エムエスツデー 2006年9月号

PCレコーダの納入実例
No.13

配水場の記録管理に採用された
PCレコーダソフトウェアMSRpro(エムエスアールプロ)

 PCレコーダの納入実例として、今回は、ある水道局の配水場に納入されたクライアント/サーバ形PCレコーダソフトウェア MSRpro(形式:MSR2K-V3表1)についてご紹介します。

表1 MSRpro(形式:MSRK-V3)のソフトウェア構成
ビルダソフトウェア
MSR2K-B
サーバソフトウェア
MSR2K-S
クライアント/アナライザソフトウェア
MSR2K-C
帳票作成ソフトウェア
MSR2K-CR

 この配水場には従来記録装置がなく、データの記録や帳票の作成を手書きで行っていたため、パソコンを使って安価にデータ記録や帳票作成ができる装置を導入したいとのご要望がありました。

 記録の対象となるデータは配水流量、配水池水位、残留塩素濃度、濁度などの計測信号です。

 今回MSRproをご採用いただいたポイントは下記の3点でした。

 (1) 同時に4箇所のパソコンでデータの監視が可能

 (2)帳票作成機能があり、また帳票データはCSVファイルとして出力が可能

 (3)2つの流量信号を合計するなど、ソフトウェアによって演算が可能

 サーバ用パソコンにはサーバソフトウェアMSR2K-S)を、監視用パソコンにはクライアント/アナライザソフトウェアMSR2K-C)をインストールします。現場にあるサーバ用パソコンとクライアント用パソコンをEthernetケーブルで接続することにより、同時に4台のクライアント用パソコンからリアルタイムでの監視が可能になります。

 また、サーバ用パソコンに保存したデータを取得してCSVファイルに変換することも可能です。データ入力用機器としてはリモートI/O(R3シリーズ)をご採用いただきました。

 図1に記録管理システム全体の構成図を示します。

図1 システム構成図

 流量計などから出力される信号(DC4~20mA)の取り込みには、直流電流入力カード(形式:R3-SS8Sを使用しました。取り込んだ信号をそのままペンに割り付けて、トレンド画面などに実量表示できることはもちろんですが、入力信号を使って演算を行い、その結果をペンに割り付けることも可能です。この機能を使用して、2台の流量計からの信号を合計しグラフ表示しています。

 流量計からのパルス信号の取り込みには、積算パルス入力カード(形式:R3-PA16Sを使用しました。MSRproは帳票機能をもっていますから帳票作成ソフトウェアMSR2K-CR)をインストールすれば帳票が作成できます。日報には、瞬時値以外に1時間あたりの平均値、最大値、最小値も表示可能です。

 さらに、1日の最大値、最小値、平均値を計算して帳票に表示します。日報、月報、年報の帳票には既定のフォーマットを使用しますが、日付や天候、印鑑欄を1ページ目に印刷することが可能です(図2)。

 また、ポンプの運転/停止、故障の状態についても同じ記録画面で確認したいとのご要望があるため、運転・故障の接点信号を取り込んで履歴表示ができるように接点入力カード(形式:R3-DA16Sを追加しました。

 履歴画面では、ビルダで設定した異常の発生/復帰、機器運転/停止などの内容が、発生した順にタイムスタンプをつけて表示されます。表示された事象には未確認/確認済みのチェックが可能です。

 以上の説明でお分かりのとおり、MSRproを使用することによって、パソコンを主体とする安価な監視システムの構築が可能です。

図2 印刷フォーマット例

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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