エムエスツデー 2005年7月号

遠隔監視のアプリケーション
No.9

Webロガーのアプリケーション
− フィールドロガーシリーズの新機能について −

 エム・システム技研の現場設置形データロガー「フィールドロガーシリーズ」(代表形式:TL2、製品名称:Webロガー/FAXロガー)は、これまでに多くのお客様にご採用いただき、様々な現場で活躍しています。これらの実績をふまえ、このたび新たに機能を追加したニューバージョン(Ver.F)の発売を開始します。本稿では、従来製品(Ver.D)に追加された新機能についてご紹介します。

1.入出力装置の拡充

 従来の(1)内蔵I/Oタイプ、(2)R1シリーズ リモートI/Oタイプ、(3)R5シリーズ リモートI/Oタイプに加えて、新たに (4)R3シリーズ リモートI/Oタイプ、および(5)PLC接続タイプを追加しました。

 ●R3シリーズ リモートI/Oタイプ:
 R3シリーズには多点入力カードが用意されており、多数の入力点数が必要なアプリケーションにおいては、スペースファクターとコストの点で有利になります(直流電圧入力カードを例にとれば、R5では2点/1カードに対して、R3では8点/1カードです)。

 ●PLC接続タイプ:
 三菱電機製 A/Qシリーズ、およびオムロン製SYSMAC CS/CJシリーズとの接続機能を用意しました。RS-232-C通信で接続します。既設、新設を問わず、PLCとTL2の機能を組み合わせたアプリケーションに最適なモデルです注1)
  上記のタイプの許容入出力点数については、表1をご参照ください。

表1 許容入出力点数

I/Oタイプ
許容入出力点数
R3シリーズ
リモートI/Oタイプ
アナログ入力×64点+接点入力×128点+接点出力×64点+
TL2内蔵接点出力×4点
三菱電機製
PLC接続タイプ
アナログ入力×64点+接点入力×128点+パルス入力×4点+接点出力×32点+
アナログ出力×4点+TL2内蔵接点出力×4点
オムロン製
PLC接続タイプ
アナログ入力×64点+接点入力×128点+パルス入力×4点+接点出力×32点+
アナログ出力×4点+TL2内蔵接点出力×4点

2.10秒トレンド機能 注2)

 ●トレンドデータ記録:
 従来の機能は、(1)「アナログ入力32点を1分間隔で7日分記録保存」でしたが、新たに(2)「8点を10秒間隔で7日分、ならびに24点を1分間隔で7日分」の機能を追加しました。(1)または(2)のいずれかを選択して使用できます。

 ●トレンドデータ表示:
 従来の1分周期のトレンド表示画面(標準Web画面)に加えて、10秒周期のトレンド表示画面を付加しました(表示時間幅は2日間)。たとえば、マンホール/雨水貯留槽/河川などにおいて、激しい降雨時に短時間で変化する可能性のある水位の監視などに有効です。

3.演算変数の処理 注2)

 中従来のモデルのもつ、「アナログ任意演算機能」と「デジタル任意演算機能」による演算結果に対して、PV(アナログ入力)処理、LV(デジタル入力)処理とまったく同様の処理を施すことを可能にしました。この結果、たとえばタンクの水量を底面積(定数)×水位(アナログ入力)として演算し、その結果をPVに割り付けることによって水量に対する上下限チェック(標準機能)を施すことができます。また、異常検知の接点入力と操作盤に設置した通報解除スイッチとの論理積を取り、その状態に応じて異常通報を実行するなどのアプリケーションが実現できます。さらに、これら演算結果は、アナログ入力やデジタル入力とまったく同様に帳票に反映させることができます。

4.年報期間

 年報における1年の開始/終了月を、1/12月に加えて、4/3月、10/9月の選択ができるようになりました。

5.供給電源にDC24V仕様を追加

図1 バックアップ電池ユニット(形式:TLB5)の外観と寸法 設置現場によっては、電源としてDC24Vの給電が指定される場合があります。これに対応するために、DC24V給電のタイプを用意しました。併せて、停電時への対応として「バックアップ電池ユニット」(形式:TLB5)も用意しました。形状寸法はTL2と同一であり、コンパクトに並べて設置することもできます。図1にTLB5の外観を示します。

注1)詳細は本誌2005年3月号「遠隔監視のアプリケーションNo.6 フィールドロガーのPLCインタフェース」をご参照ください。
注2)2.項、3.項はエム・システム技研のホームページ(https://www.m-system.co.jp/)の「デモサイト公開中」/「Webロガー」釦から入って、「マンホールポンプシミュレータ」に入っていただくことにより、具体的に体験していただくことができます。

フィールドロガーは、エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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