2002年2月号

ハンディレコーダ(形式:50HR)

(株)エム・システム技研 開発部  浅 野 純 子
 
は じ め に
 近年、様々な分野において、小形多チャンネル記録計への要望は増加の一途をたどっています。また、いつでもどこでも使える携帯性とIT機器のネットワークにつながるLAN対応は、計測器にとって必要不可欠のものになってきています。
 このような情況に対応し、エム・システム技研は、すでにご好評いただいているPCレコーダシリーズの一員として、このほどハンディタイプのPCレコーダ(形式:50HR)を商品化しましたので、ここにご紹介させていただきます(図1参照)。
 50HRの構成図を図2に、外形寸法図を図3に示します。

50HRの主な機能と特長
 ●小形軽量のハンディ機
 小形(B5サイズ)軽量であり、手軽に持ち運びができるハンディ機です。データ表示画面、操作ボタン、入力端子台が一体になっているため、50HR 1台で、どこででもリアルタイムにデータを収集することができます。
 入力端子台は着脱式であるため、配線時には、取り外して手元で作業できます。さらに、ACアダプタまたは内蔵バッテリで動作するため、機動性に優れています。また、場所を取らず、据え置きで使用するのにも適しています。
 ●高度な表示機能
 画面は、5.7インチ(320×240ドット)のカラー液晶ディスプレイです。
 波形表示は全画面だけでなく、拡大・圧縮表示も可能です。数値、スケールなども同時に表示できるため、設定レンジや測定値を本体の画面上で簡単に確認可能です。
 保存中に、トレンドグラフのスクロール表示ができ、過去にさかのぼってデータを確認できます。また、カーソルを使って数値が読み取れます(図4~6)。
 ●各種設定ボタン
 本体だけですべての設定ができるように、各種の設定ボタンを用意しました。
 ●絶縁された入力部
  (アナログ+パルス)
 入力部はチャンネル毎に絶縁(最大対地間電圧AC30VrmsまたはDC60V)されています。したがって、入力毎に独立した電位点に接続できます。PCインタフェース系とも絶縁されているため、測定信号による干渉やPCを破損することがありません。
 入力にはアナログ、パルスの2系統があり、両者が混在した記録が可能です。アナログ入力には8ch、16chの2種類があります。
 ●豊富な測定レンジ
 100mV~60Vまでの直流電圧、9種類の熱電対信号、2種類の測温抵抗体信号が測定可能であり、いずれも直接接続ができます(表1参照)。
 ●豊富な測定周期
 最短記録間隔は100msであり、全チャンネルの入力データを100ms以内にスキャニングして取り込み、メモリに保存します。記録間隔は、100ms~1時間の間の16段階から選択できます(表2参照)。
 パルス入力部は4チャンネル装備されています。このチャンネルによってパルス信号の積算、回転数に応じて出力されるパルス数測定が可能であり、パルス出力やエンコーダ出力を取り込んで、回転数の変動を測定できます。流量計や電力計と組み合わせて、積算流量や積算電力と温度の同時測定もできます。
 ●データの管理
 測定データ、設定条件をATAフラッシュカード(お客様ご用意)に保存できます。また、リアルタイムで測定データをATAフラッシュカードに保存できます。停電対策用システムファイルにより、電源が切れた場合でも切れる直前までのデータが保存されます。測定データは、ATAフラッシュカードの交換により回収できます。
 ●PCレコーダソフトとの接続
 エム・システム技研製PCレコーダソフト(形式:MSR32 VER.3.01以降)へのデータ移動はATAフラッシュカードを介して行います。したがって、現場にPCを設置しなくても、レコーダからカードを回収することで記録したデータを回収できます。
 ●その他の機能
 オプションで、プリンタユニットまたはデジタルI/Oユニットの取り付けが可能です。
 専用のプリンタユニット(形式:50HR-PR)を取り付けることにより(図7参照)、測定結果をその場でプリントアウトすることができます。したがって現場で、手軽にいつでも画面のハードコピーが取れます。
 また、専用のデジタルI/Oユニット(形式:50HR-DIO)を取り付けることにより(図8参照)、16チャンネルのロジック入力および16チャンネルの警報出力が可能になります。この結果、警報出力(オープンコレクタ出力)で外部機器への通報が可能です。
 ●Ethernet経由でPCレコーダソフトと接続可能(開発中)
 現在開発中の機能として、LANケーブルを使ってPCと接続し、PCから専用のPCレコーダソフト(形式:MSR32 VER.3.10以降)によってデータを取り込むことができます。
 取り込んだデータは、従来のPCレコーダソフトのデータと同様、表計算ソフトや解析ソフトにそのまま読み込んで処理できます。また、処理結果はPCと接続しているプリンタからもプリントアウトできます。

お わ り に
 今回ご紹介した50HRは、エム・システム技研が用意しているPCレコーダシリーズの一部にしか過ぎません。今後、さらに安価な機種や新しい便利な機能をもつ機種を揃えて行く予定です。詳しい情況についてはエム・システム技研のホットラインまでお問い合わせください。
 エム・システム技研の各種製品を、今後ともご愛用くださるよう、お願い申しあげます。       ■

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