エムエスツデー 2006年9月号

Interface & Network News 2
No.5

MSRproに追加された電力監視用ソフトウェアMSReco
− MSRecoを使用した電力監視システム −

 今回は、PCレコーダのアプリケーション事例として、2048チャネル対応クライアント/サーバ形PCレコーダソフトウェアMSRproバージョン4(形式:MSR2K-V4)に標準機能として追加された、電力監視用ソフトウェア「MSReco」を使用して構築する電力監視システムをご紹介します。

電力監視用ソフトウェアMSReco

 電力監視用ソフトウェアMSRecoは、リモートI/O R3シリーズと組み合わせて各電力系統の使用電力量を計測・監視するためのソフトウェアです。パソコンでは、MSRproのサーバソフトウェアでデータ収録を行い、監視ソフトウェアとしてはMSRecoを使用します。

  MSRecoでは、簡単な設定だけで稼働するデマンド監視画面(図1)や電力監視画面(図2)を用意しています。

 また、MSRpro-Clientと併用できるため、リアルタイムデータやユーザグラフィック画面については、MSRpro-Clientの画面と組み合わせて使用することによって、よりわかりやすい表示が可能です。

図1 デマンド監視画面

図2 電力監視画面

 また、MSRecoは、サーバ/クライアントの構成をとっており、同一ネットワーク上であれば、どこからでも最大4台までのクライアントから監視できます。

リモートI/O R3シリーズ

図3 クランプ式交流電流センサ

 受電電力の積算パルス信号および各系統ごとの電力量信号の取り込みは、リモートI/O R3シリーズに各信号に対応する入力カードを装着することによって可能です。パルス信号の取り込みには積算パルス入力カード(形式:R3-PA□、電力量の取り込みには電力入力カード(形式:R3-WT4を使用します。電力入力カードとしてクランプセンサ形電力入力カード(形式:R3-WT4AまたはR3-WT4B)を使用すれば、活線状態のままでの取り付けが可能になり、工事を簡単に行うことができます。

 MSRecoを使って、設備別、生産品目別など細かい系統ごとに電力の使用状況を監視し、得られたデータを解析することによって、運転パターンの変更や生産方法の見直しを行い、電力使用量削減に結びつけることができます。

 2006年4月1日から施行された改正省エネ法によって、工場・事業場における熱と電気の区分が廃止され、熱電一体で管理することになりました。

 今後、従来の第一種、第二種エネルギー管理指定工場以外の民間工場やオフィスビルなどの業務用部門についても、電力をはじめとするエネルギー管理についての重要性が増加するものと見込まれます。

 電力監視用ソフトウェアMSRecoリモートI/O R3シリーズから構成された電力監視システムを使用すれば、このような需要に応え、コストパフォーマンスが極めて高いエネルギー管理システムを構築することが可能です。

図4 システム構成例

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


ページトップへ戻る