エムエスツデー 2009年5月号

Product Information
No.13

電力マルチメータ(形式:54U)の
アナログ出力に絶縁タイプを追加

 

 パネル埋込形電力マルチメータ54・UNITシリーズについては、従来よりご好評をいただいていますが、このたび、その伝送用アナログ出力に多チャネル出力間絶縁のタイプを加えたので、ここにご紹介します。

54・UNITシリーズ

図1 電力マルチメータ(形式:54U)の外観 まず54・UNITシリーズの概略についてご紹介します。

 54・UNITシリーズは110角の表示部をもつ電力マルチメータで、発売以来多くのお客様にご愛用いただいています。

 マルチメータとは、その名の示すとおり1台で電圧、電流、電力など複数項目の計測値を表示する計測器で、54Uを含む多くの製品は、これら計測値の伝送機能をも備えています。

 従来、単項目計測値表示のメータを多数必要としたケースに対しても1台での表示が可能であり、また計測した任意の計測項目値を伝送できることから、すなわちその利便性とコストパフォーマンスのゆえに近年ますます需要が高まりつつあります。

アナログ出力間絶縁

 計測項目値の伝送については、Modbus通信とアナログ出力がありますが、このたびアナログ出力4チャネル間の絶縁タイプを追加しました。

 チャネル間を絶縁することによって、個々のチャネルを系統の異なるシステムへ伝送する場合にも、アイソレータを置く必要がなくなります。

 系統の異なるシステムに分散して出力する場合、アイソレータを使用しないと不必要に大きい信号ループを形成してしまい、悪環境のもとではシステムの安定性に問題が生じやすくなります。しかし、それぞれのシステムが絶縁されていれば分流や迷走電流の影響が回避でき、信号線の絶縁劣化に起因する接地事故の影響や保守時の誤作動による影響も最小限に抑えることができます。また絶縁タイプの54Uを採用すれば、コストについても追加費用は4万円で、アイソレータを4個使用するより経済的であり、併せて設置スペースや配線コストも削減できます。

電力マルチメータ(54U)の特長

 54Uは以前からご紹介していますが注1)、今回加えたアナログ出力間絶縁以外の従来からの特長についても簡単にご紹介します。

(1)表示器には白色のバックライトを採用していて、黒色表示とのコントラストと相まって視認性に優れています。

(2)31次までの高調波の計測が可能であるため、歪んだ波形に対しても正確な計測が可能です。また、コンフィギュレータソフトウェアを使用すればPCからも簡単にモニタできます。

(3)コンフィギュレータソフトウェア(形式:53UCFG注2) を使用できるため、設定がきわめて簡単に行えます。また、設定内容をCSV形式のファイルで保存できるため、Excelなどの汎用ソフトウェアを用いた保守や管理が容易に行えます。運転状態もベクトル図や高調波棒グラフなどでモニタできます。

(4)54U用のソフトウェア PCレコーダライトソフトウェア(形式:MSR128LU□注2)によってPCを用いた計測が可能です。アラーム記録やデータのCSVファイル保存機能もあり、簡易な計測システムを構築できます。

*   *   *

 54・UNITシリーズでは、今後LONWORKSやCC-Linkに対応した製品も順次リリースする予定です。

 これからも、より便利で優れたマルチメータに成長させたいと願っておりますので、関係あるご意見、ご要望をお持ちでしたら、ぜひエム・システム技研ホットラインまでお寄せください。

注1)54Uについては『エムエスツデー』誌2007年6月号および2008年10月号にもご紹介しています。
注2)53UCFG、MSR128LU□は、エム・システム技研のホームページから無償でダウンロードしてお使いいただけます 。

【(株)エム・システム技研 開発部】


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