エム・システム技研
創立50周年記念 ご挨拶

2022年4月1日にエム・システム技研は創立50周年記念日を迎えました。工業計器を商品として売る会社を創ろうとしてはじめてから50年が経ったことになります。誠に感慨深いものがあります。私は今年米寿を迎えるわけですが、この50年を振り返りますと、自分がいかに幸運に恵まれ続けたかがよくわかります。
裸同然ではじめたエム・システム技研ですが、友人・知人に助けられ一度も赤字決算をすることなく、すくすくと育ってまいりました。
ここで私が考えた工業計器の商品というものは、いつでもどこでも誰でもそれが欲しい時に1個からすぐ手に入るものを指します。そして今では信号変換器、リモートI/O、避雷器をはじめ、計装システムを構成するのに必要な各種調節計や記録計のほか、920MHz帯の無線信号伝送器「くにまる®」や手のひらにのるデータロガー「Webロガー2」などのIoT機器までも商品化して、PA(プロセスオートメーション)やFA(ファクトリオートメーション)のシステム構成にお役に立つものは何でも作るメーカーとして成長してまいりました。

計装システムを構成する機器はすべて電子式になり、DCSの時代になって久しいのですが、調節弁だけは未だに空気式が使われています。これもまた幸運の女神が私に微笑んでいるように思います。起動トルクの大きいモータといえばブラシのついた直流モータですが、ブラシは使っているうちに摩耗します。電流パルスを加えるだけで強力なトルクが得られるブラシの無いステッピングモータが容易に手に入るようになりました。この最新のステッピングモータで駆動する電動調節弁用アクチュエータである「ステップトップ®」シリーズを完成し拡販に努めてまいりました。このところ「カーボンニュートラル」が叫ばれるようになったことも追い風となり、「ステップトップ®」を搭載したストレート形と回転形の両方の電動調節弁の需要が急増しはじめています。これで入口から出口まですべて電気で動く計装システムが実現します。
これからも計装システムソリューションを設計するSI(システムインテグレータ)の皆様に使いやすく、信頼性の高い工業計器の商品を最新の電子技術を駆使してお届けしてまいります。
今後ともよろしくお願い申しあげます。

2022年4月 代表取締役会長 宮道 繁