エムエスツデー 2006年8月号

PCレコーダの納入実例
No.12

入力カード選択形 チャートレス記録計によるポンプ場監視

図1 73VR3000の外観と寸法

 今回は、PCレコーダのファミリのひとつである入力カード選択形チャートレス記録計(形式:73VR3000図1)が、ポンプ場の監視に採用された例をご紹介します。

 はじめに73VR3000の機能を簡単にご説明します。

 入力カード選択形チャートレス記録計とは、73VR3000本体にリモートI/O R3シリーズのI/Oカードを最大4枚まで装着できる構造になっています。ご要望に対応して必要な種類と点数のカードを選択して実装するため、むだがなく経済的です。

 今回ご採用いただいたお客様は、ポンプ場の状態管理のために、従来はチャート紙式記録計を設置しておられました。

 雨水対策のポンプ場であるため、普段はポンプの運転状況と水位の変化を単に記録されているだけですが、雨が降った場合には、刻々と変化する水位の状態をチャート紙上で確認しています。したがって、73VR3000を導入することによって常時履歴を残し、記録をデータで保管することに加えて、大雨が降ったときとその前後のデータについては、パソコンでトレンドデータを見たり、Excelファイルで具体的な数値も確認したいというご要望がありました。

図2

 通常は73VR3000を単体で動かし、大雨が予想されるときは、図2に示すシステムのようにパソコンと73VR3000をEthernetケーブルでつなぎ、パソコンで変化を確認します。パソコンで記録波形を見る際は、73VR3000に付属している解析ソフト(形式:73VRWV)を使い、日時を指定して、CFカードからEthernetケーブル経由でデータを取得します(図3)。

 さらに、波形をCSVデータに変換し、大雨のときのデータとして管理しています。

 従来、チャート紙式記録計でチャート紙に書かれていたデータは、73VR3000では本体に差し込まれたCFカードに記録されます。さらに、73VR3000はすでに発売中のチャートレス記録計本体(形式:73ET74ET75ET)とは異なり、データ収録中にもCFカードを取り出すことが可能になりました。CFカードが取り出されている間、収録データは本体の内部メモリに蓄積されます(CFカードの抜き取り可能時間は5分間です)。新しいCFカードを挿入すると、内部メモリのデータは自動的にCFカードにコピーされ、収録中でのCFカード交換が完了します。つまり、CFカードのデータ使用量が一杯になり、CFカードを交換するときも、データ欠落することなく連続記録が可能です。

 これらの点をご評価いただき、今回ご採用いただきました。

図3 73VRWVの使用による表示画面例

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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