エムエスツデー 2008年11月号

Product Information
No.7

本質安全防爆対応
2線式デジタルパネルメータ(形式:6DV/6DVI)

 

図1 6DV/6DVIの外観と寸法 今回、ご好評をいただいておりますフィールドマウント形変換器 6・UNITシリーズ2線式デジタルパネルメータ(形式:6DV/6DVI)に、本質安全防爆仕様を追加しましたので、ここにご紹介します。

 6DV/6DVI は、直径70mm、厚さは21mmの円盤形で、非常にコンパクトな製品です(図1参照)。デジタル表示部には高輝度の7セグメントLEDを採用し、暗い場所ではもちろんのこと明るい場所でも数値をはっきり読み取れます。バックライトのないLCD表示器と比べると、その視認性の良さは一目瞭然です。

 6DV/6DVIのような防爆対応製品は、実際にそれを使用する国または地域において、当該国または地域で定められた防爆規格に適合している必要があります。このたび追加した防爆仕様は、欧州におけるCENELEC本質安全防爆(ATEX)、米国およびカナダにおけるFM本質安全防爆、そして日本における労検本質安全防爆規格(技術的基準)に適合しています。

 なお、6DV6DVI 注1) は、本質安全防爆パラメータ注2)だけが異なり、その他の仕様はすべて同じです。6DVがUi(Vmax)=30V、Ii(Imax)=100mA、Pi(Pmax)=0.75Wであるのに対し、6DVIはUi(Vmax)=28V、Ii(Imax)=120mA、Pi(Pmax)=0.84Wという本質安全防爆パラメータをもっています(表1参照)。これらのパラメータと同一ループ上の他の本安機器および安全保持器の仕様を照らし合わせて、いずれかの機種をお選びいただけます注3)

表1 防爆仕様

使用温度範囲
 ● CENELEC(ATEX)およびFM 防爆の場合
 温度等級  周囲温度
 6DV  6DVI
 T4  −40 ~+80 ℃  −40 ~+85 ℃
 T5  −40 ~+60 ℃  −40 ~+60 ℃
 ● 労検防爆の場合(6DVのみ)
 温度等級  周囲温度
 T5  −20 ~+60℃
本質安全防爆パラメータ
   6DV  6DVI
 Ui(Vmax)  DC30 V  DC28 V
 Ii(Imax)  DC100 mA  DC120 mA *1
 Pi(Pmax)  0.75 W  0.84 W
 Ci  1.0 nF  1.0 nF
 Li  0 mH *2  0 mH

*1、本質安全防爆認定上の許容電流であり、製品性能を保証する電流ではありません。
*2、労検本質安全防爆の場合は「無視できる値」です。

表2 適合規格

認定安全規格
FM本質安全防爆
Class I, Div. 1, Groups A, B, C and D
Class I, Zone 0, AEx ia IIC(米国)
Class I, Zone 0, Ex ia IIC(カナダ)
T4 and T5
(Class 3610)
(CAN/CSA-C22.2 No.157-92)
CENELEC本質安全防爆(ATEX)
II 1G, Ex ia IIC, T4 and T5
(EN 50020:2002)
労検本質安全防爆(技術的基準)
Ex ia IIC T5

 本製品は、危険の発生度合が最も高いZONE0(0種場所)注4)に設置することができる本質安全防爆認定(IEC60079による分類記号:ia)を取得しているため、広範囲の危険場所でご使用いただけます。また、対象爆発物に着火するのに要するエネルギーの大小により細分された爆発等級についても優れた分類で認証を取得していて、たとえば水素やアセチレンなど爆発の危険性が高いガスが発生する雰囲気中でもご使用いただけます(表2参照)。

 さらに、6DV6DVIには、国際保護等級IP65の屋外設置用ハウジングの中に収納したモデル(形式:6DV-B6DVI-B)も取り揃えています。したがって、本質安全防爆の屋外設置デジタルメータが必要な場合に広くご対応いただけます。

 エム・システム技研では、危険場所に設置使用できる防爆機器の開発に今後も積極的に取り組んで参ります。ご意見やご要望がございましたら、エム・システム技研ホットラインまでぜひご連絡ください。

注1)CENELEC(ATEX)およびFM本質安全防爆のみ適合しています。
注2)本安機器の本質安全防爆性能を保持することができる最大の電圧、電流および電力と、本安機器の接続部に現れるとみなされる等価的な内部キャパシタンスおよび内部インダクタンス。
注3)本質安全防爆用としてご使用の場合、各認定毎の安全に関する取扱説明書をご参照の上、必ず安全保持器をご使用ください。安全保持器は、6DV6DVI の本質安全防爆仕様に合致したもので、ご使用になる危険場所に適合した認定を受けているものをご使用ください。
注4)爆発性雰囲気が連続して又は長時間存在する区域。北米で用いられるDivisionシステムによる分類ではDivision 1に相当します。

【(株)エム・システム技研 開発部】


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