エムエスツデー 2008年1月号

PCレコーダの納入実例
No.28

冷凍食品倉庫の電力監視に採用された
電力マルチメータ(54U)と
PCレコーダソフトウェアMSR128LU□

  今回は、冷凍食品倉庫の電力監視に採用されたPCレコーダの納入事例をご紹介します。

図1 電力マルチメータ(形式:54U)

 このシステムをご採用いただいたお客様は、冷凍食品の委託管理を請け負われている会社で、ご担当の方が敷地内の冷凍倉庫を1日に数回見回って管理されていました。このたび、設備の老朽化が進んだことを機に設備の更新を実施することが決定し、エム・システム技研からシステム構成をご提案させていただくことになりました。その際、『既設の盤はそのまま使いたい』、『事務所に設置したパソコンで集中監視したい』、『従来使っていた指示計器と同様、現場でも一目で状態がわかるようにしたい』、『できるかぎりコストは抑えたい』といった様々なご要望をいただきました。

 そこで、お客様のご要望に基づいて検討・提案したシステム構成が、PCレコーダMSR128LU□電力マルチメータ(形式:54Uからなるシステムです(図1)

図2 赤外線通信

 まず、電力マルチメータ54U)は、1台で様々な電力関係項目を計測できます。54U本体はJIS C 1103準拠の110角計器サイズで、同規格による寸法でカットされている盤に設置する場合には、特別な加工を行わず取付け可能です。設定については、前面の操作スイッチでパラメータを変更できるほか、専用のコンフィギュレータソフトウェア53UCFGを用いて、パソコンで設定した内容を本体にダウンロードすることができます。とくにパソコン画面での設定はわかりやすく、誰でも簡単に作業ができ、設定内容をデータとして保管しておけば、万一誤って設定内容を消してしまった場合や、機器を交換する際にもスムーズに復旧作業が行えます。また、この電力マルチメータ54U)では、アップロード・ダウンロードを行う際のパソコンと本体の接続に赤外線通信を採用しました。赤外線の届く範囲にパソコンをもっていくだけで、電力マルチメータと赤外線通信で接続することができるため(図2)、わずらわしいケーブル接続の必要はなく大変便利です注)

図3 システム構成図

 なお、パソコンからのモニタリングに利用するソフトウェアが、電力マルチメータPCレコーダライトソフトウェア(形式:MSR128LU□)です。MSR128LU□は、エム・システム技研のホームページから無料でダウンロードしてお使いいただけるソフトウェアであり、電力マルチメータの各種計測値や演算値の表示と記録が行えます。電力マルチメータ54U)との接続はModbus (RS-485)で行い、最大31台まで接続できます。Modbus(RS-485)は総延長500mまで通信できるため、電力マルチメータ54U)の設置場所とパソコンの設置場所が離れている場合も、通信線1本で遠隔監視が行えます(図3)。また、収録データはCSV形式のファイルとして保存されるため、Excelなどの表計算ソフトウェアで帳票を作成したい場合にも、収録データをそのまま利用できます。

 予算面も含めてお客様のご要求をすべて実現するシステムをご提案でき、ご採用いただきました。

注)54U とパソコンとを赤外線通信するには、コンフィギュレータ用 赤外線通信アダプタ(形式:COP-IRUが必要です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


ページトップへ戻る