エムエスツデー 2006年10月号

操作部コンポーネント、電源、共通機器

交換必要時期を表示する電源
電源ユニット(形式:MDC6、MDC7)

(株)エム・システム技研 開発部

は じ め に

図1 電源ユニットの外観

 エム・システム技研では、かつて『エムエスツデー』誌2005年5月号で表示機能付 電源ユニット(形式:MDC5、DC24V 60W)をご紹介しました。今回は、お客様のご要望にお応えし、さらに容量の大きい機種を追加しました。

 すなわち新機種として、2種の電源ユニット(形式:MDC6、DC24V 120W、および形式:MDC7、DC24V 240W)を発売します(図1)。

 本稿では、MDC6MDC7の特長についてご説明します。

1.表示機能付き

 最大の特長は、電源の状態が、ケース前面の3桁7セグメント指示計でわかることです(図2)。

 MDC6MDC7では、電源の出力電圧・出力電流をはじめ、使用時のピークホールド電流や瞬時の電圧低下などを前面から目視・確認できます。さらに、電源の交換必要時期を事前に知らせる機能も搭載しています注)

図2 MDC6の前面パネル図

2.交換必要時期のお知らせ機能とは?

 電源が突然停止すると設備の稼働率や製品の不良率に大きい影響を及ぼすため、時間的・費用的に大きな損失の発生が予想されます。しかし、電源が性能を十分発揮できなくなる時期が事前にわかれば、これらの損失を未然に防ぐことができます。

 MDC6MDC7は、そのような「電源の交換必要時期を事前に知りたい」というニーズに応え、電源が自分自身をモニタリングして寿命を予測する「交換時期お知らせ機能」を搭載しました。

3.交換必要時期が事前にわかることによるメリットとは?

 (1)電源の性能が正常なうちに確実に交換でき、突発的な設備ダウンを回避できる。したがって、設備復旧にかかる時間損失や、非稼動による生産損失をなくすことができます。

 (2)電源の交換時期を推定するために行っていた、稼働時間や動作状況の管理が不要になり、メンテナンス時間を削減できます。

 (3)電源を一律に交換するのではなく、各電源をそれぞれの寿命に応じて最大限に使用できるうえ、在庫削減にもつながるためコストダウンが図れます。

4.その他の充実した安全機能

 安全で、安心してご使用いただけるように、MDC6MDC7はいろいろな機能を備えています(図3)。

図3 MDC6、MDC7の状態表示例

 (1)出力電圧の表示機能  

 電源の出力電圧が表示されるため、計測器を使わなくても、電圧調整が可能です。

 また、出力電圧の正常・不正常を判定するためのON/OFF LED表示だけではわからない設定電圧も一目で認知できます。

 (2)出力電流の表示機能

 出力電流が表示されるため、わずらわしい容量計算を行うことなしに負荷に対する余裕度を知ることができます。このため電源の小形化やコストダウンの検討が容易になるだけでなく、設備の増設時に電源容量変更の要否が簡単に判断できます。

 (3)不足電圧表示機能

 出力電圧の低下を検出すると、LEDが点灯し、出力異常を知らせます。設定電圧は、定格電圧の約80%にセットしてあります。

 (4)ピーク電流ホールド表示機能

 ピーク電流ホールド表示により、瞬時的な過電流の検知ができ、不足電圧検出表示機能による一時的な低電圧の検知と併せて、システムの故障解析や負荷の異常状態確認が容易に行えます。

5.各種規格

 安全規格については、UL508/60950、CSA C22.2 No.14/60950、 EN50178、EN60950 に対応し、CE マーキングも取得しています。

 さらに、鉛フリーはんだを使用しているため、輸出される組込器機用の電源としても安心してご使用いただけます。

6.変換器との高い親和性

 MDC6MDC7は、DINレールにそのまま設置できます。したがって、DINレール取付け形変換器の電源として最適です。エム・システム技研のDC24V電源で使用する商品と一緒にお使いください。

 たとえば、コンパクト変換器みにまるシリーズの電源としてご使用になる場合は、MDC6 1台でみにまる変換器 20台まで給電できます。またMDC7であれば、2倍の40台まで給電できます。

図4 MDC6の外形寸法図

図5 MDC7の外形寸法図

お わ り に

 エム・システム技研は、今後も変換器用電源の分野に注力し、魅力ある製品づくりを目指していきます。

 ご意見、ご要望をお気軽にぜひお寄せください。

注)この機能の原理については、『エムエスツデー』誌2005年5月号「交換時期もわかる表示機能付電源 電源ユニット(形式:MDC5」でご説明しています。

みにまるは、エム・システム技研の登録商標です。


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