エムエスツデー 2008年9月号

リモートI/O、ドライバソフトウェア、BAコントローラ

リモートI/O R7シリーズ MECHATROLINK-I/II対応
少点数入出力ユニット(形式:R7ML)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

図1 リモートI/ O R7シリーズの外観(R7ML) エム・システム技研は、リモートI/O R7シリーズに高速フィールドネットワークMECHATROLINK-I/IIに対応した少点数入出力ユニット(形式:R7ML図1)を追加しました。ここに、その特長と仕様の概要をご紹介します。

1.概 要

 R7シリーズは、供給電源、通信および入出力が一体になった小形のリモートI/Oユニットであり、工場内に点在する入出力信号を効率よくPLCなどに接続することができます。各基本ユニットには8点用または16点用の接点入力、トランジスタ出力を増設することが可能です。したがって、用途に適した組み合わせが可能です。

2.MECHATROLINK-I/II対応

 R7MLはMECHATROLINK-I、MECHATROLINK-II(表1参照)に対応しています。

 また、配線としてはUSBタイプの専用ケーブルを用い、既存のシステム、設備への追加が極めて簡単に行えます。

表1 MECHATROLINK仕様

項 目 MECHATROLINK-II MECHATROLINK-I
伝送速度 10Mbps 4Mbps
最大伝送距離 50m 50m
最小局間距離 50cm 30cm
伝送ケーブル MECHATROLINK専用ケーブル※1 MECHATROLINK専用ケーブル※1
最大接続スレーブ数 最大 30局※2 最大 15局※2
伝送周期 1ms、2ms、4ms 2ms(固定)
データ長 17バイト/32バイト選択可
(ネットワーク内混在不可)
17バイト

※1 安川コントロール(株)製(形式:JEPMC-W6002-□-E)をご使用ください。

※2 マスタユニットにより、最大接続スレーブ数が変わる場合があります。マスタユニットの取扱説明書にてご確認ください。

3.特 長

(1)小 形
 基本ユニット:W115×H50×D54mm(図2
 増設ユニット(16点):W94×H50×D54mm(図2
 増設ユニット(8点):W65×H50×D54mm(図2

図2 R7MLの外形寸法図

(2)接点入出力の増設機能
 基本ユニットに対して、増設用接点入力ユニットまたは増設用接点出力ユニットを接続することができます。このような構成によって、熱電対入力とともに接点入力を備えたユニットにしたり、アナログ出力とともに接点出力を備えたユニットにすることなどが容易に実現できます。また増設用ユニットとしては入出力点数が16点タイプと8点タイプを準備しています。

(3)2ピース端子台
 基本ユニットの供給電源用端子台と入出力端子台は分離可能な2ピース構造であり、メンテナンス性に優れています。

(4)設定が容易
 パネル前面のロータリスイッチを使って局アドレスと動作モードを設定するだけでMECHATROLINKとの接続が可能です(なお、別にPLC側での設定は必要です)。

 また、入力レンジや接続するセンサの形式については、パネル前面のディップスイッチで設定できるため、パソコンを使った複雑な設定作業は必要ありません。たとえば、4点の熱電対入力に対しすべて同一種類の熱電対を使用する場合には、ディップスイッチの操作だけで設定できます。

(5)複雑な使用にも対応
 4点の熱電対入力に対し異なる4種類の熱電対を用いる場合には、「コンフィギュレータ接続ケーブル(形式:MCN-CON、または形式:COP-US)」と「コンフィギュレータソフトウェア(形式:R7CON)」注)を用いることによって、パソコンによる設定が可能です。

 同様に、直流電圧の入力レンジを各入力ごとに設定することも可能です。

 たとえば、チャネル0をDC−10V~+10V、チャネル1をDC−1V~+1V、チャネル2をDC1~5V、チャネル3をDC4~20mAというような設定が可能です。

(6)豊富な入力レンジ
 直流電圧/電流入力用ユニット(形式:R7ML-SV4)では、直流電圧7種類、直流電流3種類の入力レンジを準備しています。ディップスイッチの設定だけでレンジを変更することができるため、多くの機種を準備しておく必要はありません。

4.製品の種類

 表2に、R7MLの種類を示します。

表2 MECHATROLINK用 R7MLの種類

  形 式 点数 概 要 機 能





R7ML-SV4 4 直流電圧/電流入力 DC−10~+10V、DC−5~+5V、
DC−1~+1V、
DC4~20mAなど
R7ML-TS4 4 熱電対入力 熱電対
K、E、J、T、B、R、S、C、N、U、L、P など
R7ML-RS4 4 測温抵抗体入力 測温抵抗体
Pt100、JPt100、Pt50、Ni100 など
R7ML-MS4
(開発中)
4 ポテンショメータ入力 全抵抗値100Ω~20kΩ
R7ML-CT4E
(開発中)
4 クランプ式センサ入力 クランプ式交流電流センサCLSE用
R7ML-DA16 16 接点入力 NPN、PNP共用
R7ML-DC16A 16 トランジスタ出力 NPN出力
R7ML-DC16B 16 トランジスタ出力 PNP出力
R7ML-YV2 2 直流電圧出力 DC−10~+10V、DC−5~+5V、
DC−1~+1V、DC−0.5~+0.5Vなど
R7ML-YS2 2 直流電流出力 DC4~20mA





R7ML-EA16 16 増設用接点入力 NPN、PNP共用
R7ML-EA8 8 増設用接点入力 NPN、PNP共用
R7ML-EC16A 16 増設用トランジスタ出力 NPN出力
R7ML-EC8A 8 増設用トランジスタ出力 NPN出力
R7ML-EC16B 16 増設用トランジスタ出力 PNP出力
R7ML-EC8B 8 増設用トランジスタ出力 PNP出力

5.パネル図

 図3R7MLのパネル図を示します。

図3 R7MLのパネル図

おわりに

 エム・システム技研では、今回紹介させていただいたMECHATROLINK-I/II対応、少点数入出力ユニットR7MLについて、引き続き入出力ユニットの機種の拡充に努めて参ります。

 またリモートI/O R3シリーズについても、MECHATROLINK-I/IIおよびMECHATROLINK-III(伝送速度100Mbps)への対応機種の開発を進めています。ご意見やご要望など、ご遠慮なくエム・システム技研のホットラインまでお寄せください。

注)コンフィギュレータソフトウェアはエム・システム技研のホームページからダウンロードできます。


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