの納入実例 No.29
No.29

ある動物研究所で温湿度監視用として採用された、
入出力機器分離形
チャートレス記録計(形式:73VR1100)

 今回は、ある動物研究所で温湿度監視のために採用された、入出力機器分離形チャートレス記録計(形式:73VR1100を中心とするシステムについてご紹介します。

 73VR1100は入出力ユニットと記録計本体が分離したチャートレス記録計です。リモートI/O R3シリーズリモートI/O R7シリーズ電力マルチメータなど様々なリモートI/Oとの間をModbus RS-485(15台接続可能)またはEthernet(2ステーション)などの通信ラインで接続でき、最大128点までに対応してデータを収録できます。

 今回は、入出力ユニットについては、コスト面と今後の点数増加の可能性を考慮して、リモートI/O R3シリーズをご採用いただきました。以下に挙げるR3シリーズ用カードを実装することによって、湿度11点、温度16点、アラーム出力16点、コメント入力用接点16点をチャートレス記録計に取り込みました。
  絶縁8点直流電流入力カード(形式:R3-SS8 1枚
  絶縁4点直流電流入力カード(形式:R3-SS4 1枚 
  絶縁8点熱電対入力カード(形式:R3-TS8 2枚
  Di16点接点入力カード(形式:R3-DA16 1枚
  Do16点接点出力カード(形式:R3-DC16 1枚
  Modbus/TCP(Ethernet)用通信カード(形式:R3-NE1
  電源カード(形式:R3-PS1

図1 システム構成図

 コメント入力機能を利用してトレンド画面上にコメントを自動挿入するために、チャートレス記録計で温度の上限異常値を設定してその異常を検出・出力し、接点入力カードに取り込み、この信号をトリガとしてコメントを自動挿入しています(図1)。

図2 コメント入力機能とは、あらかじめ設定したコメントを入力条件に対応して自動入力したり、手動入力できる機能です。トレンド画面上にコメントを挿入することによって、過去のデータを解析する際にも一目でアラームの発生がわかると高い評価をいただいています。

 入力したコメントについては、コメント履歴画面で履歴リストとして確認することもできます。リストのコメント履歴を選択することによって、該当する過去のデータにジャンプすることも可能です(図2)。

 今回は現場での監視だけですが、将来、パソコンで監視したいというご要望もあります。73VR1100は、上位通信機能として、オープンネットワーク Modbus/TCP の Ethernet ポートを標準装備しているため、上位のパソコンでリアルタイムにモニタできることもご要望と一致しました。

 上位パソコンでは、研究所のレイアウト図などのユーザーズグラフィック画面を使って監視したいとのご要望もあり、エム・システム技研のHMIソフトウェアSCADALINXpro(スキャダリンクス プロ)(形式:SSPRO4を採用して、監視を実現される予定です。

SCADALINXは、(株)エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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