エムエスツデー 2010年1月号

避雷器、操作部コンポーネント、電源、共通機器

Products Review
PoE/10 BASE-T/100 BASE-TX/1000 BASE-T
Ethernet 用避雷器 MDCAT

イーサネット回線を雷から守る

ギガビットイーサネットとPoEに対応

図1 英文字表示 電力マルチメータ(形式:54U、54UC)の外観と寸法

  エム・システム技研はギガビットイーサネットとPoE(パワーオーバーイーサネット)の両規格に対応した「イーサネット用避雷器 MDCAT」を開発・製品化いたしましたので、ここにご紹介します。

 イーサネット用避雷器としてすでに10BASE-T/100BASE-TXの通信規格に対応した製品「MDM5E-A」を発売しています。

 現在でも10BASE-T/100BASE-TXが最も普及している通信規格ですが、徐々にギガビットイーサネット(1000BASE-T)に対応したパソコンが発売され始めています。そして、将来的には1000BASE-Tが主流になることが予想されます。

 また近年は、企業の危機管理意識が高まり、セキュリティ対策の一環として監視カメラの設置が増えています。それに伴い、LANネットワークだけでデータ通信と給電が可能なPoE(パワーオーバーイーサネット)対応のWebカメラが使用されるようになってきています。

 このようにイーサネットの使用環境が日々変化するなかで、新しい通信規格に対応した避雷器を多くのお客様から要望されるようになり、このたび新製品を開発しました。

Ethernet 用避雷器 MDCAT

注目の新機能  パソコンや監視カメラを誘導雷から守ります。

 従来の10倍の伝送速度を実現したギガビットイーサネット1000BASE-Tに対応しました。形状はパソコン脇のデスクトップ上に設置しても違和感のないデザインです。

 さらにLANケーブルだけでデータ通信と電源供給が行えるPoEに対応しました。WebカメラなどのネットワークカメラでPoEを使用している機器を誘導雷から守ります。

(1)ギガビットイーサネット1000BASE-T対応

 1000BASE-T対応のEthernet 機器が性能を発揮できるように、「Ethernet用避雷器 MDCAT」は通信への影響を最小限に抑えています。

 規格で決められている最大ケーブル長100mで、CAT5eの通信試験に合格しています。

ギガビットイーサネット1000BASE-T対応

(2)PoE(パワーオーバーイーサネット)対応

 PoEは、通信機器への電源供給のために48V(最大57V)の電源電圧がLANケーブルに出力されます。

Ethernet用避雷器 MDCAT」では、PoEで使用される線間電圧についても放電素子と電圧制限素子の2段構成で保護性能を高めています。

PoE対応

高密度実装  便利なDINレールを用いた一括接地機能

イーサネット用避雷器 MDCAT」は、パソコンやWebカメラなどの近傍に手軽に取付けていただけるように、本体を固定せずLANケーブルの一部としてご使用いただけます。

 また、FA現場や19インチラックなどへの高密度な取付けにも対応できるよう、DINレール取付構造を採用しています。

(1)DINレールでの多連取付け

 接地用DINレールに取付ければ、接地線を1台ずつ接続する作業が省略できます。

 なお、接地端子としてねじ端子も用意していますから、電線による接地も可能です。

DINレールでの多連取付

(2)DINレールを使った一括接地

Ethernet用避雷器 MDCAT」をDINレールに取り付けたとき、ショートバーの一部がDINレールと接触する構造になっており、多連取付けする際に接地配線の手間を省けます。

DINレール使った一括接地

アプリケーション イーサネット多機能化に伴い、その活用範囲がさらに広がっています

 PoEでは、48Vで約15Wの電力が給電できます。接地する現場に供給電源を用意する必要が無く、電源配線の手間も省けるため消費電力が少ない機器で活用されています。

 具体的にはVoIP対応の電話機(IP電話)や無線LANのアクセスポイント、Webカメラなどへの応用が期待されています。

システム構成例


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