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OPC UA(オーピーシーユーエー)

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OPC UA

OPC UAの概要

OPC Unified Architecture(UA)は、OPC Classic仕様の機能性全てを、拡張可能なフレームワークに統合した、プラットフォーム非依存のサービス指向アーキテクチャです。
マルチレイヤー アプローチにより、以下の目標を達成します。

  • 機能の同等性:COM OPC Classicの仕様は全て、OPC UAで実現。
  • プラットフォーム非依存:組込みのマイクロコントローラからクラウド基盤のインフラまで対応。
  • 安全:暗号化、認証、監査。
  • 拡張性:既存のアプリケーションに影響せず、新しい機能を追加可能。
  • 包括的な情報モデリング:複雑な情報の定義が可能。

OPC UAとは

OPCは、産業オートメーション分野やその他業界における、安全で信頼性あるデータ交換を目的とした相互運用を行うための標準規格です。プラットフォームから独立し、多くの製造ベンダーのデバイス間で、シームレスな情報の流れを確保します。

OPC標準規格は、業界の製造ベンダー、エンドユーザー、そしてソフトウェア開発者が開発した一連の仕様です。これら仕様は、リアルタイムデータのアクセス、アラームとイベントの監視、履歴データやその他アプリケーションのアクセスを含み、クライアントとサーバー間に加え、サーバーとサーバー間のインターフェイスを定義します。

この標準規格は、1996年に初めて発表されました。目的はPLC固有のプロトコル(Modbus、Profibus等)を、標準化されたインターフェイスとして抽象化することでした。これにより、HMI/SCADAシステムは、デバイスとのインターフェイスを一般的なOPCリード/ライトの要求をデバイス固有の要求へ変換する、またその逆を行う「仲介役」に任せられます。その結果、エンドユーザーは、OPCを通じシームレスに相互通信する最善の製品を使用し、システムを構築することができるようになりました。

当初、OPC標準規格は、Microsoft® Windows®オペレーティング・システムに限られていました。プロセス制御のOLE(Object Linking and Embedding)に関連し、OPC(OLE for Process Control)という頭字語が生まれました。現在、OPC Classicとして知られるそれら仕様は、製造、建設、オートメーション、石油・ガス、再生可能エネルギー、ユーティリティ等、数々の業界で広く適応されています。

サービス指向アーキテクチャが製造システムに導入されるようになると、セキュリティーとデータ・モデリングに関する新たな課題が出て来ました。これらのニーズに対応し、同時に、将来性と拡張性、機能性に富んだオープンプラットフォーム・アーキテクチャを提供するためOPC UAは開発されました。

OPC UAの特長

■ 機能の同等性
OPC Classicを基礎として、OPC UAはOPC Classic仕様の機能を高め、上回るよう設計されました。OPC UAは、機能としてはOPC Classicと同等ですが、はるかに優れた性能を誇ります。

  • ディスカバリー:ローカルのPCまたはネットワーク上の利用可能なOPCサーバーを検出。
  • アドレス空間:データは、全て階層的に表現(例:ファイル、フォルダー)。
    これにより、複雑な構造でもOPCクライアントは簡単に参照し利用することが可能。
  • オンデマンド:アクセス許可に基づいたデータ/情報の読取と書込。
  • サブスクリプション:データ/情報の監視、またクライアントの基準に基づき値が変化した場合の例外レポート。
  • イベント:クライアントの基準に基づき重要な情報を通知。
  • メソッド:サーバーで定義されたメソッドに基づき、クライアントはプログラム等を実行可能。

■ プラットフォーム非依存

利用可能なハードウェア・プラットフォーム、オペレーティング・システムが広範に渡る今日では、プラットフォーム非依存は不可欠です。OPC UAは、以下のどの環境でも、またそれ例外の環境でも機能します。

  • ハードウェア・プラットフォーム:従来型PCハードウェア、クラウド基盤のサーバー、PLC、マイクロコントローラ(ARM等)。
  • オペレーティング・システム:Microsoft® Windows® 、Apple OSX、Android、Linux。

OPC UAは、企業システム全体、設備機器間、設備機器と企業システム間、あらゆる相互運用性に必要な基盤を提供します。

■ セキュリティー

技術を選択する際に考慮する最も重要な点はセキュリティーです。OPC UAは一連のコントロールを提供することでセキュリティー懸念に対処しながら、ファイアウォールを超えたアクセスが可能です。

  • トランスポート:多くのプロトコロルが定義されており、超高速のOPCバイナリ・トランスポートや、普遍的で互換性のあるSOAP-HTTPSオプションが利用可能。
  • セッション暗号化:メッセージは128または256ビットの暗号化レベルで安全に送信。
  • メッセージ署名:メッセージを送信された通りに受信。
  • シーケンス・パケット:順序づけによりメッセージ・リプレ-アタックへの無防備を除去。
  • 認証:各UAクライアントとサーバーはOpenSSL証明書を通じて確認され、どのアプリケーションまたはシステムに対し、相互接続を許可するかコントロールが与えられる。
  • ユーザーコントロール:ユーザー認証(ログイン資格情報、証明書等)を行うよう、アプリケーションを設定可能。またアクセス権やアドレス空間の「View」を使って、アプリケーション性能をさらに制限したり拡張したりすることも可能。
  • 監査:ユーザーまたはシステムのアクティビティは、アクセス監査証跡として提供するようにログに記録される。

■ 拡張性

OPC UAのマルチレイヤーアーキテクチャは、「将来性も確保した」フレームワークを提供します。新たなトランスポート・プロトコロル、セキュリティー・アルゴリズム、暗号化標準、アプリケーション・サービスといった、革新的な技術と方法は、既存製品に対する下位互換性を維持しながら、OPC UAに組み込めます。今日開発しているUA製品は、将来の製品とも互換性が確保されます。

■ 情報モデリング
OPC UA情報モデリング・フレームワークは、データを情報に変えます。包括的なオブジェクト指向の機能を用いて、複雑な多層構造でさえもモデル化し拡張することができます。データ型と構造はプロファイルで定義されます。例えば既存の OPC Classic 仕様は、他団体でも拡張できるようなUAプロファイルにモデル化されました。

〈参考資料〉
「日本OPC協議会」ホームページの下記ページ:
https://jp.opcfoundation.org/about/opc-technologies/opc-ua/