エムエスツデー 2006年6月号

リモートI/O、ドライバソフトウェア、BAコントローラ

リモートI/O R3シリーズ新製品
ロードセル入力カード(形式:R3-LC2)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

 多チャネル組合せ自由形リモートI/O R3シリーズは、豊富な入出力カードと通信カードを備え、多種多様な分野においてご利用いただき、大変良いご評価をいただいています。今回は、R3シリーズに新たに追加されるロードセル入力カード(形式:R3-LC2)についてご紹介します。

 エム・システム技研は以前から各種のロードセル変換器を販売しており、おかげさまで出荷台数は今日も順調に増加しています。しかし、エム・システム技研のリモートI/Oについては、ロードセル入力変換器は初めての登場となります。

1.特 徴

図1 リモートI/O R3シリーズ

 (1)各種ネットワークに対応

 R3シリーズは多種類のオープンフィールドネットワークに対応しているため、ロードセルからの計量データをPLCやパソコンを使って簡単に収集・監視できます。

 (2)入力校正が簡単

 入力校正および風袋設定に際しては、ゼロ調整/スパン調整/風袋調整の各調整用スイッチをON(短絡)、OFF(開放)するだけで調整が完了します。なお、この各種調整用スイッチは、端子部を経由して外部に取り出すことができ、操作盤などに配置することができます(図2)。

図2 R3-LC2のブロック図

 ロードセルを調整すべき負荷状態に置いて調整用スイッチをONすると、自動調整が開始され、ERR表示ランプが緑色点灯であれば調整完了です。調整が完了したら、同スイッチをOFFします。この調整作業を、ゼロ、スパン、風袋ともに同様の方法で行います。これだけで校正作業は完了です。他の機器を必要とせず、カード単体で入力校正および風袋調整が可能であるため、校正作業は非常に簡単です。また、メンテナンス性の向上も図れます。

 (3)入力レンジを変更可能

 入力レンジ(組合せロードセル仕様)には、0~1mV/Vと0~3mV/Vがあり、使用するロードセルに合った入力仕様への選択・変更が可能です。レンジ設定は、本体側面のディップスイッチSW1を使って実施します(図3)。

 本体側面のディップスイッチSW3を使えば、変換速度の変更が可能です。

図3 R3-LC2のパネル図

 (4)パソコンを使用しての入力校正

 コンフィギュレータソフトウェア(形式:R3CONを用いたパソコンによる入力校正および風袋設定も可能です。そのほかに、パソコンを使った入力値のモニタ表示やスケーリング値設定なども行えます。

 以下に、R3CONの主な機能を示します(図4)。

図4 R3CONの設定画面

【R3CONの主な機能】

 • 風袋係数設定:風袋調整については、調整用スイッチによる実量調整が可能です。他方、データシートや試験データによって風袋調整値が入力スパンに対して何%であるかあらかじめ分かっている場合には、入力スパンに対する%値を100倍した値を風袋係数として設定すれば、実量調整することなしに風袋調整が行えます。
 • 負荷係数設定:次項(5)をご参照ください。
 • 0%スケーリング値設定
 • 100%スケーリング値設定
 • 入力値モニタ表示
 • ゼロ調整値設定
 • スパン調整値設定
 • 未使用設定:使用しない入力チャネルに対しては「未使用設定」が可能です。この設定により、未接続入力の入力異常情報を解除できます。

(5)負荷係数実量調整

 最大負荷が用意できない場合にも、R3CONで負荷係数を設定することによってスパン調整が可能です。負荷係数は、実際の負荷に対する%値を100倍した値で表され、たとえば、20%負荷でスパン調整を行うには、あらかじめ負荷係数を2000と設定した後、スパン調整を行うことになります。

2.主な仕様

 表1ロードセル入力カードR3-LC2)の主な仕様を示します。

表1 R3-LC2の主な仕様

形 式 R3-LC2(絶縁2点)
組合せ
ロードセル仕様
0.0~1.0mV/V
  電圧範囲:−5.0~+5.0mV
  ス パ ン:1.0~10mV
0.0~3.0 mV/V
  電圧範囲:−15.0~+15.0mV
  ス パ ン:5.0~30mV
印加電圧 5 V±250mV
許容電流:60 mA以下
許容負荷抵抗:85Ω以上
変換精度
(%以下)/
分解能(μV)
入力レンジ
変換速度
160ms
80ms
40ms
20ms
0.0 ~1.0mV/V
±0.1/0.15
±0.2/0.3
±0.4/0.6
±0.8/1.2
0.0 ~3.0mV/V
±0.1/0.5
±0.2/1.0
±0.4/2.0
±0.8/4.0
変換データ 入力レンジに対し 0~10000
占有エリア 4(R3シリーズ 通信カードのディップスイッチにて占有エリア「4」を選択してください)
消費電流 300 mA
温度係数 ±0.015%/℃(最大スパンに対する%)
絶縁抵抗 入力1−入力2−接点入力1−接点入力2−内部電源間
100MΩ以上/DC500V
耐 電 圧 入力1−入力2−接点入力1−接点入力2−内部電源間 AC1500V 1分間
供給電源−FG間(電源カードにて絶縁)AC2000V 1分間
詳細は、R3シリーズ共通仕様書をご参照ください。

お わ り に

 エム・システム技研では、今回ご紹介した機種だけでなく、入出力カードや通信カードの機能および機種の拡充に今後も努めて参ります。リモートI/O R3シリーズR5シリーズに関するご意見やご要望などがございましたら、インターネットホームページ(https://www.m-system.co.jp/)またはフリーダイヤルにて、お気軽にエム・システム技研のホットラインまでお寄せください。  


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