エムエスツデー 2005年9月号

PCレコーダの納入実例
No.6

テレメータ経由で収集したデータを記録する
遠隔監視・記録システム

 今回は、水道局で採用された、テレメータとPCレコーダを組み合わせた水質監視システムの事例をご紹介します。

 水道局では、安全でおいしい水を安定供給するために、各給水末端で水質測定を行っています。各現場の水質測定装置で収集したデータ(色度、濁度、残留塩素濃度、水圧)をテレメータで浄水場へ伝送し、パソコンの画面で一括監視するとともに、帳票(日報・月報・年報)を印刷しています。さらに、水質データと合わせて水質測定装置の装置異常や通信異常なども監視しています。

 今回のシステムでは、パソコンでの監視にグラフィック画面までの機能は必要としないため、いわゆるSCADAソフトではなく、設定も比較的簡単で安価なPCレコーダソフト(MSR128)と帳票作成支援ソフト(MSRDB2)を監視ソフトとして採用しました。またテレメータとしては、イージーテレメータ(D5シリーズ)を採用しました。その名のとおり専用回線をテレメータ用50bps通信カード(形式:D5-LT3)に接続するだけで、複雑な設定を行うことなく簡単にテレメータを実現できます。さらにベースに、上位側パソコンとの通信カードとしてModbus/TCP(Ethernet用)通信カード(形式:D5-NE1)を挿入することにより、パソコンとの通信が可能です。詳細については、システム構成図(図1)をご参照ください。このシステムでは、浄水場で収集したデータを別途記録計にも記録・表示するために、出力カードも入れていますが、パソコンでの監視だけであれば、出力カードを装着する必要はありません。

図1 遠隔監視システム構成図

 さらにテレメータや入出力カードが異常になったことを判定するため、接点入力カードを入れたR5シリーズを用意しています。50bps通信カード(D5-LT3)のRUN接点出力で、テレメータ通信異常または入出力カード異常を検知できます。異常判別用接点信号を接点入力カードに入れれば、Ethernetを経由してパソコン側で異常を表示することができます。

 このシステムの導入後、リモートI/O R3シリーズをベースにしたテレメータ(D3シリーズ)の販売も開始しています。点数や用途に対応して、イージーテレメータ(D5シリーズ)とお使い分けください。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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