エムエスツデー 2005年3月号

遠隔監視のアプリケーション
No.6

Webロガーのアプリケーション
フィールドロガーのPLCインタフェース

 フィールドロガー(シリーズ代表形式:TL2)にPLCインタフェース機能付モデル(形式:TL2W-P)を追加しました。従来、TL2にはI/O内蔵形のモデルと、リモートI/Oを接続する拡張I/Oモデルを用意していました(図1参照)。これらに加え、汎用PLCに対するインタフェース機能を備え、通信経由でPLCからI/Oを取り込む新しいモデルをこのたび追加しました。本稿では、新モデル(TL2W-P)の概要をご紹介します。

図1 TL2のI/O取込み法(従来方式の2例)

システム構成

 図2にTL2W-PとPLCとによるシステムの構成例を示します。PLC側には、メーカーごとに標準で準備されているシリアル通信用のユニットを実装し、TL2W-P側が通信のマスタになってPLCとの通信を行います。TL2W-P側からアクセスできるデータは、PLC側のデータメモリ(レジスタ)上のデータです(TL2W-P側から見て、Ai:64、Di:128、Pi:4、Ao:4、Do:32点)。

 PLCとの通信に関しては、PLCのメーカーとモデルに対応する通信プロトコルがTL2W-P側にあらかじめ装備されているため(TL2W-Pに付属する専用ビルダで選択−図3参照)、面倒なソフトウェアの設定は不要です。

図2 TL2とPLCによるシステム構成例

図3

システムのメリット

 TL2がPLCインタフェース機能を具備したことにより、様々なシステム構成の可能性と応用上のメリットが生まれました。以下に、そのいくつかを挙げます。

●TL2のI/O点数が、PLCを利用することによって大幅に拡張される。

●PLCのシーケンス制御機能とTL2の高度なデータ収集機能、遠隔通信機能を融合したシステムが容易に、かつ安価に構築できる。

●既設のPLCにTL2を付加することによって、Web対応のリモートステーションに変身する。現場で稼働するPLCを遠隔管理部署から監視、操作できる。

 以上のように、このたび追加した機能を利用することによって、TL2ならびにPLCの付加価値を相互に高めることができます。システムの計画にあたっては、ぜひPLCとTL2の結合をご検討ください。

注)現在のところ、TL2W-Pによって対応できるPLCの種類は以下のとおりです。
 三菱電機製:MELSEC QシリーズおよびAシリーズ
 オムロン製:SYSMAC CS/CJシリーズ

フィールドロガーは、エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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