エムエスツデー 2009年4月号

リモートI/O、ドライバソフトウェア、BAコントローラ

超薄形リモートI/O
R6シリーズ(1)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

 エム・システム技研では、組合せ自由形のリモートI/Oとして、かねてよりR3シリーズR5シリーズをご提供しています。両シリーズでは、多くの異なるフィールドバスに対応するとともに、多種類の入出力信号の組合せにも対応させるため、通信ユニットと入出力ユニットを分離した構造になっています。その後、少点数および省スペースへの特化を狙い、通信と入出力の両ユニットを一体化したリモートI/OとしてR7シリーズをご提供し、これもご好評をいただいています。

 このたび、これらのリモートI/O製品群に加えて、新たに組合せ自由形でしかも省スペース構造を実現できるR6シリーズを開発したので、ここにご紹介します。

1.概 要

 R6シリーズの構造は、R3シリーズR5シリーズと同じで、ベース、電源供給カード、通信カード、入出力カードから構成されています(図1参照)。

図1 リモートI/ O R6シリーズの外観

 R6シリーズでは、入出力・電源供給カードの端子として以下の3種類の形状を用意し、形式コードによって区別しています。端子形状については、すべてのカードで選択が可能であり、お好みに合わせてお選びいただけます(ただし、同一ベース上に異なる形状の端子をもつカードを組み合わせて実装することはできません)。

  ユーロ端子接続形:R6D-□
  ねじ端子接続形:R6N-□
  スプリング式端子接続形:R6S-□

2.特 長

図2 入出力カード外形寸法図(R6D-□の例)(1)省スペース
 R6シリーズで最も注目すべき特長は、そのサイズにあります。入出力カードの横幅は、実に5.9mm(ただし、ねじ端子接続形R6N-□の横幅は、7.5mm)という超薄形を実現し、この中にアナログ入力/出力は2点、接点入力/出力は4点を収めました(図2参照)。最小のユニット構成単位で比較すれば、R5シリーズでは幅157mmの中にアナログ10点に対し、新しいR6シリーズでは幅78mmに14点実装できます。従来の約半分のスペースにより多い点数を実装できるため、今までは諦めざるを得なかった盤内の小さなスペースにも設置できるようになります。

 また、増設用ベースを接続すれば、最大31台(ただし、通信カードの種類によって、最大接続可能台数は異なる)の入出力カードの増設が簡単に行えるため、システムの拡張に柔軟に対応できます。

図3 ベース外形寸法図(R6D-BS8A)

(2)設定が容易
 入出力カードのカードアドレス、入出力レンジまたはその他基本的な設定は、カード側面に配置されたディップスイッチによって簡単に実行できます(図5)。パソコンなどによる複雑な設定は必要なく、短時間の設定作業で済むため便利です。

図5 パネル図(接点入出力カードの例)

図4 ソフトウェア画面例(3)複雑な使用にも対応
 上記、ディップスイッチによる設定だけでは、ご使用になるアプリケーションに対して十分でない場合があるかも知れません。しかし、R6シリーズでは、専用のコンフィギュレータソフトウェア(形式:R6CON注)をご用意していますから、機器とパソコンをケーブル(形式:COP-USなど)で接続し、ソフトウェア画面上から詳細に設定することも可能です(図4参照)。たとえば、アナログ入力カードについては、変換速度の変更や、ゼロ・スパンのスケーリング値を任意の値に変更することなども可能です。

(4)豊富な入出力レンジ
 直流電圧入力カードR6□-SV2および直流電流入力カード(形式:R6□-SS2では、合計で15種類の入力レンジを、また、直流電圧出力カードR6□-YV2および直流電流出力カード(形式:R6□-YS2では、合計で9種類の出力レンジを用意しています。ディップスイッチを操作するだけでレンジを変更できるため、保守用として多くの機種を常備する必要はありません。

3.製品の種類

 表1R6シリーズ製品の種類を示します。

表1 R6シリーズ製品の種類

形 式 点数 概 要 機 能
R6□-BS8A ベース 8スロット+通信カードスロット
R6□-BS8P ベース 8スロット(増設用)
R6□-DM ダミーカード ダミーカード
R6□-SV2 2 直流電圧入力カード(絶縁) DC−10~+10V、DC−5~+5V、 DC 1~5Vなど
R6□-SS2 2 直流電流入力カード(絶縁) DC−40~+40mA、DC 0~20mA、
DC 4~20mAなど
R6□-TS2 2 熱電対入力カード 開発中
(絶縁)
K、E、J、T、B、R、S、C、N、U、L、P、PR
R6□-RS2 2 測温抵抗体入力カード 開発中
(絶縁)
Pt 100(JIS '97、IEC)、Pt 100(JIS '89)、
JPt 100(JIS '89)、Pt 50Ω(JIS '81)、
Ni 100、Cu 10、Cu 50
R6□-YV2 2 直流電圧出力カード(絶縁) DC−10~+10V、DC−5~+5V、DC 1~5Vなど
R6□-YS2 2 直流電流出力カード(絶縁) DC 4~20mA
R6□-DA4 4 接点4点入力カード NPN、PNP共用
R6□-DC4A 4 トランジスタ4点出力カード NPN出力
R6□-DC4B 4 トランジスタ4点出力カード PNP出力
R6□-PF 電源供給カード DC 24V 供給用
R6-NM1 通信カード Modbus用、アナログ32点対応
R6-NE1 通信カード Modbus/TCP(Ethernet)用、アナログ32点対応
R6-NC1 通信カード 開発中 CC-Link用 Ver.1、アナログ16点対応
R6-NC2 通信カード 開発中 CC-Link用 Ver.2、アナログ64点対応
R6-ND1 通信カード 開発中 DeviceNet用、アナログ64点対応

4.パネル図

 図5に入出力カードのパネル図を示します。

お わ り に

 今回はR6シリーズの概要や特長など全般的な内容をご紹介しました。
次回は、通信カード、入出力カード、コンフィギュレータソフトウェアの、詳細な仕様についてご紹介します。

注)コンフィギュレータソフトウェア(形式:R6CON)はエム・システム技研のホームページからダウンロードいただけます。


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