エムエスツデー 2005年5月号

PCレコーダの納入実例 No.3
No.3

Ethernet使用、PC複数台による監視事例

 今回は、納入事例の第3例として、工場内のユーティリティ設備を監視するために採用されたPCレコーダをご紹介します。社内にある数台のパソコンを使って管理したいとのご要望があり、通信規格としてEthernetを使用しています。

 なお、ユーティリティ設備とは、一般にプラントで使用する電気(受電・変電・発電)、 蒸気、圧縮空気、窒素、 空調(冷水)、用水、排水処理などの付帯設備のことをいいます。これらの設備では、電圧・電流・電力量・水位・温度・圧力・流量などのアナログ信号と、ポンプ・ブロワなどの運転・停止、故障信号としてのデジタル信号が使用されています。これらの信号を管理することによってエネルギー使用量をトータルに把握し、省エネルギーを実現することができます。ISO14000への対応など、今後環境に対する配慮が一層厳しくなる状況からも、ユーティリティ設備のデータ管理は様々な現場で求められています。

 各種のデータ信号は、リモートI/O(R1M・R3・R5シリーズ)を使用して取り込みます。PCレコーダソフト(MSR128-V4)と帳票作成支援ソフト(MSRDB2-V4)を組み合わせて、アナログデータの状態変化と設備異常の監視、帳票の自動作成などを行うことができます。

 パソコンとリモートI/Oの間の通信プロトコルとしては、オープンネットワークのModbusを採用しています。RS-485/RS-232-Cのシリアル通信規格を使用する場合は、Modbus/RTUを用いますが、この場合、プロトコルの制限により、ホスト(PC)は1台だけになります。しかし通信規格としてEthernetを使用するModbus/TCPに変更することにより、最大2台のホストPCを設置することが可能になります。

 たとえば、現場監視室から離れたところにある中央監視室において複数のパソコンを使って管理する場合には、上記Modbus/TCPを採用することによりご対応いただけます。図1に示す構成例をご参照ください。

図1 Ethernet使用、PC複数台による監視システムの構成例

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 今後も、PCレコーダ用のリモートI/Oやレコーダソフトの改善を進めて参ります。適した用途へのご採用について、ぜひご検討をお願いします。

【三ヶ田 晋:(株)エム・システム技研 システム技術部】


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