エムエスツデー 2005年7月号

製品別情報

データ監視ができる記録計へと機能が充実した
チャートレス記録計本体 (形式:73ET・74ET・75ET)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

チャートレス記録計本体 エム・システム技研では、従来のチャート式記録計のリプレースに好適な、現場設置形のチャートレス記録計本体73ET74ET75ET、以下これらをまとめて7xETと略称)の販売を開始し、1年半が経過しました。この間、利用可能な入出力ユニットにPCレコーダ(形式:RZMS-U9)リモートI/O R5シリーズを追加したり、日本語版に対応するなど、様々な機能追加を行って参りました。

 そして今回は、新たに画面を追加し、リモートI/O R3シリーズの利用を可能にしました。本稿では、これまでに追加した機能を中心にチャートレス記録計本体の優れた機能をご紹介します。

1. 新しい入出力ユニットへの対応

 7xETで利用可能な入出力ユニットとして、これまでにRZMS-U9、R3シリーズおよびR5シリーズを追加しました(図1)。

 RZMS-U9は、12点ユニバーサルアナログ入力ユニットです。RZMS-U9では、12チャネル相互間絶縁を実現するとともに直流電圧・熱電対・測温抵抗体・ポテンショメータ入力の測定が可能です。これまでは、入力種別ごとに入力ユニットを用意する必要があり、多くの費用がかかっていました。しかし、RZMS-U9を使用すれば、これまで複数台必要だった入力ユニットが1台のRZMS-U9で済みます。さらに、使用する入力ユニットが減るため、配線する手間も設定する手間も削減できます。つまり、RZMS-U9を1台用意し、7xETと組み合わせることによって、従来のペン式記録計や打点式記録計からチャートレス記録計へのリプレースを安価、容易に実現できるようになりました。

 R3シリーズとR5シリーズは、豊富な入出力カードをもち、その中から目的に応じてカードを選べる、組み合わせ自由形のリモートI/O変換器です。これらのもつ豊富な入出力カードから目的に応じたカードを選択し組み合わせて、7xETと接続するだけで、あらゆる現場でのデータ収録や監視が可能になりました。

図1 入出力ユニット

2.新画面の追加

 7xETのデータ表示画面に、収録データの一括監視を行う「オーバービュー画面」、収録データの比較を行う「バーグラフ画面」、アラーム情報を表示する「アラーム履歴画面」を追加しました。この結果、7xETのデータ表示画面は、トレンド画面・オーバービュー画面・バーグラフ画面・リトリーブ画面・アラーム履歴画面の5画面と豊富になりました。

(1)オーバービュー画面
 収録データとアラーム状態を一括監視できる画面です(図2(a)参照)。
 オーバービュー画面では、1画面に32点のデータを表示します。表示画面は4画面ありますから、128点全点の監視を行うことが可能です。
 アナログデータは、タグ名と収録データの瞬時値をバーグラフで表示します。表示しているデータにアラームが発生すると、バーグラフが警報色に変化し、アラームが発生していることを知らせます。
 デジタルデータは、タグ名、接点のオン・オフ状態およびアラーム状態を表示します。
 アナログデータ、デジタルデータは、指定した1ペンを拡大表示することが可能です。通常の表示内容に加えて、アラームの発生時間・復帰時間を表示します。

(2)バーグラフ画面
 収録データの瞬時値をバーグラフとデジタル値で表示します(図2(b)参照)。
 バーグラフ画面では、1画面に12ペンのデータを表示します。入力ユニットにRZMS-U9を使用すると、RZMS-U9がもつ12点すべてのデータを1画面で監視できます。表示画面は3画面ありますので、最大36点のデータが表示可能です。また、画面に表示するデータは、切り替えることができます。
 アナログデータのバーグラフは、データ表示部の下端を0%、上端を100%とし、収録データの瞬時値を0%~100%の間に表示します。
 デジタルデータについては、接点入力の状態を25%~75%にあります表示領域に表示します。

(3)アラーム履歴画面
 測定データに対し、警報を設定すると、測定値が正常域をはずれたときにアラームを出力します。発生したアラームの情報は、履歴データとしてコンパクトフラッシュに保存されます。アラーム履歴画面は、保存されている情報を読み出し、履歴データを表示する画面です(図2(c)参照)。1画面あたり16件のアラーム情報を表示します。
 アラーム情報の内容は、発生したアラームの発生時間・復帰時間・ペン番号・タグ名・アラームメッセージです。自動更新モードになっていると、常に最新のアラーム情報に更新されます。自動更新モードをオフにすると、アラーム情報の検索が可能になります。検索方法には、画面切換による検索方法と、日時指定による検索方法があります。
 また、アラーム履歴として保存された情報は、CSVファイルに変換することも可能です。

図2 各種画面

3.3画面表示

 3画面表示とは、トレンド画面、オーバービュー画面、アラーム履歴画面を1画面に同時表示する機能です(図2(d)参照)。この機能は、74ET・75ETに限り対応できます。各画面は、通常の画面と変わらない機能をもち、画面ごとの操作が可能です。

4.日本語版対応

 「日本語版が欲しい」という、多くのお客様のご要望にお応えして、日本語版を開発しました。画面の日本語表示はもちろんのこと、タグ名や工業単位の設定も日本語入力が可能です。74ET・75ETが一足先に日本語版となっていましたが、2005年からは、73ETも日本語対応になりました。

お わ り に

 7xETは、新機能画面の追加により、データ収録を主要機能とする記録計から、データ監視も容易に可能な記録計へと機能が充実しました。また、PCレコーダソフト(MSR128-V4)とのEthernet接続により、現場だけでなく上位パソコンからもデータ監視が行えます。

 以上、7xETの新機能について簡単にご説明させていただきました。さらなる機能向上を目指し、より良い製品を実現できるよう努力して参ります。

(ご注意:本稿にてご紹介した機能は、各形式のアプリケーション指定が「/0003(英語版)」、「/J003(日本語版)」になります。ご注文時にご指定ください)


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