エムエスツデー 2008年8月号

フィールドロガー、テレメータ

フィールドロガー TL4シリーズ
テレロガー(形式:TL4-LX1)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

図1 テレロガー(形式:TL4-LX1)とリモートI/ O R3シリーズの組み合わせ エム・システム技研では、従来、運転監視通報を行うスーパーテレメータシリーズとして、メモリテレカプラ(形式:TLZテレロガー(形式:TLX1などの電話回線を利用する製品を販売して参りました。このたびは、新機種としてフィールドロガーTL4シリーズテレロガー(形式:TL4-LX1)」を開発しました。

 このTL4-LX1リモートI/O R3シリーズの接点入力カード、アナログ入力カードを組み合わせることによって、最大、接点16点、アナログ4点の監視、通報、記録を行うことができます。

 また、TL4-LX1テレロガーTLX1)の機能を包含していて、既存の専用ビルダソフト(形式:TLX1BLD)、テレコンポーネントライブラリ(形式:TLCOMをご使用いただけます。

1.システム概要

 TL4-LX1と組み合わせることによって、リモートI/O R3シリーズテレロガーシステムとして機能します。テレロガーシステムのカード構成例を図2に示します。

図2 テレロガーシステムのカード構成例

 通常、テレロガーへの電源は電源カード(形式:R3-PS□)から供給します。停電など何らかの原因によってテレロガーへの電源供給が停止した場合には、電源カードに代わってバックアップ電池接続カード(形式:TL4-TLB)から電源を供給します。なお電源カードからテレロガーへの電源供給が可能になると、バックアップ電池接続カードからの電源供給は停止し、電源カードから電源を供給します。

 一般電話回線との接続は、TL4-LX1の内蔵モデムまたは市販の外付けモデム(ターミナルアダプタ)を介して行います。

 接点入力に対しては接点入力カードを用い、16点用カード(形式:R3-DA16□)またはバックアップ機能付き16点用カード(形式:TL4-DA16)をご使用いただけます。アナログ入力にはアナログ入力カードを用い、4点用カード(R3-SV4□)がご使用いただけます。

 通報設定や通信設定などのデータ設定は、専用ビルダソフトTLX1BLD)を使って行います。RS-232-Cを経由してTL4-LX1と接続されたパソコンからデータを設定できます。

2.主な機能

 TL4-LX1の主な機能は表1に示すとおりです。

 また、TL4-LX1のシステム構成例を図3に示します。

図3 テレロガーシステム構成例

おわりに

 TL4-LX1に関してご意見やご要望などがございましたら、お気軽にエム・システム技研のホットラインまでお寄せください。

表1 テレロガー(形式:TL4-LX1)の主な機能

No. 機 能 名 詳  細
1 事象検出機能 1秒周期で異常発生/解除、機器運転入/切などの事象を検出します。最大128事象の監視が可能です。
また、事象毎に各種通報時の通報文を設定できます。
2 事象ログ機能 異常発生/解除、機器運転入/切などの事象を検出し、タイムスタンプを付けてメモリ内に記録蓄積します。
最大4000件まで蓄積可能です。専用ビルダソフトまたはユーザーパソコンからの要求に伴って、蓄積データのクリアが可能です。
3 トレンド機能 アナログ入力最大4点、デジタル入力最大520点の値を1秒以上の任意の周期(1秒単位)で記録します。
4 デジタル出力 ユーザーパソコンからの要求に従って、内蔵デジタル出力接点(2点)のON・OFFを行うことが可能です。
5 事象カウント
機能
事象検出機能にて検出した事象の発生回数を事象毎にカウントし、蓄積します。ユーザーパソコンからの要求に従って、蓄積データのクリアが可能です。
6 パルスカウント
機能
1時間毎のデジタル入力(16点)の立上り、立下りを検出し、その回数を積算します。本日と過去10日分(11日分)のパルスカウント積算値を蓄積します。
7 帳票機能 ・ 日報
1秒周期で取得したデータを1時間毎に集計し1日分のデータをまとめ、これをFAXを使って報告します。
まとめたデータについては、本日と過去3日分保存します。
専用ビルダソフトまたはユーザーパソコンからの要求に伴って、集計前のデータおよび累計値のクリアが可能です。
・ 月報
1秒周期で取得したデータを1日毎に集計し1か月分のデータをまとめ、これをFAX使って報告します。
まとめたデータについては、本月と前月のデータ(2か月分)を保存します。
専用ビルダソフトまたはユーザーパソコンからの要求に伴って、集計前のデータおよび累計値のクリアが可能です。
・ デマンド報
要求時点の瞬時値をFAXを使って報告します。専用ビルダソフトまたはユーザーパソコンからの要求に伴って、積算データ、累計値のクリアが可能です。
8 各種通報機能 通報には以下の3種類があります。ターミナルアダプタ使用時には、モデム通報だけが有効です。
・ モデム通報
上記事象毎の通報文を内蔵モデムまたはターミナルアダプタを介して、ユーザーパソコンへ通報します。
・ FAX通報
上記事象毎の通報文を内蔵FAXモデムを介して、FAX機へ通報します(ISDN回線使用時は不可)。
・ 電話音声通報
上記事象毎の通報文をテキスト音声合成方式で音声変換し、電話機に通報します。
9 各種報告機能 ・ 異常・運転サマリ報告
・ ユーザーパソコンからの要求に応じて、現在発生中の異常事象および運転事象を内蔵モデムまたはターミナルアダプタ経由で報告します。
・ 管理者の電話機プッシュ・ボタンによる要求に応じて、現在発生中の異常事象および運転事象をその電話機に音声で報告します。
・ 管理者のFAX 機付属電話機による要求に応じて、現在発生中の異常事象および運転事象をそのFAX機に印字報告します。
・ 異常・運転ログ報告
ユーザーパソコンからの要求に応じて、蓄積している異常ログおよび運転ログを内蔵モデムまたはターミナルアダプタ経由で報告します。
・ 瞬時値報告
ユーザーパソコンからの要求に応じて、その時点の入力値を内蔵モデムまたはターミナルアダプタ経由で報告します。
・ トレンド報告
ユーザーパソコンからの要求に応じて、記録しているアナログトレンドおよびデジタルトレンドを内蔵モデムまたはターミナルアダプタ経由で報告します。
・ 事象カウント報告
ユーザーパソコンからの要求に応じて、カウントしている事象カウント値を内蔵モデムまたはターミナルアダプタ経由で報告します。
・ パルスカウント値報告
ユーザーパソコンからの要求に応じて、カウントしているパルスカウント値を内蔵モデムまたはターミナルアダプタ経由で報告します。
・ FAX 帳票機能
日報、月報、デマンド報を、専用ビルダソフトを使って設定された値に従い、FAX機へ送信(固定フォーマット)します。
ユーザーパソコンからの要求に応じて、内蔵モデムまたはターミナルアダプタ経由で読出すことも可能です。
10 ビルダ
設定機能
事象設定や帳票設定、各種通報機能の設定などのデータ設定には専用ビルダソフト(形式:TLX1BLD)を使用します。
専用ビルダソフトをインストールしたパソコンから、RS-232-C経由または内蔵モデムを経由して設定することができます。
専用ビルダソフトはテレロガー(形式:TLX1)と共通で使用可能です。既存TLX1の設定をTL4-LX1に対して実施することによって、容易に置換えが可能です。

 

*メモリテレカプラ、テレロガー、フィールドロガーは、(株)エム・システム技研の登録商標です。


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